銀と金ドラマ第4話感想|原作を超える設定の変更が!




ドラマ『銀と金』第4話の、福本伸行原作まんがとの相違点をまとめ、感想を加えています。

ドラマ「銀と金」これまでの感想はこちら

 

年始にamazonビデオで第1話を観た人々の感想は「つまらない」という酷評が多かったです。

しかし回を重ねるごとに、個人的にはおもしろくなってきたように思います。

原作と違い、アクションシーンやも多く、あの「モズ」を演じた池松壮亮の演じる森田鉄雄や、リリーフランキー演じる平井銀二が、段々となじんできました。

原作では、森田も平井も、冷静な面がありながらも、熱量・熱血的な性格もあり、熱く人の心を動かしていく面がありましたが、ドラマではそうしたアツい部分は影を潜め、冷酷・冷徹といった印象があります。

原作を知っている人は、当初はそこに違和感を感じた視聴者も多かったかと思いますが、ドラマに慣れてくるとこれもこれでおもしろいと思えるようになってくるから不思議なものです。

 

冷徹な人間が動き続けることにより生じる緊迫感とでも言うべきでしょう。

24分しか放送時間がないのが残念です。24分ほぼずっと緊張している感じですね。

 

さて、第3話で梅谷との仕手戦は一段落し、第4話からはまた別のストーリーが始まります。

以下、ネタバレに注意してご覧ください。

 

ちなみにamazon プライムの登録者は、これまでの配信・および翌週の放送分を先行配信で視聴することができます

銀と金 amazon プライムビデオ

ドラマ『銀と金』 原作との違い

原作との違いを列挙しつつ、青字で感想・コメントをはさんでいます。

 

有賀編のカット

原作では仕手戦後、平成の殺人鬼・有賀との戦いのエピソードに入りますが、ドラマ編では完全にカット。

さすがにテレビ放送はできないということでしょうか。

この有賀編は『銀と金』序盤の山場であり、まんがであっても手に汗握るほど緊迫するシーンの連続です。それをモズの池松壮亮が演じるとか。モズ対有賀というゴールデンカードですね。

有賀対森田は、もしかしたらドラマにしたら一番おもしろいんじゃないかと期待しているエピソードです。

 

ちなみにこの有賀編は、amazonプライムビデオで限定配信放送が予定されています。

時期としてはおそらく最終回後でしょうか。

 

5億かカラか、二者択一のトランク選択を外す森田

まんが:外れたショックで崩れ落ち、トランクにすがりつき、重みに気づく。

ドラマ:外れたショックで怒り狂い、トランクを蹴り飛ばし、重みに気づく。

ドラマはアクションシーンや派手なシーンを多くしなければならないという基本的な原則にのっとった演出でしょう。

ドラマや映画は、基本的にはキャラクターが動いているほうがおもしろいですからね。

その後もドラマの森田は怒ってトランクの中身をめちゃくちゃにかき出し始めます。そこで手紙を発見します。

 

ニセの札束の中身

まんが:新聞紙の切れ端

ドラマ:1万円札と同色のコピー用紙かなにか

ドラマのほうがスマート。黒服が新聞紙をチョキチョキやっている姿なんて想像したくない。

 

森田への手紙の内容

まんが:

 森田。このニセ札の束がオレからおまえへの餞別だ。自力でこのニセ札を本物に替えろ。全部替わった時再び会おうじゃないか。

 なーにこれからいうことを心に刻めば簡単なこと……一年もしないうちにトランクは金で溢れるだろう。

 森田よ、人のスキをつけ……! 欲望が飽和点に達した時、人の注意力はもろくも飛散する……そこを撃て……!

 

ドラマ:(手紙の文面を確認)

 森田――

 二者択一の必勝法は、両方がニセであること。ただし、その片方を本物と相手に思わせること。

 人のスキをつけ。欲望が飽和点に達した時、人の注意はもろく飛散する。

 このニセ札束が、俺からお前への餞別だ。自力で、これを本物に替えろ。

 全部本物に替わった時、再び会おう。  ――銀二

 

「二者択一の必勝法」は、原作まんがでは、森田の独白によって示されていますが、ドラマでは銀二の手紙によって示されています。

あとは「人の注意力はもろくも飛散する」と「人の注意はもろく飛散する」となぜか微妙に異なっていますが、改変の理由も効果もよく分かりません。

 

銀二と別れた森田のその後の行動

まんが:おそらく数ヶ月経過し、アイデアも浮かばぬまま途方に暮れる森田。考えあぐねた結果、一流ホテルのロビーで周りの話に聞き耳を立てながら情報収集を開始。

ドラマ:すぐに行動を開始。種銭を稼ごうとスロットや競馬などギャンブルで金を集めようとするもうまくいかない。

ドラマの森田のほうが頭が悪いです。

 

画商中条(中島)の発見

まんが:ホテルのロビーで芽の出ない画家(青木)の作品をくさしているところを発見。

ドラマ:喫茶店で困っていた女性を助けたところ、彼女は画商の美術店で働いている芽の出ない画家(青木)だった。

画商の名前は原作まんがでは中条、ドラマでは中島になっています。なぜなのか……。

ドラマの方は、やや強引ではありますが、おもしろい流れです。

しかもここが大注目ですが、売れない画家の卵である青木が、ドラマでは可愛い女性になっていること。ちなみに女優の名前は鉢嶺杏奈さんという方です。ここは非常に面白いですが、その理由は後述。(誰でも分かる理由です。)

 

画商への接近

まんが:ホテルのロビーで挨拶を交わす仲になる。その後、帝銀頭取に引き合わせ、絵画取引の話を始める。

ドラマ:助けた青木に導かれて画商の店へ。翌日、スーツ姿で再訪問し絵画取引の話を始め、その後帝銀頭取に引き合わせる。

ここからはまんがとドラマでだいぶ展開が異なってきます。比較が意味をなさないほどです。

 

売れない画家青木の境遇・設定

まんが:男性。職業等の描写はなし。画商中条との特別な関係は見出されない。

ドラマ:女性。画商中島の下で働きながら絵画を制作。中島のバックアップにより美術界に押し出してあげるという約束をもとに、中島に肉体を許している。

ここが第4話の目玉ですね。青木のプロフィールをこのように改変するのは、原作を上回るすばらしいアイデアだと思います。

というのも銀二が書き残した「欲望の飽和点」という言葉に、画商中島の性格が更にマッチするからです。青木を女性に変えて、中島の言いなりになっているというのは、中島を欲深い画商という設定をさらに強化できています。

 

 

クラブでの支払い

まんが:中条持ち合わせがなく退店。森田はトイレで手持ちの所持金を確認する。

ドラマ:中島持ち合わせがなく退店。森田はその場で請求書記載の料金を確認。はめられたと自覚する。

ドラマ版では「さてどうする森田!?」といったニュアンスで次回に続きます。

まんが原作では、ある方法でどうにか切り抜けますが、ドラマ版ではどうやってこの窮地を脱出するのか。

 

まとめ

4話に入り、俄然おもしろくなってきたように感じます。

特に真ん中でも書いたように、画家の卵である青木を女性に切り替えたことは、非常に効果的な変更かと思います。

福本伸行まんがでは女性はほとんど登場せず、巽(たつみ)を臼田あさ美に切り替えたことにも、amazonレビューなどを眺めていると不満・酷評の連発でした。これについては、個人的にはそれほど目くじら立てて批判するようなことでもないが、違和感は確かに感じていました。

それが第4話の青木が容姿に優れた女性(鉢峰杏奈)であって、さらに画商の言いなりになっているという設定に変更したのは、見事だと思います。

 

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