銀と金ドラマ第5話感想|画商中島の心理描写が原作と違いすぎる!

      2017/03/04

ドラマ『銀と金』第5話の、福本伸行原作まんがとの相違点をまとめ、感想を加えています。

ドラマ「銀と金」これまでの感想はこちら

 

相変わらず、amazonプライムビデオの配信で見ている方々のレビューでは「つまらない」という酷評が多いようです。

特に第4話では、画商中島の「沈めろ」というセリフに違和感を覚えた方が多かったようです。

中島はあくまで画商だし、そもそもあの時点で森田を海に沈めて何の得があるんだ、との感想・批判がありました。

この違和感は最もですね……。

 

このような意図の不明な付け加えもありますが、全体的には回を重ねるごとに、おもしろくなってきています。

 

第3話で梅谷との仕手戦は一段落し、第4話からはまた別のストーリーが始まっています。

画商中島とのセザンヌの『ジャ・ド・ブッファンの眺め』をめぐる闘いです。

画商中島編は、アクションシーンに頼ることもできないため、脚本や演出で勝負しなければなりません。

 

では、第5話の、原作との相違点を以下でまとめていきます。

以下、ネタバレに注意してご覧ください。

ドラマ『銀と金』 原作との違い

原作との違いを列挙しつつ、青字で感想・コメントをはさんでいます。

ちなみに、今までの放送は、amazonプライムビデオの登録者は無料で視聴可能です。

銀と金 amazon プライムビデオ

中島の息のかかった店での高額請求の助け舟

まんが:川田という新しいキャラクターが登場。

ドラマ:船田が登場。

まんがでは、銀二の助けを借りないということで、川田という新しいキャラクターが登場しています。

一方ドラマでは、銀二を除いた銀二グループの仲間と行動を共にします。

これはドラマ特有の事情でしょう。確かにいちいち新しいキャストを登場させる必要もあまりないので、個人的には別にいいかなと思います。

ただし、船田がたまたまタイミングよく居合わせたのは、結構無理があるように感じます。

トイレでお互いに驚くという演出も、ギャグのつもりだったのかもしれませんが、余計でした。

 

窮地を切り抜けて一息つく森田

まんが:川田というキャラクターとパートナーになる。

ドラマ:巽の経営しているいつものバーで、仲間たちにプランを話す。

まんがでは川田が贋作のシンジケートを手配しますが、ドラマでは船田が手配します。

安田・巽・船田といますが、森田の計画に協力するのは船田のみ。

ちなみに安田にちょっかいを出されたジャズバーの店員の女の子(三上紗英)役の女性は、斎藤めぐみさんという女優です。

それと、船田のYシャツの襟にキスマークがついているというギャグは、個人的にはよかったです。

暗くてシリアスなドラマには、こういうギャグがいいんですよね。

 

青木にセザンヌ『ジャ・ド・ブッファンの眺め』の模写を依頼

まんが:青木が男性なので、単に依頼する。

ドラマ:青木が女性なので、単に依頼するだけではなく、森田は青木の手をとり「君は自由だ」と諭す。

前回記事でも書きましたが、芽の出ない画家の卵である青木の設定を、ドラマでは女性(鉢峰杏奈さん)に変更しています。

この点については、原作を超えた卓越した演出であると、個人的には考えています。

(関連記事)銀と金ドラマ第4話感想|原作を超える設定の変更が!

 

映像作品としても、何となくうっすら男女の恋愛要素があります。(森田を見つめる青木の表情など)

青木がきれいな女性というだけで、退屈する要素を見事に消し去っています。

 

また、森田が青木の手をとるという行為に及んだ理由は、必ずしも明快ではありません。

しかしあえて森田の意図を不鮮明にしておくことが、かえって物語の謎を深めておもしろいような気もします。

今後の青木との関係・展開がどうなるのか? と視聴者に思わせることができます。

 

頭取のセザンヌをすりかえるトリック

まんが:額縁を二重にかさねて運ぶ。(額縁2枚)

ドラマ:青木の模写を本物にかさねて運ぶ。(額縁1枚)

まんがでは、青木の模写を額縁に入れ、本物の前に重ねています。一方ドラマでは、絵のキャンバスだけを本物の絵の上に重ねています。

これはドラマのほうがスマートですね。額縁が二重にするよりも違和感がない。

そして銀二の言葉「二者択一の必勝法は、両方がニセモノであること」を引き合いに出す。

これも原作にはありませんでした。とても分かりやすくなっています。

 

中島への勝負をどう提案したか?

まんが:頭取が中島のセザンヌの鑑識眼を確かめたいという、いわば試験の名目で勝負を提案。

ドラマ:頭取が現在保有するセザンヌを処分したいという、売却先として勝負を提案。

原作まんがのほうが何となく自然な感じもしますが、ドラマ版もそれほど違和感はありません。

 

ちなみにドラマではここで青木が寝返るシーンおよび森田への感謝のシーンが挿入されます。

青木は森田に感謝をしますが、森田は冷淡な対応をとります。

 

勝負の日、中島を迎える

まんが:喫茶店で待ち合わせ。男にコーヒーを飲ませておき、待ち合わせの時間に喫茶店にいたというアリバイ作りを行う。

ドラマ:画廊の前で待ち合わせ。特にアリバイ作りなどはなく、中島は遅刻して「待たせたな!」といって現れる。

この辺りは、まんがのほうが、森田と画商中条(中島)との間の、心理的な駆け引きが丁寧に作りこまれています。

遅刻して「待たせたな」なんて言っちゃったら、何をしていたのか怪しいじゃないか。

 

ちなみに、この画商編のストーリーの大部分は、いかに森田が画商中島を勝負の土台に乗ってもらうか、というプロセスを描いています。

しかしながら、中条(中島)もいったん勝負に乗ったら、森田に「やっぱりやめた」と勝負を降りてもらいたくない心理が働くはずです。

インチキをして「必ず勝つ」という工作をしたのだから、森田にそれが知られて勝負をなしにされたら、元も子もない。

そのインチキ工作を隠蔽するために、待ち合わせのアリバイにも余念がない。そのあたりの描写がドラマでは省かれていました。

 

中島との勝負の場所

まんが:都心のビルの一室

ドラマ:広い空き倉庫

この変更の意図は不明……。

ここから森田が勝負のルールを説明していきますが、その過程で「こっちもリスク背負ってるんだ」というセリフが出てきます。

原作でもドラマでも、森田はあくまで土門頭取の代理という名目で中島に働きかけているのだから、チンピラのような言葉遣いのセリフを挿入するのは、やや疑問です。

原作まんがでの森田も多少の挑発はしますが、あくまで冷静な態度を貫いています。

 

まとめ

第5話は、全体的なストーリーは、原作に沿って展開されました。

 

原作まんがとドラマとの明らかな変更点は以下です。

・川田という新しいキャラクターを登場させず、船田に代行させた点。

・画家の卵である青木を女性にした点。(第4話~)

 

第5話で個人的に良かった変更点は以下の2点。

・青木の設定を女性(鉢峰杏奈)に変更し、さらに森田とのロマンスの要素を薄く入れている点。

・頭取のセザンヌのすり替えを、額縁を二重にかさねるというかさばる方法ではなく、キャンバスを重ねるというスマートな方法で実行した点。

 

反対にイマイチな変更点は、

・中島の行動や心理の描写にやや省略があった点。(=イカサマ工作を森田に知られないようにする努力)

 

次回(第6話)は、画商中条(中島)編の決着が予想されます。

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