銀と金6話感想|ドラマ版森田のケチくささと小物感がひどすぎ




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ドラマ『銀と金』第6話の、福本伸行原作まんがとの相違点をまとめ、感想を加えています。

ドラマ「銀と金」これまでの感想はこちら

 

第4話~第6話まで、画商中島とのセザンヌ『ジャドブッファンの眺め』をめぐる闘いが放送されます。

 

今回の第6話は、中島編の最終回。第7話からは、西条とのポーカー編が放映されることが予想されます。

 

では、第6話の、原作との相違点を以下でまとめていきます。

なお、amazonプライムビデオによる視聴で、テレビ放送より1週早い内容です。

これまでの放送もすべて無料で視聴可能です。

銀と金 amazon プライムビデオ

したがって以下、ネタバレに注意してご覧ください。

特に、中島との対決では、森田の仕掛けたトリックや、本物の絵・偽物の絵はどれなのか、という内容を含みます。

ネタバレにはご注意ください。

ドラマ『銀と金』 原作との違い

原作との違いを列挙しつつ、青字で感想・コメントをはさんでいます。

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最初から金を積む画商中島

まんが:まず金を積む前に、セザンヌの絵を眺める。一見して右が本物と感じるが、安易には決められず金の橋を積む。

ドラマ:いきなり1億を使い、1メートル近づく。絵よりも、額縁に付けた自らの印を探している。

まんがの中条は、絵を始めに見ますが、ドラマの中島は、とにかく自らのチェックマークを探そうとします。

この辺りは、画商の性格設定にもよるのでしょうか。まんがの中条よりも、ドラマの中島のほうが、欲深く、性格も大仰な人物として描かれています。

その点では、絵よりも印だ、という思考回路には納得できます。

自らの選択や判断についても、原作よりもドラマの方が、自信たっぷりのように演出されています。

 

明かりを持ち上げる人物

まんが:川田(=ドラマの船田)が真ん中に立ち、両手でライトを掲げる。森田は青木を動かさない。

ドラマ:船田と青木が両サイドから、3枚の絵画を照射する。

原作でもドラマでも、森田は青木と画商がグルになっていることを見抜いています。

まんがでは、勝負の間は青木に一切動かないように指示します。

それに対してドラマでは、あえて青木にライトを持たせるという重要な役割を任せます。

これはおもしろいアイデアです。

この勝負の要点は、画商中島の猜疑心をあおり、自爆・自滅を誘うことです。

勝負の最中でも、青木を利用することによって、一層の猜疑心をあおることができる、ということもまた考えられます。

 

橋上における中島の姿勢

まんが:しゃがんだりして安定している。

ドラマ:立ちっぱなしで、よくふらつく。

どうでもいいような違いですが、まんがは中条の思考内容を細かく表現することで緊張感を表現しています。

対してドラマでは、やはり多少の動きをもって緊張感を表現しようと試みているのでしょう。

 

青木に対する森田の指示

まんが:部屋の隅で一歩も動くなと指示

ドラマ:ライトを持たせて、それ以上動くなと指示

先ほども少し書きましたが、ドラマでは青木もライトを持ちます。

そして青木は中島の迷い悩む様子を見て、目印を照らそうとライトを一層上に掲げますが、森田に「それ以上動くな」と言われます。

ここで中島は、自分が青木とグルであることを、森田が見抜いていたと分かります。

しかし、それ以上動くな、と言っておきながら、クライマックスで青木が自分の判断でライトを動かすことを許している。

 

弱音を吐く中島への森田の言葉

まんが:中条さんにはもともとつまらない小細工なんて必要なかったんですよ……あなたには30年間つちかってきた鑑識眼があるじゃないですか。フフ、それを信じれば簡単なこと……。

ドラマ:あなたには30年間つちかってきた鑑識眼があるはずだ。それとも、人をだますことしか考えてこなかったせいで、目が曇りましたか? あんたは芸術にたかる寄生虫だ。自分じゃ何も生み出せないくせに、人が命を懸けて生み出したものに偉そうに講釈を垂れ、能書きを並べて批評する。あんたなんか美術品がなければ一銭の価値もない。俺はそういう奴が死ぬほど嫌いなだけです。

まんがでは、森田は淡々と語りますが、ドラマでは中島を盛んに挑発します。

冷静な判断力を鈍らせる狙いでしょう。

全体的にいって、ドラマ版の森田や銀二は、原作に比べると人を見下したような、挑発的な性格を加えられています。

原作では、あまり表だって直接相手を侮辱するような挑発はほとんど見られませんが、ドラマ版では銀二は梅谷を挑発するし、森田はすぐキレる。

つまり、ドラマ版では暴力的な側面が原作まんがに比べて目立ちます。

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画商の決断と選択

まんが:右の絵が本物に見えると思いながらも、疑心暗鬼にかられる。最後は、セザンヌの鑑識眼を持つ自分に、本物の絵を見せられるはずがないと考え、布の絵を選択。

ドラマ:右の絵が本物であると確信するが、最後に青木が自発的に灯りを動かし、正解を教える。しかしそれが原因で疑心暗鬼になり、青木を信じずに布の絵を選択。

この画商の決断までの流れは、まんがとドラマで大いに異なります。

まんがでは青木の助けがないので、森田の心理を勝手読みして、布の絵を選択しますが、ドラマでは青木が助け舟を出したつもりでも、それを信じることができずに、布の絵を選択する。

つまり、青木が最後にライトを動かさなければ、画商中島は本物を選んでいたかもしれない、という描写でした。青木を女性にして、画商のもとで働いているという設定を大いに活かしたものです。

これは、まんがもドラマも甲乙つけがたい演出でした。

 

決着後の青木への対応

まんが:謝罪する青木に対し、報酬の300万を渡し、森田は青木を置いてその場を立ち去る。その後、青木のいないところで、青木が撒き餌だったと川田(船田)に説明。

ドラマ:謝罪する青木に対し、裏切りは計算のうちだったと説明。怒りと羞恥で立ち去ろうとする青木に対し、報酬の500万を渡そうとするも、青木は受け取らず立ち去る。その後、「よっしゃあ……」と、500万を渡さずに済んだことを喜ぶ森田。

ここは、個人的には、首をかしげたくなる演出ですね。

原作まんがの森田はケチなところがない、気前のいい男なのですが、ドラマの森田は、どうもこういうところに非常にケチくささを感じます。

第4話では種銭稼ぎと称してパチスロや競馬に熱中したりなど、まんが版の気宇壮大な森田はどこへ行ってしまったんだろうか……。

それに、青木を女性にして、青木の手を取ったり、口説き落とすような口ぶりをして、恋愛要素の感じられる演出をしておきながら、決着後に青木を平気で侮辱し、恥をかかせるようなドラマの森田。

挙句の果てが、報酬を受け取らず立ち去った青木を見て、「……っしゃあ」などとつぶやく森田には、失望せざるを得ませんでした。

金が入って喜ぶのは現実味があっていいのですが、青木への態度や報酬を渡さずに済んで小躍りするケチくさい森田を見せられては……。

青木との関係が気になっていた視聴者も、がっかりなのではないでしょうか。

 

銀二との再会

まんが:森田はクラブに呼び出され再会。元気そうだなと、金を得たことを祝福するような雰囲気。そして銀二は大金の保管方法をアドバイスしつつ、自ら運転する車で森田を自宅まで送る。

ドラマ:土門頭取の部屋で再会。穴だらけの作戦だ、悪運が強いやつだと、きわめて淡々とした雰囲気で、銀二はすぐに黙って立ち去る。

穴だらけの作戦といえば、まんが版では、もし画商に本物を見破られた時の対応なども森田は考えていました。しかしドラマではそういう説明は一切なし。

放映時間の都合もありますが、少なくとも原作まんがの森田の作戦のほうが、はるかに用意周到でした。

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まとめ ドラマ森田の小物感がすごかった

第6話でのまんがとドラマ版の大きな違いは、「青木がライトを持つ」ということでした。

まんが原作とは、異なる形で、画商中島の疑心暗鬼・猜疑心をあおり、自滅を誘うという演出は、優れたポイントであると言えます。

 

しかしながら、決着後の青木に対する森田の態度が、これが最悪でした。

女性を目の前で侮蔑し、平然と恥辱を与える。

報酬を受け取らずに立ち去った青木に対して、金を渡さずに儲かったと小躍りする。

ケチくさくて、大物感が一つもない森田でした。

本来森田というのは、金に汚くない気宇壮大な性格の持ち主です。

第1話第2話(まんが第1巻)でも確認されたように、金に汚くないからこそ、銀二の仲間に加わることができたのです。

それが、500万ばかりのはした金を渡さずに済んで喜ぶなんて、金に汚くなくて何でしょうか。

 

ドラマ版の森田は、大物になるような感じがあまり見られないのが残念でした。

特に第4話、第5話の演出は、いいところが多かったので、第6話の森田の性格描写には、失望させられました。

 

ドラマ「銀と金」これまでの感想はこちら