福本伸行氏原作の『銀と金』がドラマ化しました。
私は個人的に福本伸行氏を、「史上最も偉大なまんが家のうちの1人」だと思っているくらいのファンです。
『銀と金』はわたくしは小学生の頃に読んで、夢中になりました。小学5年生くらいでずっと森田森田言ってました。
「鏖」 とノートに何度も書いていました。(わかる人はわかる。)
さて、2017年1月に、ドラマ化しました。昔Vシネでもあったみたいですね。
ドラマ第1話を見てみますと、原作とは異なるシーンが多い。
1話につきたった25分程度の放映時間のため、なかなか原作どおりにはいかないのかもしれません。
とくにAmazonのレビューを観てると、その点で酷評が多いようですね。(個人的にはそこまで酷評する気はありませんが。)
ちなみにamazon primeの登録者は、これまでの配信・および翌週の放送分を先行配信で視聴することができます。
以降、ネタバレありますので注意してご覧ください。
ドラマ『銀と金』福本伸行原作との違いまとめ【第2話】はこちら
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- 1 ドラマ『銀と金』 原作との違い
- 1.1 競馬場で銀さんが止めに入るところ
- 1.2 仕事の依頼
- 1.3 レストランでの森田
- 1.4 引越しセンターからの電話
- 1.5 仕事当日の朝
- 1.6 銀さんが大金(10億)を持っている理由
- 1.7 金を見た森田
- 1.8 鈴木への融資(融資のシーンは、ほぼ原作どおり)
- 1.9 裏金つまむ人間の運命
- 1.10 森田に仕事を依頼した理由
- 1.11 不正融資の融資先
- 1.12 森田に老人相手への仕事を依頼した場所と内容
- 1.13 奴らはまだいい人でいたいのさ
- 1.14 5千万の意味
- 1.15 金を減らしていく
- 1.16 よせ! 金を減らすのはやめろ! 汚ねえぞ!
- 1.17 森田が断る
- 1.18 森田が断る2
- 1.19 金より人を上においている、まっとうな人間だ
- 1.20 森田、再び銀さんと相まみえる場所
- 2 まとめ
ドラマ『銀と金』 原作との違い
第1話での原作との違いをまとめてみたいと思います。
競馬場で銀さんが止めに入るところ
(外れ馬券が金に見えてしまって・・・というところまでは同じですが、)
まんが:若い女性たちにその様子を笑われて、食って掛かろうとしたところを銀さんに止められる。
ドラマ:すぐに銀さんに話しかけられる。(女性は出ず)
仕事の依頼
まんが:競馬場から飲み屋に移動して、そこで話を持ちかけられる。
ドラマ:競馬場、その場で話を持ちかけられる
レストランでの森田
まんが:なし
ドラマ:付け加え
引越しセンターからの電話
まんが:なし
ドラマ:付け加え
仕事当日の朝
まんが:銀さんが軽トラ(2台)に乗ってきて、森田にみかん箱10個を移し変えてもらって、2人で移動。
ドラマ:安田がハイエースに乗ってくる。借金する客が後ろに乗っていて一緒に移動。銀さん不在。
銀さんが大金(10億)を持っている理由
まんが:不正融資をつかんでゆすった。
ドラマ:説明なし。
金を見た森田
まんが:自分の意志で箱を開けて驚愕する
ドラマ:銀二に言われて開けて、ちょっとびびるくらい
鈴木への融資(融資のシーンは、ほぼ原作どおり)
まんが:18%
ドラマ:25% (なぜ?w)
裏金つまむ人間の運命
まんが:しぼられる・奪われる・殺される
ドラマ:しぼられる・奪われる (殺されない。中山さんが立派な人間になっている。)
森田に仕事を依頼した理由
まんが:銀さんが森田を調べ、身よりもない身軽な人間だと分かっていた
ドラマ:説明なし
不正融資の融資先
まんが:一般人と、料亭に移動して大手銀行に4億5千万。
ドラマ:一般人相手のみ。
森田に老人相手への仕事を依頼した場所と内容
まんが:料亭 (直接には森田は何も手を下す必要はない。長い食事に出ていればいい。)
ドラマ:病院 (ターゲットの目前。森田自身の手で酸素マスクを外せと依頼。)
奴らはまだいい人でいたいのさ
まんが:(特になし)
ドラマ:「なあっ?」と老人の息子に問いかける。(これはひどい)
5千万の意味
まんが:「お前にはまだ、この金の重みが分からないだろう。しかし5千万という金は野望を抱く男にとって後の人生を劇的に変えられる金額、人生を買える金」
ドラマ:言及なし
金を減らしていく
まんが:500万ずつ減る、4000万で森田が動く
ドラマ:1000万ずつ減る、2000万で森田が動き、5000万に戻す (んなことしないで素直に500ずつ減らせよw)
よせ! 金を減らすのはやめろ! 汚ねえぞ!
まんが:森田「この金が減ると・・・まるで身を切られるよう・・・!」
ドラマ:銀二「どうだぁ? 身を切られるようだろう?」
森田が断る
まんが:料亭で銀二に面と向かって断り、立ち去る
ドラマ:病院で銀二は金を置いて出ていき、森田の判断に任せる
森田が断る2
まんが:銀二「お前は今、数百億をドブに捨てた。考えろ! 本当にここでオレとのつながりを断ってしまっていいかどうか?」
ドラマ:銀二が出て行ったから、この辺りの描写なし
金より人を上においている、まっとうな人間だ
まんが:森田が出ていき、巽と話している。
ドラマ:森田に直接話している。
森田、再び銀さんと相まみえる場所
まんが:料亭(変わらず)
ドラマ:ジャズバー (こんな人目につく場所を選ぶわけないとの批判あり。確かに。)
まとめ
やはり放送時間が短いということもあり、原作ファンからすれば、重要な事実の説明する部分がだいぶ抜け落ちてしまっている印象は否めないでしょう。
その観点から特に問題なのは、
・銀さんが10億を持っている理由が語られない点
・森田が億という金につかみたいと意志するに到った点
この2点でしょうか。この2点は互いに密接な関係があると考えられます。
銀二は大金を持っている、しかしどうやってそんな大金を手にしたのか?
まんがでは、森田は銀さんから細かく説明を聞きます。(不正融資)
実際に、どうやって稼いだのかを知らなければ、「ただのヤバイ金」としか思えないでしょう。深入りしたくなるとは思えません。
まんがでは、銀二が本当に自らの実力で10億をつかみ取ったという事実が、森田に強烈に印象付けられています。
ドラマでは、みかん箱の金を見て、ちょっとびびるだけの森田です。
さらに、まんがでは「お前は数百億をドブに捨てた。本当にオレとのつながりを断っていいのか?」という銀さんから森田への問いかけ。
この問いかけがあったからこそ、森田は銀さんの仲間になりたいといって戻ってきたのです。
ドラマ版では、老人の酸素マスクをとるか、とらないか、決断をしろというのみで、銀二は5千万を置いて、病院から立ち去ってしまいます。
これは私だったら、老人はほったらかして、5千万もってとんずらですね。
(↑みたいな皮肉を許してしまうような余地を、わざわざ作ることはない気がするけどなあ。)
原作のまんが版を読んでいない人は、おもしろいのでこの機会に読んでみるのを激しくオススメします。