突然ですが、あなたは中学生や高校生の時に、「てこの原理」や「円周率」、「積分」などを習いませんでしたか?
「数学や理科で習った!得意だから覚えてるよ!」という人もいれば、「うっ!苦手な教科だ…。聞いただけで頭痛が…。」という人もいますよね。
はい、そこの数学・理科アレルギーの人、この記事読むの止めようとしない!
今回は難しい話はない記事なので、安心して読んで大丈夫ですよ〜。
今回の記事では、それらの聞き覚えのある法則を見つけたアルキメデスという人について紹介します。
最近ではアニメやゲームにも登場する人物なので、馴染みがある人もいますよね?
今回は、
- アルキメデスの生い立ちと生涯
- アルキメデスの経歴や代表作品は?
- 【エピソード】アルキメデスの性格が分かる面白い逸話
- まとめ アルキメデスはどんな人物?おすすめ書籍や映画
について紹介します。
数学・理科アレルギーの人も、伝記だったら大丈夫ですよね?
この記事を読んだら、アルキメデスの生い立ちや性格、どんなエピソードを残した人なのかがよく分かります。
ぜひ、この記事を読んで下さい!
2020年1月25日追記
取り急ぎ、こちらにまとめて載せておきます。
また、本文中にも該当部分に指摘を再掲しました。
ネオ高等遊民さま
アルキメデスについての記事を書いていることを知りました.
訂正(補足)の必要がある部分がありますので,お知らせします.
- アルキメデスの生年を前287年とする典拠は,ヨハネス・ツェツェスの「韻文」であり,信頼性が低い.
- アルキメデスのアレクサンドリア訪問の典拠はシチリアのディオドロス『歴史叢書』1巻34であるが,「アレクサンドリアで螺旋ポンプを発明した」という年代錯誤な記述であるため信頼性に問題がある.
- 凸面鏡の発明については,ほとんどの研究者は信用していない.
- ローマ人によって殺された理由は,正式な処刑の可能性が高いことが近年の研究(2008年)で指摘されている.
信頼できる解説動画がこちらです(長いですが)↓
※記事に書かれていることは参考文献から誠実に引用された内容とは思いますが,ご指摘いたします.このマシュマロは非公開で構いませんので,歴史研究の楽しさも共有できればと思います.
下記クリックで好きな項目に移動
アルキメデスの生い立ちと生涯
(出典:世界の歴史まっぷ アルキメデス https://www.sekainorekisi.com/my_keywords/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%B9/より『アルキメデス (Domenico Fetti/アルテ・マイスター絵画館) ©Public domain』)
アルキメデスは、紀元前3世紀に生きた人物です。
具体的には、
- 紀元前287年、シチリア島のシラクサという場所で生まれる
- 紀元前212年、同じ場所で亡くなる
という75年の人生を生きました。
紀元前の人にしては長生きですね〜。
「シチリア島のシラクサってどこ?」という人は、地図を載せてるので確認して下さいね!
(出典:世界の歴史まっぷ ポエニ戦争 https://www.sekainorekisi.com/my_keywords/%E3%83%9D%E3%82%A8%E3%83%8B%E6%88%A6%E4%BA%89/より『ローマの領土拡大地図』)
さて、アルキメデスはシラクサの裕福な家庭に生まれました。
彼のお父さんは天文学者フェイディアスで、アルキメデスは父に影響されて子どもの頃から天体観測をしていました。
また少年時代には、当時の学問の都・エジプトのアレクサンドリアで勉強をしたのです。
アレクサンドリアと言えば、当時は世界最大の図書館があり、最先端の研究をする学者が集まる都市でした。
そんな恵まれた環境の中で勉強したアルキメデスは、数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者として有名になります。
「アレクサンドリアで螺旋ポンプを発明した」という年代錯誤な記述であるため信頼性に問題がある.
スゲー…。
では具体的にどんな成果を残したのかを見ていきましょう!
アルキメデスの経歴や代表作品は?
(出典:【古代兵器】「アルキメデスの熱光線」の伝説と真実 https://matome.naver.jp/odai/2136724897822778201)
アルキメデスは当初、エジプトで研究を行っていました。
エジプトでは、
- エラトステネスやアポロニウス、コノンなどの学者と交流する
- 灌漑用の水を汲む「アルキメデスの水車」を発明した
などの生活を送ります。
その後、故郷であるシラクサに戻ると、
- シラクサ王のヒエロン2世やゲロン王の援助で研究を続ける
- 自分の研究だけではなく、王から依頼された研究や発明を手掛けた
という活躍を見せました。
この時に
- てこの原理
- アルキメデスの原理
- 円周率を求めるための計算
- 積文学の基礎
- 流体静力学
- 無限小
など、現代でも有名な理論を次々と発見しました。
これらの一部については、後で詳しく説明しますね!
アルキメデスの研究の特徴は、理論だけではなく実践も重視し、理論に基づいた発明品も作り上げたことです。
それが発揮されたのは、紀元前218年から紀元前201年の間に勃発した第2次ポエニ戦争の時でした。
ここでポエニ戦争について簡単に説明します!
ポエニ戦争とは、
- ローマ共和国とカルタゴの間で地中海の支配権を巡って行われた戦争
- 合計3回の戦争が勃発し、第2次ポエニ戦争は紀元前219〜紀元前201年
- カルタゴのハンニバルがイタリア半島を制圧し、紀元前216年にローマ軍を撃破
- ローマ陣営だったシラクサはカルタゴに寝返る
- しかし戦争に乗り気ではなかったカルタゴ本国からハンニバルは補給を受けられず、戦況は悪化
- シラクサはローマ軍の手に落ちる
結果を招いた戦争でした。
この時、アルキメデスは
- シラクサの防衛のために兵器を開発した
- 投石機、化学兵器、凸面鏡などが彼が開発した兵器
- アルキメデスの発明品は、ローマ軍に損害を与えた
のです。
(出典:古代アレキサンドリア探訪 アルキメデス http://www.bibalex.jp/Ancient/03/03035.htmlより『アルキメデスの鉤爪』)
そのためローマ軍はシラクサ陥落後、アルキメデスを殺すことなく捉えて、ローマ軍のために兵器を開発させようとしました。
しかしアルキメデスのことを知らない1人のローマ兵がアルキメデスとの間でのやり取りでカッとなり、彼を殺してしまいます。
何てことしてくたんねん!
でもこの時、アルキメデスは既に75歳だったので、当時としては長生きしたとも考えられるんですよね。
ただもっと長生きしていたらどんな発見や発明をしていたのかと思うと、惜しい人物でした…。
【エピソード】アルキメデスの性格が分かる面白い逸話
(出典:山と哲学 アルキメデス【ARCHIMEDES】 http://writersnews.net/archimedes/)
さて、紀元前のシチリア島に生まれた天才のアルキメデスですが、どんな性格の人物だったのでしょう?
アルキメデスについてはたくさんの逸話が残っており、それらを見てみると
- 閃いたことがあったら、なり振り構わず一直線
- マイペース
- 天才肌
- 先進的な考え方も取り入れる
- 文才もあった
人物だということが分かります。
具体的なエピソードと絡めて紹介していきますね!
閃いたことがあったら、なり振り構わず一直線
- アルキメデスはある日、ヒエロン王から金の王冠に銀が紛れ込んでいないか調べるようにと言われる
- 何か方法はないかと考えながら家に帰ったアルキメデスは、お風呂に入った
- アルキメデスがお風呂に入った時、お湯が湯船から溢れる様子を見て解決法が閃いた
- そのまま「見つけた、見つけた!」と叫びながら裸で街を走り、ヒエロン王の元へ向かった
- アルキメデスが閃いた方法とは、王冠と同じ重さの金を用意して水に入れ、王冠も同じように水に入れる
- この時、溢れた水の量が同じなら王冠は純金で、王冠の方から溢れた水が少なければ銀が紛れ込んでいる
- 結果は王冠に銀が紛れ込んでおり、王冠を作った職人が一部の金を着服していたことが発覚
- このエピソードは「ヒエロン王の冠」として知られ、原理は「アルキメデスの原理」として有名になる
マイペース
- アルキメデスの最期については様々な説があるが、その内の1つに次のエピソードが残されている
- ローマ兵が侵攻して来た時、アルキメデスは地面に図形を描き、幾何学についての内容を考え込んでいた
- その時、歩いて来たローマ兵が地面の図形を踏みそうになった
- アルキメデスはローマ兵に「私の図形に近寄らないでくれ」と言った
- 戦いを終えたばかりで気が立っていたローマ兵はこの言葉にカッとして、その場でアルキメデスを殺してしまった
いや、そこはお互いに相手の空気を少しでも読んで欲しかった…!
天才肌
- 計算で円周率を求めたり、積分学の基礎を築いた
- 理論だけに留まらず、実際に様々な機械を発明した
先進的な考え方も取り入れる
- アルキメデスが生きた時代は紀元前だが、地動説(地球が太陽の周りを動いているという説)と天動説(宇宙は地球を中心として動いているという説)が唱えられていた
- アルキメデスは地動説を取り、自分が発見した重心の概念と絡めて提唱した
- その時の有名な言葉として、「私に(地球以外の)支点を与えよ、そうすれば地球でも動かしてみせる」が残されている
- アルキメデスの重心の概念は、「てこの原理」として有名
文才もあった
- アルキメデスが自分の考えを書いた書籍はたくさん残っている
- 具体的には『幾何学論文』や『牛の問題』、『平面板の平衡』などが挙げられる
まとめ アルキメデスはどんな人物?おすすめ書籍や映画
アルキメデスの生い立ちや性格、面白いエピソードについて紹介しました。
ここでアルキメデスについて簡単にまとめておきますね!
- 紀元前3世紀のシラクサに生きた数学者、物理学者、技術者、発明家、天文学者
- 理論だけではなく、技術の開発や改良にも力を入れた
- かなりマイペースだが閃き型の天才
- 第二次ポエニ戦争の時に、開発した武器でローマ軍を苦しめた
- 最期はローマ兵とのやり取りの中で、カッとなったローマ兵にその場で殺されてしまう
- 享年75歳で、当時としては長生きした人物
紀元前に先進的な考え方を取り入れ、自分の考察を机上の空論に留めず実践にも応用した天才だったんですね。
そんなアルキメデスについてもっと知るために、私がオススメする作品を紹介します!
本
『アルキメデス (天才!?科学者シリーズ 4)』(著:ルカ・ノヴェッリ 訳:関口英子 出版:岩崎書店)
- アルキメデスが自分の一生を語る形式を取っている
- イラストや図を使いながら、アルキメデスの人生を分かりやすく解説しているのが特徴
『アリストテレス アルキメデス―科学の誕生 (漫画人物科学の歴史 世界編)』(著:関口たか広 出版:ほるぷ出版)
- アリストテレスから繋がるアルキメデスの研究内容が漫画で分かりやすく解説されている
- 『アルキメデス (天才!?科学者シリーズ 4)』で彼の人生を知った次に読みたい漫画本
現代社会にも繋がる科学の基礎を作った天才学者の生涯に触れてみませんか?
以上、「アルキメデスの経歴や性格はどんな人物?生い立ちやエピソードが面白い」でした!
参考書籍
世界の歴史まっぷ アルキメデス https://www.sekainorekisi.com/my_keywords/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%B9/
世界の歴史まっぷ ポエニ戦争 https://www.sekainorekisi.com/my_keywords/%e3%83%9d%e3%82%a8%e3%83%8b%e6%88%a6%e4%ba%89/
古代アレキサンドリア探訪 アルキメデス http://www.bibalex.jp/Ancient/03/03035.html
コトバンク 「アルキメデス」 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%B9-28199
【古代兵器】「アルキメデスの熱光線」の伝説と真実 https://matome.naver.jp/odai/2136724897822778201
山と哲学 アルキメデス【ARCHIMEDES】 http://writersnews.net/archimedes/