国の借金問題をNHKが全国民向けに解説してたので記録しておきます

週刊ニュース深読みというNHK番組。

分かりやすくて、噛み砕いて説明してくれます。

特に面白いのが、模型を使った説明。とってもわかりやすいですね。

そして国の借金問題。英語でいうとgovernment debt(政府の負債)というそうです。

NHKが、誰にでもわかるようにとニュースを伝える番組。
NHKが、いわゆる「国の借金」問題について、どのように国民に伝えたいのか?
もっとはっきり言えば、視聴者目線タレントを利用して、どう誘導したいのか? 

しっかり確認しておきましょう。

(高等遊民は、この問題についてよく理解していないので、ぜひ教えてくださいませ。)

国の借金(国債の発行残高)はいくらなの? 2018年度は883兆円

以下は、枠で囲った文字は、テレビでの解説の要約です。
枠外は、高等遊民の補足や感想です。

883兆円。この数字一体何だと思いますか?
正解は「国債の発行残高」つまり借金の総額なんです。
来年度の予算案は、総額97兆7000億円。
その3割が国債です。

国の財政は借金頼みの状況がずっと続いています。
世界一、多額の借金を抱えているのが日本なのです。

国の収入はおよそ64兆円。
家計に例えると年収が640万円の家庭は、 8,830万円の借金を抱えているようなものです

国債発行ができる根拠:財政法と特例法

まず国の収入とは一体何でしょうか。
当然、国民からいただく税金です。
消費税・所得税・法人税。

歳入は税金だけじゃなくて色々ありそうですけどね。
国債発行ももちろん歳入なわけです。

日本には大きなルールがあります。
戦後に作られた財政法という法律です。
ざっくり言うと借金はだめだよという法律です。
入ってくるお金の中でやりくりしましょうという内容の法律です。
そのおかげで戦後しばらくは借金をせずにバランスを取り続けることができました。
しかし大きな転機がありました。
それが前回の昭和39年の東京オリンピックです。
オリンピックに向けて競技場、新幹線、道路などの公共事業を急ピッチで進めていきました。
だからガンガンお金を使って景気が良くなりました。
しかしそれがオリンピックが終わってケーキがピタリと止まってしまいました。
翌年の昭和40年には反動で経済成長がストップしてしまいました。
ただ当時は、公共事業をさらに進めるために、借金をしようという流れになりました。
財政法は、公共事業なら借金はOKという法律なんです。
道路とか橋というのはいちど来れば何十年と使えます。
未来の世代の人達も使えるので、借金をしてもいいだろうという考え方。
専門的に言うと建設国債と言う名目で借金ができるのです。

「借金をする=国債を発行する」ということでしょうね。

そのうち人口が増えてきました。
すると公共事業だけじゃなくて社会保障などにもいろいろお金がかかってきます。
そうするとまた、バランス(収支)が崩れます。
しかし、社会保障のための借金は財政法ではできません。

公共事業ではなく、未来のための建設国債としては発行ができないからですね。

そこで今回だけどうしても足りないなら特別にOKという特例法という法律をつくりました。
ちょっと腑に落ちないですよね。
その後毎年毎年、なんだかんだでお金が足りなくなって特例法を使っています。
それが883兆円になったのです。

財政法と特例法というのは初めて知ったので勉強になりました。

国の借金(政府の負債)はどこから借りている? 返す必要あるの?

借金すると、いつか返さないといけません。
その借りた金額だけではなくて利子を付けてちょっと多めに返さなければいけません。
借金を返すために借金を始めます。自転車操業です。
とにかくバランスを整えるために借金をしているのです。

公共事業や社会保障で支出が増えて「バランスが崩れる」
番組ではこのバランスが崩れるという表現をものすごく多用しています。

タレント「素朴な疑問としてそもそもこの借金はどこから借りているんですか?」
解説委員1「今のところは大部分は私達、日本国民。そういう考え方です。
「我々借金があるということ? 平たく言うと」
「返すのは後の世代の人たちです」
「よろしくお願いします。」

すごいですね~。解説委員の人。なめてますね(笑)

解説委員2「ちょっといいですか? いま国民から借りてるってお話ありましたよね。という事は国民の資産になっているということじゃないですか? 私たちは借金してるんじゃなくて、国にお金を貸してるんだから資産を持ってる。
さっきの話でも、借金は書かれてるけど僕たちの持ってる資産の話はしないですね。ちょっとアンバランスな気がします。」
解説委員3「日本はなぜこれだけの借金を抱えてなんとか回ってるのか? 国の借金を支えてるのが国民自身だからなんです。銀行を通じて国債の購入をしているんです。ただ日本はこれから少子高齢化を迎えるので、国債はこれから増えていきます。国内の人口が減って高齢化が進んでいくと預金も減っていきます。
となると、いつか日本国内で借金を回せなくなるという時代が来ます。」

日本は世界で一番お金を海外に貸している

「もう一つセットにしておく考えておきたいのが、日本は世界でいちばん外国にお金をかしてる国。世界でいちばんお金持ちの国です。上海のバブルが崩壊したり、ヨーロッパの債務危機があったり、そんな時は必ず円高になりました。世界では今こういう評価なんです。ただ、今の評価と、 10年後20年後の評価はまた違う。その時、日本の財政状況は安全かという話は別。
でも、今日は明日にも財政が破綻するような話し方はしない方がいいと思います」
1995年に財政危機宣言と言うのを政府は出しました。
20年前に財政危機だと政府は言いましたけれども、この20年間に危機なんてありましたか?

税金増やして社会保障を強化するという提案

「借金返すために増税をする社会がいいと思います。
もし国民の貯金がなくなっても安心して生きていける社会に変わるためにです。
病院や介護や大学の授業料や幼稚園や保育園のお金が安くなるなら税金払っても良くないですか?」

これは解説委員の方の個人的意見ですね。

まとめ

この記事パラパラ眺めてくださった方は

「わけわかんないな」っていう印象だと思います。

実際、テレビ番組もわけわかんないんです。

なんかはっきりした説明がほとんどないんですよね。

「借金は資産でもある」

という説明があっても、じゃあ大丈夫なのかというと、
「いや大丈夫ってことじゃなくて、もごもご」みたいな感じでした。

深読みはNHKの一般国民向けのニュース解説番組ですが、どうも分かりにくい話でした。

とりあえず高等遊民としては

「セーフティネットだけはちゃんとやってくれ」という思いです。

高等遊民のnoteの紹介

 

noteにて、哲学の勉強法を公開しています。

 

現在は1つのノートと1つのマガジン。

 

1.【高等遊民の哲学入門】哲学初心者が挫折なしに大学2年分の知識を身につける5つの手順

2. 【マガジン】プラトン『国家』の要約(全10冊)

 

1は「哲学に興味があって勉強したい。でも、どこから手を付ければいいのかな……」という方のために書きました。

5つの手順は「絶対挫折しようがない入門書」から始めて、書かれている作業をこなしていくだけ。

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