H.P.ラブクラフトの生涯と代表作、性格や逸話を網羅。おすすめ小説・映画も紹介

高等遊民
この記事は、寄稿文です
大変に詳しく書いていただきましたので、ぜひご覧ください

特に末尾の「お薦めの作品と読む順番」は必見です

宇宙から人類よりも力を持つ者が飛来し、人類に襲いかかる…。

そんな恐怖を描いた一連の物語「クトゥルー神話」をご存知ですか?

 

「クトゥルフ神話」や「ク・リトル・リトル神話」という名称で聞いたことがある人もいるかもしれません。

今回はそんなクトゥルー神話を創造した作家ラブクラフトについて紹介します。

 

これを読めば、

  • ラブクラフトの生い立ちと生涯
  • ラブクラフトの経歴と代表作品は?
  • 【逸話】ラブクラフトの性格が分かる面白いエピソード
  • 結論 ラブクラフトでおすすめの小説や映画は?どれが傑作か

 

についてよく分かります。

クトゥルー神話を知っている人も知らない人も、ラブクラフトとはどんな人物なのか、クトゥルー神話とは何なのかについて詳しく知ることができます。

ぜひご覧下さい!


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H.P.ラブクラフトの生涯と代表作、性格や逸話を網羅。おすすめ小説・映画も紹介

 

ラブクラフトの生い立ちと生涯。出身値はアメリカ、ロードアイランド州

ハワード・フィリップ・ラブクラフトは、20世紀のアメリカに生きた作家です。

具体的には、

  • 1890年8月20日、ロードアイランド州プロヴィデンスで生まれる
  • 1937年3月15日、プロヴィデンスのジョン・ブラウン記念病院で亡くなる

46年の人生を送りました。

アメリカの地図を載せてますので、場所を確認しながら記事を読んで下さい。

(参考:世界の歴史まっぷ)

 

ラブクラフトの家族構成

ラブクラフトは、父ウィンフィールド・スコットと母サラ・スーザンの長男として誕生しました。

他に兄弟はおらず、1人っ子でした。この時代に珍しいですよね〜。

 

ラブクラフトの父親も母親も、アメリカが独立する前から移民した人々の子孫で、地元では名家の出身です。

つまり、当時のラブクラフトの実家は、地元では有名な家柄だったのです。

 

ラヴクラフトには父親の記憶がない

しかし、ラブクラフトの父ウィンフィールドは、ラブクラフトが3歳の時に精神病を患い、精神病院に入院しなければいけなくなりました。

その後、ウィンフィールドは退院することなく5年後に亡くなったため、ラブクラフトには父親の記憶がありません。

その代わり、ラブクラフトは母サラの実家に住み、母方の祖父ホイップルに可愛がられました。

 

ラヴクラフトの少年時代はどんな子供だったのか

当時のラブクラフトは、

  • 身体が弱かったため、外で遊ぶことはほとんどなかった
  • 2歳でアルファベット、3歳で読み方、4歳で書き方を覚えた
  • 本の虫で、祖父の書斎の蔵書を次々に読破していった
  • ギリシア神話、ローマ神話を好んで読み、空想の世界で遊ぶようになった
  • 18世紀ゴシック・ホラー作品のファンだったホイップルの影響で、6歳の時にはホラーの世界に魅力された

という、感受性が豊かで文学的な才能が溢れる子どもでした。凄過ぎです。

というか、お祖父さんの影響が大きいですね〜。おじいちゃんっ子だったんでしょうか?

 

一方で、

  • 母サラは身体が弱いラブクラフトを心配し、過保護に育てた
  • さらに、ラブクラフトが幼い時には女の子の格好をさせた
  • 父ウィンフィールドが亡くなった後は、ラブクラフトのことを「人前に出させないほど醜い子」と他人に言いふらした

 

など、サラもウィンフィールドと同じように、神経症のような状態になってしまいます。

こんな環境で育って、子どもに何の影響がない訳ありません。

 

ラヴクラフトの子供の頃は内向的な性格だった

ラブクラフトも実際に、

  • 6歳の時から夜な夜な悪夢にうなされる
  • 自分の顔はとても醜いと一生思い込む
  • 神経質で病弱な体質が悪化し、学校にもろくに出席できない
  • そのため、内気な性格になり、昼は家に引きこもって本を読み、夜は街を徘徊するようになる

青年へと成長しました。

文学的な才能はあったのですが、極度に内向的な性格になってしまったんですね。

というか、お母さんの息子への扱いが何とも言えない…。

当時は精神病のことがあまり分かっていなかったため、サラが何かの精神病に罹っているかもしれないと誰も分からなかったとしても無理ありません。

 

そんな感じでラブクラフトは成長していきますが、

  • 14歳の時に、祖父ホイッブルが亡くなる
  • 祖父の経済的な援助がなくなったため、母と共に狭いアパートに引っ越さなくてはいけなくなる
  • 18歳の時に神経症を発症し、高校を退学しなければいけなくなる

と益々内向的になりました。

それと反比例するように、ラブクラフトの才能は徐々に開いていきます。

次に、ラブクラフトの作品と詳しい特徴を見ていきましょう!

 

ラブクラフトの経歴や代表作品は?

さて、内向的な性格に育ったラブクラフトですが、実は彼の才能は文学だけに留まりませんでした。

 

9歳の頃から自然科学に興味を持ち、

  • 化学
  • 地理学
  • 天文学

などに強い関心を示します。

 

また、6歳の頃から悪夢に悩まされていたラブクラフトは、

  • 夢の中で彼を襲う黒い怪物のことを夜魔(ナイト・ゴーント)と名づけた
  • 夢の内容を怪奇小説として書くことで、何とか自分の中の苦悩を昇華しようとした

など、後の彼の作品に結びつくような活動をしています。

てか、9歳でこれって天才でしょ…。

 

最初は自然科学の連載での文章を書いて出版界にデビューした

ラブクラフトは、

  • 16歳の時に、「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌に天文学関係のコラムを寄稿する
  • 23歳の時に、文学雑誌「アーゴシイ」で恋愛小説批判に対する論争をする
  • 24歳〜28歳の間に、「プロヴィデンス・イヴニング・ニュース」で天文学に関するコラムを連載する

などの執筆活動を開始します。

意外と作家としてではなく、自然科学の連載で活字デビューしたんですね!

 

高野同好会に入って精力的に外で活動する若い頃のラブクラフト

また、24歳の時に

  • アマチュアの文学同好会「ユナイテッド・アマチュア・プレス・アソシエーション」に入会
  • そこで、フランク・ベルナップ・ロングやクラーク・アシュトン・スミスなど、一生の友人となる人々と知り合う
  • クラブの会長を務める
  • 個人誌を出版する
  • その後の多くの作品の舞台となるニューイングランド地方一帯を旅行する

など、積極的に活動します。

 

やっぱり他人との関わりって、人間にとって大事なんですね!

 

アマチュア文学同好会の入会が、ラブクラフトの作家人生の転機だった

とにかく、このアマチュア文学同好会に入会したことが、ラブクラフトにとって大きな転機となりました。

  • 1915年、25歳の頃から作家仲間たちの文章添削の依頼を引き受ける
  • 同好会の文学雑誌『ザ・ユナイテッド・アマチュア』に、高校時代に書いた作品『錬金術師』が掲載される
  • 『錬金術師』が好評になる
  • 気を良くしたラブクラフトは、『奥津城』や『ダゴン』など、本格的に怪奇小説作品を書き始める
  • 『ダゴン』は後に「クトゥルー神話」と呼ばれる作品群の中で、一番最初に書かれた作品

 

ラヴクラフトのクトゥルー神話とは何か簡単に説明します

ここで「クトゥルー神話」という言葉を初めて聞いた人のために、簡単な説明をします。

「もう知ってるよ!」という人は、飛ばして読んでも構いません。

 

クトゥルー神話とは、始めに書いたように人類よりも強大な力を持つ宇宙生物が、地球の支配権を巡って争い、その争いに巻き込まれる人類を描いた作品群のことです。

 

日本語では、「クトゥルー神話」の他に「クトゥルフ神話」や「ク・リトル・リトル神話」などと訳されます。

この宇宙生物たちは、「旧神」と「大いなる旧支配者」に分かれて争います。

 

クトゥルー神話の旧神とは

地球に生物が生まれるよりずっと前、宇宙の覇権を持ち秩序を守っていた神々。

 

クトゥルー神話の〈大いなる旧支配者〉とは

旧神に作られた種族。旧神に対して謀反を起こし、旧神が持っていた護符や印形、象形文字などが書かれた石版を盗み出した。その上で、当時誕生したばかりの地球を支配した。

 

  • 盲目で痴愚でありながら、混沌を支配する神アザトース
  • 「1つにして全てのもの」と呼ばれるヨグ=ソトース
  • 海底都市ルルイエに眠る大いなるクトゥルー
  • 神々の使者であり、闇に吼える者とも言われるナイアルラトホテップ
  • 名状しがたき者ハスター
  • 人類から地母神として崇められた、千の仔を孕む森の黒山羊シュブ=二グラス
  • 土星から飛来した地の精ツァトゥグア
  • ユゴス星人という宇宙人に魔王として崇拝され、ムー大陸に連れてこられたガタノトーア
  • 感覚を持つ火の精クトゥグア
  • 風の精であり、風に乗りて進む者とも呼ばれるイタカ
  • 古い石で作られた像のような容姿を持ち、夜になると人の血を求めて彷徨うチャウグナル=ファウグン

 

クトゥルー神話の〈奉仕種族〉とは

 

旧支配者に仕え、人間と交配可能な種族。

  • 奉仕種族の代表である「深きものども」を従えるダゴン
  • ダゴンの妻であり、人間から水の神として崇められる女神ヒュドラ
  • 「深きものども」と人間が混血した子孫であるインスマス人
  • ハスターに仕え、宇宙を飛行することができるバイアクヘー

一方、地球には元々原住民と呼べるような生き物がいました。

彼らは「独立種族」と呼ばれ、「旧神」と「大いなる旧支配者」と対立しています。

クトゥルー神話の〈独立種族〉とは

  • 他の惑星で高度な文明を築き上げた後、地球に飛来して「大いなる旧支配者」が来るまで繁栄した「古のものども」
  • 時を超えて生物の精神に寄生する「イースの大いなる種族」
  • 植物に近い姿で宇宙から地球へ飛来してくるミ=ゴウ
  • 人間の死体を貪るグール
  • 重労働をさせるため「古のものども」に作り出されたが、後に知能を持って反乱を起こした「ショゴス」

3つの主な種族に属する生き物が地球と宇宙の覇権を争うプロセスが描かれるのがクトゥルー神話です。

 

さらに

  • これらの生き物は、人間には知覚できない高次元の存在
  • そのため、人間は種族同士の争いをはっきりと知ることはできない
  • しかし争いは地球環境に確実に影響を与えるため、少しでも争いの動きがあれば大災害が引き起こされる
  • その災害によって多くの人々が亡くなるが、人間が歩く時に蟻を踏み潰すことを気にしないように、これらの種族たちは人間の犠牲を気にしない
  • 一方、彼らの存在に気づくほど高い知能を持つ人間が現れたこともあるが、大抵は殺されるか発狂する
  • 彼らの存在に気づいた人間たちは、『ネクロノミコン』を始めとする書物などによって何とか彼らのことを後世に伝えようとした
  • 時代が重なるにつれて彼らの存在に気づく人々が増え、彼らについて人間が知ることも増える
  • しかし、人間が争いに巻き込まれて犠牲者となることは変わらず、世界に救いはない

 

様子が物語の中で延々と描かれます。

 

クトゥルー神話とファンタジーの違い、ギリシア神話や日本神話との違い

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クトゥルー神話は一見ファンタジーにも見えますが、

  • 宇宙や科学の知識
  • 地球だけに存在するモンスターや妖怪などの枠組みを超えた未確認生物

という要素を含み、実際に人類が遭遇しそうなリアリティーがあります。

また、

  • 特定の民族・国家・宗教に属さない
  • 人類にとって救いがない
  • 死後の世界が描かれていない

ことから、ギリシア神話や日本神話などとは違う神話です。

全く新しい神話で、どちらかというとSFと言えます。

 

ラブクラフト自身も「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」を目指して作品を書いたことが分かっています。

科学によって不思議な現象が解き明かされていく20世紀のアメリカでは、ホラー小説の設定として相応しい物ばかりでした。

 

ラヴクラフトの結婚。妻の名前はソニア

一方、1921年、ラブクラフトが31歳の時に、人生を変える出来事が起こります。

  • 5月22日、神経障害で2年間入院していた母サラが亡くなる
  • 同じ頃、アマチュア同好会でソニア・ハフト・グリーンという女性と出会う

ソニアはニューヨークで販売員の仕事をしており、

  • ラブクラフトより7歳年上
  • すでに16歳の娘が1人いた
  • 紳士的な風貌のラブクラフトに一目惚れし、自分から猛アタックした

女性でした。

ラブクラフトとはまるで正反対な性格ですね…。

ソニアの熱烈なアピールが実を結び、2人は3年後の1924年に結婚しました。

 

その後、ラブクラフトは

  • ソニアが住むニューヨークに引っ越す
  • 都会の光景に触れ、よく外に出るようになった
  • 交流関係も広くなり、友だちを自分のアパートによく招いた

など、それまでの内気な性格が嘘のように社交的になりました。

 

ここで「2人はその後も幸せに暮らしました。めでたしめでたし。」とはならないのが現実です…。

  • 1925年、ソニアが失業する
  • ソニアは小さなブティックを開いてみたが、店の経営は上手くいかない
  • それまで文章添削や執筆活動しかしてこなかったラブクラフトも、安定した収入を得るために奔走した

ここでラブクラフトは大きく躓いてしまいます。

  • 何ヶ月も求人募集に応募したのに、全く仕事につけない
  • 一方で、他の国からニューヨークに移民してきた人々は、低賃金でも定職にドンドン就いていることに気づく
  • アメリカ人の自分が母国で職を得られないのに、余所者である移民がアメリカで職を得ている現状に失望した
  • 次第にラブクラフトの中に、白人以外の人間や外から押し寄せてくる者に対しての恐怖が生まれる

輝かしい都会生活から一変し、社会に適応できない自分の存在に気づいてしまったんですね。

 

実際、ラブクラフトはかなりの社会不適合者で、ニューヨークでの体験から自分でもそのことを自覚もしていました。

 

そのため、

  • ソニアがクリーヴランドのシンシナティでの職を見つけ、引っ越しをしようとした
  • しかしラブクラフトは新しい場所に移ることを嫌がり、ソニアとは別居状態になる
  • 相変わらずニューヨークで職を得られないラブクラフトは、嫌気がさして1926年にプロヴィデンスに戻る
  • そのまま、1939年3月に2人は離婚する

ことになり、ラブクラフトはその後一生プロヴィデンスを離れませんでした。

 

ニューヨークでの恐怖感と絶望を経験したラブクラフトは、自分の中に生まれたそれらの感情を小説の中に吐き出しました。

この頃、有名な怪奇小説専門誌『ウィアード・テイルズ』が創刊され、ラブクラフトの作品は定期的に掲載されていきます。

 

具体的には、1928年、38歳の時に

  • 『クトゥルーの呼び声』
  • 『ダニッチの怪』

が掲載されています。

『ウィアード・テイルズ』では、ラブクラフトの作品は好評でした。

 

後年のラブクラフトは基本的にプロヴィデンスに籠り、

  • 怪奇小説の投稿
  • 作家仲間との文通
  • 他の作家の作品の文章添削
  • 時々、物語の舞台となる場所へ旅行する

以外で社会と関わろうとはしませんでした。

怪奇小説の投稿にしても、

  • 不採用になるかもしれないと考えると怖くなり、作品を書いても出版社に送れない
  • 怪奇小説の執筆を本職だとは思っていなかったため、アイデアが浮かんだ時にしか書かない

状態で、彼の家計は実質、祖父が僅かに残してくれた遺産と文章添削の仕事代だけで賄われました。

いわゆる貧困生活を送ったのです。

 

ラブクラフトに文章添削をしてほしいという作家たちはたくさんいたため、文学の才能は確かにあったのです。

しかし、繊細すぎる性格のせいで自分の才能を信じられなかったんですね。

作家仲間たちの方が見抜いてたようですし、案外人間って自分のことが一番分かってないのかもしれません…。

 

それでも、ラブクラフトが書いた作品は秀逸な物ばかりでした。

後に「クトゥルー神話」と名づけられる作品群が、この時期に数多く執筆されたのです。

先に挙げた

  • 『クトゥルーの呼び声』
  • 『ダニッチの怪』

はもちろん、

  • 『闇に囁くもの』
  • 『狂気の山にて』
  • 『時間からの影』

などが誕生しました。

 

なぜクラフトの最後。死因はガン

しかし1937年3月15日、腸癌に侵されたラブクラフトは、入院したプロヴィデンスのジェーン・ブラウン記念病院で息を引き取ります。

わずか46年の人生でした。

この時点で、一部の怪奇小説専門誌『ウィアード・テイルズ』のファンを除き、ラブクラフトの作品は忘れ去られるはずでした。

ところが、彼の作品が忘れられるのを良しとしない作家がいました。

 

ラヴクラフトの評価が高まったきっかけになった作家ダーレス

それは、オーガスト・ダーレスという作家でした。

 

ダーレスは、

  • 17歳の時に『ウィアード・テイルズ』で作家デビューした
  • ラブクラフトとは仲が良く、彼が考え出した怪奇小説(後のクトゥルー神話)の設定を元にして、お互いに小説を書いて見せ合う遊戯をしていた
  • その遊戯の中で、ダーレスが新しく設定を加えることもあった
  • ラブクラフトは、ダーレス以外の作家仲間たちとも同じような遊戯をしていた

ことから、ラブクラフトが創り出した世界観を「クトゥルー神話」と名づけ、ラブクラフトの作品を有名にしたいと考えました。

ちなみに、この時代のアメリカに「著作権」という考え方はあまり浸透していません。

 

「クトゥルー神話」の設定を使った作品を他の作家が『ウィアード・テイルズ』に投稿しても、ラブクラフトは抗議するどころか、面白がっていました。

 

そこでダーレスは、ラブクラフトの作品を広めるためだけに、

  • 「アーカム・ハウス」という怪奇小説専門の出版社を立ち上げる
  • ラブクラフトや「クトゥルー神話」の設定を応用した他の作家の作品を集め、設定を体系立てて整理した
  • ラブクラフトの作品も、他の作家が書いた「クトゥルー神話」の作品も、まとめて出版した

という荒業を行いました。

 

現代日本だったら「著作権の侵害が何とかかんとか〜」という騒動が起きそうなことですが、当時は何の問題にもなりませんでした。

それでも出版社1つ作っちゃうなんて、ダーレスさん、どんだけラブクラフトの作品好きだったのよ…。

とにかく、ダーレスの努力のおかげで、後世に生きる私たちも「クトゥルー神話」を読むことができるのです!

色んなツッコミは置いといて、皆さんダーレスさんに感謝しましょう!

 

【逸話】ラブクラフトの性格が分かる面白いエピソード

 

ラブクラフトの性格は内向的な面も流されやすい面もある

  • 繊細な感性
  • 内向的
  • 傷つきやすい
  • 天才的な才能があったのに、自分ではそう思わない謙虚さ(もはや卑屈さの領域に入っています)

ということを、今までの記事で紹介してきました。

 

一方、彼には

  • 他人に影響されやすい
  • 他人と直接話すよりも、手紙でのやり取りでは饒舌になる
  • 名家だった家の教育を受けたため、紳士的に振る舞わないといけないと思い込んでいた
  • 自分が良いと思った文章を思いつくと、他人の文章を添削する時に、全く違う作品かと思うくらいに書き換えた

など、流されやすいのに自分の流儀を貫き通す一面もありました。

 

実際、ラブクラフトは

  • ソニアとの結婚で、一時的とはいえ社交的な性格になった
  • 作品を投稿した時も、作家仲間たちの強い勧めがあったから投稿した時が多い
  • 文章添削の仕事は文通ですることが多く、添削した文章の他に、個人的な手紙のやり取りをすることも多かった
  • 作家仲間だけではなく、手紙は他の人との交流の中心的な方法だった
  • 締め切りやお金のために作品を書くことを嫌い、アイデアが浮かんだ時に納得がいくまで作品を書いた
  • 書いた作品も、勇気が出なくて出版社に送ることができない作品が多く、死後に見つかった傑作も多い
  • その代わり、文章添削の仕事ではほとんどの文章を訂正し、もはやラブクラフトの作品ではないかと思えるほど、文章の雰囲気が変化することも珍しくなかった
  • その場合、文章の添削にはまるで遠慮がなく、添削された後の自分の作品を見て、自信を失う作家も多かった

ということもありました。

 

 

  • 紳士的な振る舞いをしないといけない
  • そのため、自己主張をすることが苦手だった
  • その代わり、文章では遠慮なく自分の主張をした

人でもあった訳ですね。

 

今でもいますよね、こういう人。

でも、口でのコミュニケーションが苦手でも、ラブクラフトのように才能溢れる人もいるんです!

コミュニケーション重視の現代社会では、ラブクラフトは完全な社会不適合者で、居場所がありませんでした。

 

でも、コミュニケーションが得意じゃないと才能があっても生きていけない社会って、ちょっと歪ですよね?

ラブクラフトは、そんな今でも通じるような問題点を考えさせてくれる性格の人物でもあった訳です。

 

結論 ラブクラフトでおすすめの小説や映画は?どれが傑作か

ラブクラフトの性格や生い立ち、面白いエピソードについて紹介しました。

 

ここでラブクラフトについて簡単にまとめておきますね。

  • 20世紀のアメリカに生きた作家
  • それまでのホラー小説にはない、「宇宙的恐怖」をキーワードにした「クトゥルー神話」の世界観を作り上げた
  • 「クトゥルー神話」の世界観は、ラブクラフトが文通仲間との間で設定を共有し、お互いに面白い小説を作る遊戯を通して創り出された
  • 生前は作家としての知名度はなかった
  • 本人も作家仲間の文章添削を本業だと考えており、小説はアイデアが浮かんだら書く程度だった
  • 彼の死後、作家仲間のダーレスが「クトゥルー神話」を広めるために尽力した

 

ラブクラフトは「クトゥルー神話」という怪奇小説の新しい分野を切り開き、彼が創り出した世界観に魅力された後世の作家たちにも大きな影響を与えました。

そんな「クトゥルー神話」の世界観は、何と日本の小説やアニメ、ゲームの中にも活かされているのです!

 

これって凄くないですか?

 

アメリカでは、「ラブクラフトは死に、その作品は生まれた」とまで言われているんです!

この記事を読んでいる人の中にも、「クトゥルー神話」の世界観を応用した作品に触れたことがある人がいるのではないでしょうか?

実際、現代では「クトゥルー神話」をモチーフにした作品がたくさんあります。

でも、せっかくなら「クトゥルー神話」の原点とも言える世界観を味わってみませんか?

そのためにお薦めの作品をいくつか紹介します!

 

ラブクラフトのクトゥルフ神話入門で最初に読むべき本

  • 『図解 クトゥルフ神話 (F‐Files No.002)』(著:森瀬 繚 出版:新紀元社)
  • 『ゲームシナリオのためのクトゥルー神話事典 知っておきたい邪神・禁書・お約束110 (NEXT CREATOR)』(著:森瀬 繚 出版:SBクリエイティブ)

 

「クトゥルー神話」について体系立てて知りたいなら、まずはこれを手に取って下さい。

図解で分かりやすく、ラブクラフトの死後にどのような作家たちが「クトゥルー神話」を発展させていったのかが分かりやすく説明されています。

 

ラブクラフトの小説・作品でおすすめは?初心者向け

  • 『クトゥルーの呼び声 (星海社FICTIONS)』(作:H.P.ラヴクラフト、中央東口 訳:森瀬 繚 出版:講談社)
  • 『「ネクロノミコン」の物語 新訳クトゥルー神話コレクション2 (星海社FICTIONS)』(作:H.P.ラヴクラフト、中央東口 訳:森瀬 繚 出版:講談社)
  • 『這い寄る混沌 新訳クトゥルー神話コレクション3 (星海社FICTIONS)』(作:H.P.ラヴクラフト、中央東口 訳:森瀬 繚 出版:講談社)

 

「クトゥルー神話について大体分かったけど、どの作品から読み始めたらいいの?」と迷う方には、こちらの星海社FICTIONSのシリーズをお勧めします!

 

ラブクラフト生誕100周年を記念して出版されたノベルブックで、ライトノベルのように軽い気持ちで読み始めることができる新装版です。

 

もちろん、ラブクラフトの代表的な作品群が網羅されており、初心者にはうってつけの本です!

 

ガチ勢はラブクラフトの国書刊行会のシリーズを

  • 『新編 真ク・リトル・リトル神話大系』シリーズ(出版:国書刊行会)

30年以上も「クトゥルー神話」を出版し続けている国書刊行会のシリーズです。

ラブクラフトだけでなく、「クトゥルー神話」の世界観を応用した代表的な作家であるA. ダーレスやS. キング、キャンベル,R.などの作品も集められています。

「本格的に『クトゥルー神話』の世界にハマりたい!」という方は、ぜひ読んでみて下さい!

 

ラブクラフト作品の映画化

  • 『ヘルハザード/禁断の黙示録』(監督:ダン・オバノン 販売元:Happinet(SB)(D) 原作:『チャールズ・デクスター・ウォード事件』)
  • 『H.P.ラヴクラフト DAGON』(監督:スチュアート・ゴードン 販売元:ポニーキャニオン 原作:『インスマスを覆う影』)
  • 『悪霊の棲む館』(監督:ダニエル・ホラー 原作:『宇宙からの色』)

どれも原作に忠実な作品ばかりで、宇宙的恐怖を味わえる作品ばかりです!

ぜひ、リアリティーに溢れたホラー作品の世界観に浸ってみませんか?

 

以上、「H.P.ラブクラフトの生涯と代表作、性格や逸話を網羅。おすすめ小説・映画も紹介」でした。

 

参考

世界の歴史まっぷ

『クトゥルー神話の本―恐怖作家ラヴクラフトと暗黒の宇宙神話入門 (NEW SIGHT MOOK Books Esoterica エソテリ)』(出版:学研プラス)

『H・P・ラヴクラフト:世界と人生に抗って』(作:ミシェル・ウエルベック、スティーヴン・キング 訳:星埜守之 出版:国書刊行会)

高等遊民の有料noteの紹介

 

noteにて、哲学の勉強法を公開しています。

 

現在は1つのノートと1つのマガジン。

 

1.【高等遊民の哲学入門】哲学初心者が挫折なしに大学2年分の知識を身につける5つの手順
 
2. 【マガジン】プラトン『国家』の要約(全10冊)

 

1は「哲学に興味があって勉強したい。でも、どこから手を付ければいいのかな……」という方のために書きました。
 
5つの手順は「絶対挫折しようがない入門書」から始めて、書かれている作業をこなしていくだけ。
 
3か月ほどで誰でも哲学科2年生レベル(ゼミの購読で困らないレベル)の知識が身につきます。
 
3か月というのは、非常に長く見積もった目安です。1日1時間ほど時間が取れれば、1ヶ月くらいで十分にすべてのステップを終えることができるでしょう。
 
ちなみに15000文字ほどですが、ほとんどスマホの音声入力で書きました。

かなり難しい哲学の内容でも、音声入力で話して書けます。

音声入力を使いこなしたい方の参考にもなると思います。

 

2はプラトンの主著『国家』の要約です。
原型は10年前に作成した私の個人的なノートですが、今読んでも十分に役に立ちます。
岩波文庫で900ページ近くの浩瀚な『国家』の議論を、10分の1の分量でしっかり追うことができます
 
 

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