文豪として有名な芥川龍之介。
教科書によく掲載されている『羅生門』や『蜘蛛の糸』などの作者として覚えている方も多いと思います。
そんな芥川龍之介ですが、どんな人生を送った人なのかご存知ですか?
この記事では、
- 芥川龍之介の生い立ちと生涯
- 芥川龍之介の経歴や代表作品は?
- 【エピソード】芥川龍之介の性格が分かる面白い逸話
- まとめ 芥川龍之介はどんな人物?おすすめ書籍や映画
について紹介します!
これを読めば、芥川龍之介の生い立ちや代表作品、性格などがよく分かります。
教科書に採用されている小説以外の作品も、楽しみながら読めるようになります。
ぜひご覧下さい!
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芥川龍之介の生い立ちと生涯
(引用元:芥川龍之介に学ぶエゴイズムの真意。類まれな才能に隠された苦悩の日々。 https://www.yuitotsubakino.jp/entry/20180719/1531949400)
芥川龍之介は20世紀前半を生きた作家です。
具体的には、
- 1892年3月1日、現在の東京都中央区明石町で生まれる
- 1927年7月24日、睡眠薬を多量に飲んで自殺する
35年の人生を送りました。
龍之介は父・新原敏三と母・フクの間に生まれました。
この時何と、父親は42歳、母親は33歳という当時としては高齢での出産だった
頑張りましたね〜。
父親の名前から分かるように、龍之介は生まれた時の名前は新原龍之介でしたが、ここでは芥川龍之介で統一しますね。
さて、当時としては高齢で息子を出産した母親のフクですが、龍之介が生後7ヶ月の時に病気になってしまいます。
そこで龍之介は、母親の実家である芥川家に引き取られ、伯母のフキに育てられます。
この時に龍之介を育てたフキは、龍之介の人生に大きな影響を与えました。
- フキは教育熱心な女性だった
- 芥川家は文学好きの家庭で、フキも例外ではなかった
- そのため龍之介も幼い時から文学に親しみ、学校の成績も優秀な子どもに育った
- 龍之介は小学生になる前から、草双紙を読むことができるほど賢かった
一方、フキは悪い意味でも、龍之介に影響を与えてしまいます。
- 龍之介が10歳の時、母・フクが亡くなる
- 父・敏三は龍之介を引き取ろうとした
- しかし敏三は妻の妹であるフキに手を出し、フキは敏三の子どもを身籠ってしまう
- 芥川家と敏三の仲は険悪になり、最終的に龍之介は芥川家の養子となる
- 龍之介は「良い子でなければ見捨てられてしまう」という恐怖心から益々勉強に励む
- この頃の龍之介は『最遊記』『水滸伝』などの正義の味方が勝つ冒険物語を愛読していた
お父さん何やってんねん!
これはフキが悪いというよりも、明らかに敏三が悪いですね!
龍之介の気持ちを考えると切ないですよ。
育ててくれた伯母に実の父親が手を出しただけではなく妊娠までさせて傷つけ、母親の実家と父親の仲が悪くなってしまったんですから…。
とにかく、この出来事は龍之介の心に大きな傷を残してしまいます。
そりゃそうだ。
その後、
- フキは龍之介の腹違いの弟・得二を出産
- 龍之介は父親が仕出かしたことで伯母に引け目を感じ、得二のことを快く思っていなかった
- 成績優秀だった龍之介に対し、得二は勉強が苦手で「龍之介のように頑張りなさい」と発破をかけられた
- 兄弟はお互いに相手のことを苦々しく感じていた
など、龍之介は芥川家で肩身の狭い思いをします。
自分のせいじゃないのに…!
しかし龍之介は成績優秀だったことで、
- 1910年、第一高等学校(現在の東京大学教養学部)に入学
- 高校では授業料を免除された
- 1913年、東京帝国大学に入学
- 大学では英文学を専攻した
など外へと自分の世界を広げていきます。
そしてこの頃から、文豪・芥川龍之介として知られる彼の姿が形作られていくのです。
芥川龍之介の経歴や代表作品は?
(引用元:新潮社 著者ページ:芥川龍之介 https://www.shinchosha.co.jp/writer/619/)
さて、東京帝国大学に入学した頃の龍之介は、
- 木曽義仲に憧れを抱く
- ドフトエフスキーやボードレール、ゲーテなどの外国小説や哲学書を読み漁る
同じ頃、同級生の
- 菊池寛
- 久米正雄
など、後に文豪として知られる人物らと友人になり、
- 文芸誌『新思潮』を発行し、作品を発表する
- 外国の作品を日本語に翻訳する
といった執筆活動に取り組みました。
大学生だった23歳の時には、教科書にも載っている『羅生門』を書き上げていた
どんだけ才能あるんだよ…。
そして大学卒業間際の1915年に、
- 文豪の夏目漱石の門下生となる
- 『鼻』を執筆
- 師匠である夏目漱石に『鼻』を絶賛された
ことで龍之介は作家としての強い自信を持ちました。
卒業後は、
- 横須賀の海軍機関学校で英語の教師として勤める
- 小説の執筆にも取り組む
- 仕事をしながら初の短編集『蜘蛛の糸』を発表し、好評になる
- 次々と執筆の依頼が舞い込んだ
- 1919年に英語教師を辞めて毎日新聞社に入社するが、記事ではなく連載用の小説を書くことを求められ、会社に行かなくてもよいという条件をつけられた
- 毎日新聞社では連載作品『地獄変』を発表する
など、人気作家への道を駆け上がっていきます。
一方、私生活でも
- 学生時代にいくつかの恋をしたが、どれも叶わない恋ばかりだった
- 1919年、27歳の時に、友人の紹介で知り合った塚本文と結婚
- 3人の子宝に恵まれる
という順風満帆な人生を送ります。
龍之介が30歳を過ぎた頃、彼の人生を暗くする出来事が起きます。
- 龍之介は、気が利かなくて繊細な性格であり、芸術に関心を示さない妻・文へ不満を感じるようになる
- その頃、歌人の秀しげ子と出会い、教養溢れる女性であるしげ子に惹かれる
- しかし、しげ子が龍之介の弟子である南部修太郎と二股をかけていたことが分かり、彼女への気持ちは冷める
- この頃にしげ子は子どもを産むが、しげ子は「この子は龍之介との子どもだ」と主張
- しげ子との関係は龍之介の醜聞になってしまう
いや、龍之介さん。浮気はダメでしょ。
さらに言えば、相手がマズすぎた…。
この後、龍之介は
- 1921年、中国に出張することになり、この機会にしげ子と別れる
- 精神的な影響から龍之介は病気になり、帰国後も中々筆が進まない
- さらに1927年、龍之介の姉・ヒサが嫁いだ西川家で火災が起き、ヒサの夫・豊が保険金目当ての放火を疑われる
- 追い詰められた豊は鉄道自殺を遂げた
- 豊の死後、火事の原因は漏電であることが分かる
- 豊が亡くなったことで、龍之介は西川家の経済的援助と借金の支払いをしなければいけなくなる
など、まるでそれまでの幸せな生活と均衡を取るように、悲劇的な出来事のフルボッコに襲われます。
もう止めてあげて!龍之介さんのライフはもうゼロよ…。
1度言ってみたかっただけですスミマセン。
繊細な龍之介は、悪化していく病気と次々に起こる出来事に精神的に追い詰められ、
- 約2年間、鬱病のような状態になった
- 1927年7月24日、睡眠薬を多量に服用して自殺を図る
- 主治医が駆けつけて必死に治療を施すが、意識を取り戻すことなく亡くなる
35年の生涯に自らの手で幕を降ろしました。
- 友人である久米正雄への遺書へは、「僕はこの二年ばかりの間は死ぬことばかり考へつづけた。」と書かれていた
- また遺書の中では自殺の理由について、「将来に対する唯ぼんやりした不安」という有名な言葉が綴られていた
才能溢れる龍之介の死を悼み、龍之介の死後から8年後に、友人である菊池寛は「芥川龍之介賞」を創設しました。
これが現在も知られている「芥川龍之介賞」の始まりだったのです。
ここで、龍之介の代表作を簡単に紹介しますね!
『羅生門』
- 1915年に執筆された龍之介の処女作
- 天災や疫病に襲われ、寂れた様子の京都が舞台
- ある雨の夜、職を失った1人の下人の男が、羅生門の下で雨宿りをしていた
- 下人は生きるために盗みを働くか、悪事を働かずに飢え死にをするか迷っていた
- 取り敢えずその日の夜は雨が酷かったため、一晩雨を凌ごうと思い、羅生門に上った
- そこには既に1人の老婆がおり、横たわる死体から髪の毛を抜き取っていた
- 下人が老婆に何をしているのかと問い詰めると、「鬘にして売るために死人の髪を集めている」と老婆は答えた
- 老婆の人道に反する行いに下人は激怒するが、その後の老婆の言い分を聞いた下人の心境にある変化が訪れる
- 状況によって言い訳を作り、善にも悪にもなることができる人間のエゴイズムをテーマとしている
- 執筆当時、あまり話題にはならなかった
- 大学卒業後に短編集として出版したところ、好評だった(世間って単純ですね)
『鼻』
- 1916年に執筆された作品
- 『今昔物語』『宇治拾遺物語』から題材をとったユーモアな短編小説
- 池の内の内供は大きな鼻をしており、鼻は顎の下まで垂れていた
- 日常生活も不便で、人々の噂話にも内供は傷ついていた
- ある日、1人の弟子が鼻が短くなる方法を知って内供に教え、試してみることになる
- 鼻は短くなり、内供は喜んだ
- しかし内供の喜び様を快く思わない周囲の人々は、相変わらず内供を笑い者にする
- そのことを知った内供は、「どうせ笑われるなら元の鼻の方がマシだった」と後悔した
- そんなある日、朝起きると内供の鼻が元通りになっており、内供は喜ぶ
- 「他人の不幸は蜜の味」という人間の本質を、滑稽に描いた作品
- 初めて憧れの文豪・夏目漱石に見せた作品で、漱石から絶賛された
『蜘蛛の糸』
- 1918年に執筆された作品
- 生前は大泥棒として悪事の限りを尽くし、死後に地獄に堕ちたカンダッタという男が主人公
- 極楽にいるお釈迦様は、カンダッタが生前に行ったある善行を思い出し、カンダッタを地獄から助けようと考える
- お釈迦様はカンダッタの元へ極楽からの蜘蛛の糸を垂らし、カンダッタは必死に蜘蛛の糸をよじ登る
- 人間の本質は「我利我利」(自分さえ良ければ他人はどうなっても良い)だという仏教の教えをテーマにしている
- 子ども向けの読みやすい本だが、読後に自分がカンダッタと同じ状況に置かれたらどうするだろうと考えさせられる作品
『地獄変』
- 大阪毎日新聞に連載された作品
- 『宇治拾遺物語』の『絵仏師良秀』という話が元ネタ
- 平安時代、優秀な絵師である良秀という男がいた
- 良秀は傲慢な性格の老人であった
- ある日、堀川の大殿は良秀に「地獄変」(地獄の様子を描いた絵)を依頼する
- 絵のリアリティーを追求するあまり、良秀は弟子を鎖で縛ったり、ミミズクに襲わせて苦しませたりして、その姿を「地獄絵」として描いた
- しかし「牛車の中で焼かれる女性の姿」だけが、どうしても描けなかった
- それを聞きつけた大殿が、良秀の絵を完成させるために取った衝撃的な行動とは…?
- 人間の良心と業の深さについて見事に描かれている作品
『河童』
- 1927年に執筆された作品
- 精神病院に入院している第23号という人物が主人公
- 第23号は河童の国に迷い込んだことがあり、そこでの経験を周囲に話していた
- 河童の国では雌が雄を追いかけ、妊娠したら胎児に生まれたいかどうかを聞き、「生まれたくない」と胎児が答えたら合法的に中絶ができた
- また河童の国では、働かなくなった河童が食肉用に加工されることもあった
- 人間からしたら河童の国は異常な世界だが、河童からしたら人間は遅れた存在だと考えられている
- 河童の国の価値観で生活していた第23号は、友人の死をきっかけに人間の世界に戻ることを決意する
- しかし第23号は戻った人間の世界で、人間社会の価値観に馴染めず、異常な精神病患者として扱われてしまう
- 「正常」と「異常」ははっきりと分けようとして、自分と違う者たちを差別する人間社会への痛烈な批判をテーマにしている
『歯車』
- 生きることへの疑問をテーマにした作品
- 晩年の孤独と絶望を感じていた龍之介の心象風景が描かれている
『越し人』
- 龍之介の晩年に書かれた詩集
- 人生における最後の恋人・廣子への想いが綴られた詩を含む1冊
芥川龍之介の作品の特徴
- 古典や過去の作品を題材にしていることが多い
- 人間の本質を描き出している
- そのため現代人にも通じるものがあり、共感できる物語が多い
ために、芥川龍之介は天才作家と言われているんです。
作家としての活動時期はたったの13年間なんですよ!
スゴくないですか⁉︎
【エピソード】芥川龍之介の性格が分かる面白い逸話
(引用元:名句名言のウラ側は 『人生は地獄よりも地獄的である 芥川龍之介』 http://meigen.ivory.ne.jp/meiku/akutagawa.htm)
人気作家でありながら晩年は不幸な出来事に見舞われ、35年で自殺してしまった龍之介ですが、そんな彼は一体どんな人物だったのでしょうか?
経歴を見ても分かるように、
- 教育熱心な家庭に育ち、子どもの頃から優秀だった
- 父親の不貞で育ててくれた伯母に迷惑をかけてしまった負い目から、家庭に居場所を感じられなかった
- そのため自然と繊細な感性が育った
- 一方、大人になった後は女性に幻想を抱き、「知識や金のある女性とは幸せになれない」と考えるようになった
- しかし結婚後は、妻・文と芸術についての知識を共有できない寂しさから、教養がある女性に惹かれ自身も浮名を流した
- 一方で友人には恵まれ、米久正雄や菊池寛とは生涯の友人だった
- 龍之介の死後、芥川龍之介賞を設立するほど菊池寛とは仲が良かった
人でした。
ここで龍之介の写真を見て下さい。
白黒写真で見ても、イケメンですよね〜。
これで人気作家だというんですから、当時の女性たちが放っておくでしょうか?
答えは否です。
ここで龍之介のモテモテエピソードを、子ども時代から紹介していきますね!
初恋
- 第一高等学校(現在の東京大学教養学部)に入学した頃、龍之介の生家にお手伝いとして来ていた女性・吉村千代と恋仲になる
- 最初に惚れたのは龍之介の方で、千代にラブレターを送り、アピールした
- 千代は平仮名しか読めなかったためラブレターも全部平仮名で書くなど、龍之介の入れ込み様は凄かった
- しかし千代とは身分差があり、当時の社会では叶わない恋愛だった
2回目の恋愛
- 東京帝国大学に入学した1915年、龍之介は幼馴染の吉田弥生に好意を抱く
- 吉田家と龍之介の生家である新原家は家族ぐるみでの付き合いがあった
- 弥生は青山女学院の英文専科に通っており、当時では珍しく学歴も教養もある女性だった
- 龍之介は時々、友人の米久正雄を連れて吉田家に遊びに行くほど、龍之介と弥生の仲は良かった
- 突如、弥生に縁談の話が舞い込む
- 相手は陸軍の中尉であり、弥生とは遠い親戚にあたる男性だった
- 龍之介はまだ縁談が本格的に進んでいない内に、弥生にプロポーズをしようと考えて行動に移そうとした
- しかし新原家と芥川家との仲は悪く、新原家と良好な関係の吉田家の娘である弥生は、龍之介の結婚相手として良い顔をされなかった
- 加えて吉田家は芥川家より身分が低かったため、龍之介は家族から弥生との結婚を反対される
3回目の恋愛
- 結婚後に妻・文との仲が悪くなった頃、龍之介は歌人の秀しげ子と出会い、彼女に惹かれる
- しげ子も既婚者だったが、龍之介に好意を持ち、2人は恋仲になる
- しかし前述した様に、しげ子は他の男性とも浮気をしていた
- そのため龍之介のしげ子へ抱く熱烈な想いは急速に冷めるが、しげ子は龍之介に執着した
- その後のゴタゴタで、龍之介は中国への出張を機にしげ子と強引に別れた
最後の恋愛
- 1924年、龍之介は病気療養のため、長野県軽井沢に滞在する
- そこで龍之介は、歌人・翻訳者である片山廣子に出会う
- 2人は歌人同士の付き合いで元々文通をしていた友人だったが、実際に廣子と出会った龍之介は彼女に惹かれた
- 廣子は才色兼備であり、他にも後世に名を残すような男性たちに好意を寄せられていた(本人は恋心を抱いていないにも関わらず。←ココ重要!)
- 龍之介は今まで愛した女性たちの中で誰よりも廣子に惹かれ、一途な恋心を抱き、廣子も龍之介に惹かれるようになった
- 2人の関係は龍之介の帰郷と共に終わった
以上、一部の人々にとっては不快に感じられるほどのモテモテエピソードでした。
しかし龍之介は現代のような肉食系男子だったという訳ではなく、
- 家同士の不仲で吉田弥生と結婚できなかったことから、人間のエゴイズムをテーマにした作品『羅生門』を執筆した
- その後、夏目漱石が主催していた文豪たちの集まりである「木曜会」に出席したいと考えた
- 既に「木曜会」に出入りしていた岡田耕三に、米山正雄は「自分と芥川を木曜会に連れて行ってほしい」と頼み込み、龍之介は「木曜会」に出席した
- しかし「木曜会」で交わした夏目漱石とのやり取りで「自分は夏目先生に嫌われているのではないか」と悩むほど、漱石の顔色を伺っていた
- 龍之介は思い切って自分が執筆した作品『鼻』を漱石に見せた
- 漱石は『鼻』を読んで絶賛した
- すると龍之介は単純なことに、作家としての自信を持った
など、繊細すぎる一面もありました。
だから最後は「自分が家族と姉一家を養わなければ!」と思いつめてその責任に耐えきれず、自殺してしまったんでしょうね…。
ホント、もっと長く生きていたらどんな作品が生み出されていたのでしょうか?
すごく残念です。世界って残酷ね。
まとめ 芥川龍之介はどんな人物?おすすめ書籍や映画
芥川龍之介の生い立ちや代表作、面白いエピソードについて紹介しました。
ここで芥川龍之介について簡単にまとめますね!
- 20世紀前半に生きた作家
- 幼少期から家庭環境に恵まれなかった
- 妻以外の女性との恋愛関係が派手だった
- とは言っても、本人が現代でいう肉食系男子だった訳ではなく、イケメンだったから女性が放って置かなかっただけ
- 家庭や仕事、女性関係の問題で苦悩し、晩年は身体的・精神的に不調になって自殺した
- 古典をモチーフにしており、生きることへの苦悩や無常観、人間社会への風刺をテーマにした作品が特徴
文学的な才能に恵まれながら、周囲の環境に追い詰められ、自殺という道を選んだ幸薄の作家だったんですね。
何度も言いますが、もっと長生きしていたらどんな作品が創られていたのだろうと考えてしまいます…。
しかし、それだけ生前に書かれた作品は素晴らしい物ばかりなんですよ!
ここでは私がオススメする芥川龍之介作品の小説や映画について紹介します!
小説
①短編集
『羅生門・鼻』(出版:新潮社)
『蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ』(出版:岩波書店)
- どれも教科書に載るような作品ばかりですが、短編なのですぐに読み終わります。
- 読みながら好きな物語を見つけて、何度も読んでいるうちに、芥川龍之介が作品を通して描きたかったことが見えてきます!
②名言集
『侏儒の言葉・西方の人』(出版:新潮文庫)
- 小説とは違い、芥川の言葉に対する考え方が綴られた作品
- 例えば「人生」と題して、「人生は1箱のマッチに似ている。重大に扱うのは馬鹿馬鹿しいが、重大に扱わなければ危険である。」など
- 芥川龍之介のかっこいい名言が集められており、自分の心に響く言葉を探す楽しみがある1冊
③長編
『藪の中』(出版:講談社)
- ミステリー好きにオススメの推理小説
- 何度も読み返し、真相を突き止めたくなるストーリーが展開されている
- 真相については、現在でも様々な考察・研究がされている作品
映像作品
『羅生門 デジタル完全版 [DVD]』(監督:黒澤明 販売元:角川映画)
- 日本映画として1950年に公開された
- 撮影現場のリアリティーを追求するこだわりを見せた黒澤作品
- 多くの賞を受賞した名作で、小説での作品の内容を知っている人にもオススメ
『青い文学シリーズ 地獄変/蜘蛛の糸 (Blu-ray Disc)』(監督:いしづかあつこ 販売元:Happinet)
- 2009年に放送されたアニメ『青い文学シリーズ』の中の一部
- 漫画『BLEACH』の原作者・久保帯人がキャラクターデザイン、アニメ『図書館戦争』などを手掛けたマッドハウスが制作を担当した
- 「いきなり黒澤作品は取っつきにくいなぁ…」という人やアニメ好きな人にオススメです!
如何でしたか?
ぜひ日本を代表する文豪・芥川龍之介の独自の世界観に触れてみて下さい。
以上、『芥川龍之介の経歴や性格はどんな人物?生い立ちやエピソードが面白い』でした!
参考文献
P+D MAGAZINE 公式ホームページ 『芥川龍之介没後90年。その生涯に迫る。』 https://pdmagazine.jp/people/akutagawa/
まなぶンゴー 公式ホームページ 『芥川龍之介の生涯って?年表からどんな人かを読み解く!』 https://bungo-matome.com/akutagawaryunosuke-chronology-character
親鸞会のゆず 『芥川龍之介「人生は地獄よりも地獄的である」』 http://meigen.ivory.ne.jp/meiku/akutagawa.htm
『芥川龍之介に学ぶエゴイズムの真意。類まれな才能に隠された苦悩の日々。』 https://www.yuitotsubakino.jp/entry/20180719/1531949400