はじめに結論を。(※個人的意見としてのレビューであることをご了承ください。)
iphone(=iOS)なら有料版登録はオススメできない。(iPad含む。)
Androidなら有料版の登録を検討する余地あり。
多言語語学学習アプリMemrise(メムライズ)は、フラッシュカード方式の単語暗記アプリ。
英語はもちろん、フランス語、ロシア語もっとマイナーな言語まで、
非常に多くの言語の学習コースが用意されています。
そして楽しく効果的に単語が学習できると評判のアプリ。
確かに問題に解答するときのテンポもいいし、使用感は快適です。
いくつかの機能は無料で利用できます。
さらにpro という有料版も付属しています。
memrise によると、proとは
「全ての機能がフルででき、無料版の7倍の効率がある」
と謳われるものです。
7倍ですか。
時々出てくる宣伝に引かれる人も多いでしょう。
私もひかれました笑
memrise にはスマホアプリのほかにWeb版もあります。
しかしこの記事では、主にスマホで利用することを念頭におきます。
スマホの語学学習アプリのほかの紹介はこちらをどうぞ。
(関連記事)無料で高品質な語学学習アプリを紹介
↑ロシア語の語学学習アプリというタイトルですが、
真ん中3つについては、ロシア語に限らずどの言語でも学習できます。
・Memrise
・Duolingo
・ClozeMaster
下記クリックで好きな項目に移動
Memrise pro(有料版)を100時間以上使用した感想
Memriseの紹介記事自体は、多くはないがいくつか検索することができます。
とはいえ、その多くは紹介にとどまります。
皆様が知りたいことは、memriseの使い勝手ですよね。
本当に知りたいことは以下のようなことでしょうか?
- 実際にこれだけで語学ができるようになるのか?
- 本当に単語を忘れないのか?
- 無料版と有料版ではやっぱり効果は違うのか?
- 有料版に登録することにメリットはあるのか?
こういう実利的な評判について率直にレビューした記事。
これは、まだほとんどないと言えます。
しかも、驚くべきことに、
iphone(iOS)とAndroidでは利用できる機能や学習モードの仕様が違います。
筆者はたまたまiphone(iOS)とAndroidを両方所持していました。
なので、その違いに気が付けました。
そして結論の先取りの繰り返せば、
iOSでの有料版は、Memriseが今後機能改善されない限り、現状では決しておすすめできません。
これは筆者が100時間以上メムライズを使った上での感想・レビューです。
Memrise の簡単な紹介
Memriseというアプリについて、内容をごく簡単に紹介しますね。
Memriseは多言語学習アプリ。
各言語の学習コースは、公式コースのほかに、ユーザーが作成したコースも利用できます。
多くのコースは学習単語・フレーズに音声もついています。
自分でも声に出しながら学習を進めていけます。
学習はクイズ形式で、ほとんどすべて翻訳問題で構成されています。
クイズ形式はおおむね2種類。
・選択問題:音声を聞いて、または文字を見て、単語を選択。4択・6択。
・入力問題:翻訳を見て、単語をキーボードで入力
memriseで利用可能な学習方式
学習方式は以下の6つ。
最初の「新しい単語の学習」以外はすべて復習です。
暗記には復習が必須。
だから、豊富な復習形式を用意したのは、理に適っていると思います。
同じパターンの学習だと定着効果も低下します。
1「新しい単語の学習」
新たな単語をクイズ形式で暗記。
2「クラシック復習」
上で覚えた単語は復習範囲となる。そこから出題。
3「スピード復習」
復習クイズを文字選択問題に限り、時間制限付で出題。3回間違えると終わり。
復習すべき単語が多い場合はこれを利用すると快適。サクサク進む。
むしろ、何百語も復習すべき場合は、ほかの復習モードでは時間がかかってつらい。
4「難しい単語」
新規学習や復習で何度か間違えると、難しい単語として分類される。
分類された単語の中から、1セット4語程度を集中的に学習。
つづりをなぞらせ、選択問題を出し、最後につづりを入力。
1語につき30秒~60秒はかかる。快適さは最も低い学習方式。
5「リスニング能力」
音声問題に限定した出題。音声問題重視で復習したい人にはうってつけ。
快適さもそこそこある。
6「ビデオ学習」
映像付きで学習。利用できる言語が限定されている。
Memrise公式の用意するコースの言語には、大体設置されている。
今後順次いろいろな言語で増えるかと思う。
無料版と有料版での違いは利用できる学習方式の数。スピード復習が最重要
さて、memriseアプリの無料版は、
上記の6つの学習方式のうち、最初の2つのみ利用できます。
つまり、新規単語学習と、通常の復習の2つだけ利用可能。
はじめはこの2種類でも十分です。
しかし、学習済みの単語が増加するほど、復習に時間がかかります。
だから、本格的に腰をすえて取り組んでいれば、有料版を登録してみようか悩むようになると思います。
「7倍の速さで学習できる」とかなんとかうたい文句が出て来て、魅力的に見えてきますね。
その7倍の実態とは???
これは筆者の勝手な解釈ですが、結局は「スピード復習」に帰着します。
復習すべきが単語が多すぎるときには、「スピード復習」がきわめて快適です。
というより、快適さを重視するなら「スピード復習」以外はつらい。
ただし!
ただし、定着効果のほどは不明です。
「何もやらないよりまし程度の認識」でちょうどいいと思います。
「スピード復習」は確かに快適です。
しかし、誤答しても正解を確認できずに、さっさと次の問題へいってしまう。
だから自分で正答を確認しないと、何回問題に出されても間違えてしまう。
ちなみに筆者はロシア語をMemriseで学習しました。
たとえば、動詞に関しては、覚えられません。
「スピード復習」を繰り返すだけでは、何回やろうとほとんど暗記できませんでした。
似たようなつづりの単語が多いからです。
文法書である程度理解しないと、何回やっても時間の無駄
ということはあります。
筆者はMemriseでロシア語を100時間ほど勉強した後、モスクワへ旅行してきました。
当然ながら全く聞き取れませんでした。店で注文する際や、話す際に覚えている単語を発する程度にとどまります。
ただし間違いなく、学習をまったくしなかったよりも、はるかにマシではありました。
(関連記事)旅行会話目的でmemriseのロシア語単語を10日で1000語学習
リスニング・難関単語などの学習モードの使い勝手は不安定
「難しい単語」。
これはどうしても定着しない単語について時折学ぶにはいいです。
しかし、基本的には時間がかかり、快適性に欠けます。
「リスニング能力」。
これは役に立つ/立たないが、学習コースによって異なります。
音声のついていないコースだともちろん役に立ちません。
あと音声が雑に入っているコースもたくさんあります。
ユーザーが有志で作成したものなどに、粗雑な音声データが多いことも。
また、単語ごとによって音量が全然違ったりします。(最悪)
なので、全然聞こえない単語、音割れするほどうるさい単語が入り混じる。(最悪!)
公式コースならその辺りのクオリティは比較的安定しています。
メムライズ pro 有料版のメリットとは?
つらつら書いてきました。
私の結論を申し上げます。
有料版のメリットとは、「スピード復習」を利用できることにあります。
だから、もしあなたが
- 無料版を十分に使った
- Memriseの学習方式が快適だと感じた
- もっと本格的に学習したい
という場合には、有料版を登録してもいいかもしれません。
しかしここで非常に重要な事実を指摘しなければならないのです。
「スピード復習」はiOS版のアプリでは利用できない謎仕様になっています。
つまりスマホならAndroid版でしか「スピード復習」は利用できない。
これは恐ろしいことです。
有料版に登録したのに、使えない機能がある。
笑えません。
支払った側からすれば、たまったものではありませんよね。
(修正)
iOS版では、公式コースのみ、スピード復習は利用できるようです。
しかし、ユーザー作成のコースではできません。謎です。(2016年12月現在)
memriseで学習を進めていけば、ユーザー作成のコースも普通に利用します。
まとめ 有料版に登録すべきか?
ここまででまとめます。
- 有料版のメリットは「スピード復習」「難しい単語」「リスニング能力」「ビデオ学習」が利用できること。
- 「スピード復習」はAndroid版で利用可能。iOS版では公式コース学習時のみ利用可能。
- 「難しい単語」は快適じゃないのであまり使われない。
- 「リスニング能力」のクオリティはコースによって異なる。
- 「ビデオ学習」は利用可能言語が少ない。同じ語でも話者によって発音が違うので、そのあたりはおもしろい。
- つまり間違いなく役に立つのは「スピード復習」のみ。
- 無料版を十分に使った上で、Androidの人なら、有料版を登録してもいいかも。
有料版に登録してロシア語学習を100時間以上使用した上でのレビューは、こんなところです。
(おまけ)
書いていて気が付きました。
語学学習と「快適さ」の関係については真面目に考察する必要がある気がします。
「快適さ」と「学習効果」は決して比例関係にはありません。
快適さを優先することで、犠牲となる学習効果があります。
(たとえば「スピード復習」で間違えたら、いったん立ち止まって正解を確認してくれてもいいはず。)
とはいえ「快適さ」を奪ってしまうと、そもそも学習に取り組むことができなくなります。
(「難しい単語」はあまりやる気にならない。まして紙媒体での市販の単語帳など!)
Memriseは決して万能なアプリではありません。
それは他のどんなアプリでもそうですね。
ただ、自分にとって、ほかよりもマシなものを選ぶこと。
これが、継続を可能にさせるひとつの方針なのだと思います。
英語の勉強に関しては、こんなヒントがあります。
目一杯努力するよりも、6割の力でもいいから継続できる方を選ぶ。
その方が、結果的に力がつく。
継続のためには、快適さも重要ですよね。
なお、英語の勉強をされる際は、電子書籍での読書も非常におすすめです。
詳細はこちら。
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