プレバト 梅沢富美男 俳句 一覧2018
番組では、なっちゃんこと夏井先生との絶妙な掛け合いを見せる、梅沢富美男さんの俳句をまとめました。
名人の段位を持つ梅沢富美男さんの俳句には、「さすが!!」と思わず唸ってしまいます。
それでは名人梅沢富美男さんの俳句作品まとめをご覧ください!
下記クリックで好きな項目に移動
- 1 プレバト梅沢の俳句作品まとめ
- 1.1 御降(おさが)りを洗いて清し富士青し 2017年1月5日
- 1.2 銀板の弧の凍りゆく明けの星 2017年1月26日
- 1.3 帯とけばころり福豆二つ三つ 2017年2月2日
- 1.4 菜の花や厨(くりや)に眠るあさり 2017年2月23日
- 1.5 桃色の先になくなる雛あられ 2017年3月2日
- 1.6 花びらも乗車するなり春隣 2017年3月16日
- 1.7 車窓にはじょんがらのごと雪しまく 2017年4月20日
- 1.8 ハムサンド芥子(からし)おおくて夏は来ぬ 2017年5月18日
- 1.9 紫陽花の泡立つ車窓午後の雨 2017年6月1日
- 1.10 あるじ無き 病室の窓 四ひろ咲く 2017年6月8日
- 1.11 星空の螺鈿(らでん)を恋ふる夜光虫 2017年6月29日
- 1.12 いさばのかっちゃスカーフあけび色 2017年8月24日
- 1.13 絵日記のはみ出すほどに茄子の牛 2017年8月31日
- 1.14 夜学果てまだ読みふけるおとがひよ 2017年9月14日
- 1.15 えり足に冬の風ありLINE消す 2017年11月30日
- 1.16 手袋の中の指輪よ再会よ 2017年12月7日
- 1.17 ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし 2018年1月4日
- 1.18 じっちゃんの 咳(しわぶき)ひとつ 澄んだ空 2018年1月25日
- 1.19 春待つや 恵方知らせる 店の声 2018年2月1日
- 1.20 別珍の 手触りのして 梅の香よ 2018年2月8日
- 1.21 春の日は 練り羊羹の 甘さかな 2018年2月22日
- 1.22 天領に 吹く風やさし つるし雛 2018年3月1日
- 1.23 友ふたり 卒業の日の 病室に 2018年3月8日
- 1.24 空のあお 富士の蒼へと 飛花落下 2018年4月12日
- 1.25 木漏れ日を 蹴散らし子らは 夏に入る 2018年5月24日
- 1.26 おさな子の 乳房ふくめる 玉の汗 2018年5月31日
- 1.27 曇天に 俯く 北の濃紫陽花 2018年6月21日
- 1.28 道ばたの 花束ひとつ 虹立てり 2018年6月28日
- 1.29 原子炉と 共に溽暑に 眠る夏 2018年7月12日
- 2 まとめ プレバト。梅沢富美男の俳句一覧!名人の作品をまとめ!
プレバト梅沢の俳句作品まとめ
プレバトでの俳句名人、梅沢富美男さんの作品をまとめて紹介しています。
いただいた感想を、作品ごとに紹介しています。
御降(おさが)りを洗いて清し富士青し 2017年1月5日
お題:新春の富士山の写真を見て一句
御降(おさが)りを洗いて清し富士青し
結果 名人四段→五段【1ランク昇格】
添削無し
真っ青な空、真っ白な衣服、そして雄大な富士山の青々として凛とした姿をイメージしました。
映像がとてもクリアーで自然を前面に感じながらも、家庭的な一部が共有しているようなイメージです。
おさがりと富士山に何の関係があってこの句を詠んだのかがよくわかりませんでした。
おさがりの服をもらいあらって新しくなった洋服を着て富士山の青々とした景色をみていたのでしょうか?
もしその情景を思い浮かべて詠んだのだったとしたら心が穏やかになるような雰囲気が伝わってくるようなきがします。
兄弟が富士山をバックに元気に駆け回っているようです。洗濯をしているお母さんがその姿を見て微笑んでいるようなそんな句におもえました。天気もよく洗濯日和に富士山をバックになびく洗濯物、そして元気に駆け回る子供たちと平和の象徴のような句におもえました。
わたしはこの俳句を読んだとき、自然と情景が浮かび、なんだか懐かしい気持ちになりました。
姉から貰った御降りの服を川などの自然豊かな清い場所で洗っていると、富士山が青々として見えているのかなと感じました。この句を好きな理由は、自然を感じられるところです。
俳句は知識がないと理解に時間がかかる印象で、少し遠ざけていたけれど、自分でもわかるものもあるんだなと知ることができました。
銀板の弧の凍りゆく明けの星 2017年1月26日
お題:横浜の煉瓦倉庫とその広場に張ったスケートリンクの写真を見て一句
銀板の弧の凍りゆく明けの星
結果 名人五段→六段【1ランク昇格】
添削無し
帯とけばころり福豆二つ三つ 2017年2月2日
お題:節分の豆と鬼のお面の写真を見て一句
帯とけばころり福豆二つ三つ
結果 名人六段→六段【現状維持】
添削後
- 帯とけば福豆二つ三つ弾む
- 帯とけば福豆二つ三つ笑う
梅沢さんの句の中では、一番記憶に残っている俳句です。たった17音なのに節分の豆が落ちた情景が見えるようです。
たぶん足袋を履いている足の上にはねて、いくつかタンスの裏へ飛んで行ったかもしれません。(豆あるある)「ころり」が良い味出てますね。
節分の子供たちの可愛さと、情景が目に浮んで、可愛さと、帯と言う言葉で昭和の初め頃なのかなとか、色々な想像もできる楽しい俳句で微笑ましくて可愛いなと思いました。
この句が好きな理由は、どういう状況なんだろうと読み手がたくさん想像することができるからです。帯のところに福豆を入れていたのだろうかとか、それを忘れていたのかなとかを想像し、ふふっと笑ってしまうのがいいなと思いました。
先生はころりを使わなくても分かる、と言っていましたが、豆のかわいらしい感じを出すのであれば、ころりがあっても良いのにと思いました。
先生は書かなくても察せられることに対しては説明を省くべきと言っていましたが、あえて残すのもアリだよなと思っています。
菜の花や厨(くりや)に眠るあさり 2017年2月23日
お題:菜の花と横にポツンと置かれた自転車の写真を見て一句
菜の花や厨(くりや)に眠るあさり
結果 名人六段→六段【現状維持】
添削後 菜の花や厨(くりや)にあさり眠らせて
桃色の先になくなる雛あられ 2017年3月2日
お題:ひな祭り
桃色の先になくなる雛あられ
結果 名人六段→六段【現状維持】
添削後 白ばかりのこりて雛あられクスクス
花より団子というか、情景が浮かんで来やすい俳句かなと思います。
飾られた花や雛壇よりも子供のときはやはり食の方が嬉しいものです。
そんな幼子の可愛らしいイメージです。ひな祭りでの幼子の素直な行動を感じられるように思いました。
初めに桃色とあるからですが、詠んだ瞬間からピンクとひな祭りの華やかな場面が浮かんで見える感じがして誰にでもわかりやすい、いい俳句だと思います。
自分自身の子どもの頃のことを思い出して、とても懐かしく、そして温かい気持ちになる一句なので好きだと思いました。
桃色や白色、緑色があってカラフルで可愛い雛あられですが、やはり女の子はピンク色が好きなのか我が家でも桃色の雛あられが先になくなっていたことを思い出して少し笑ってしまいました。
あるある!と納得しつつ、幼少期の淡い思い出が蘇ってくるような句でとてもほっこりしました。
この俳句は普段の生活のある一場面を切り取った感じのもので、「あぁ、あるよね、こういうこと。」と共感することができるなと感じました。そのような自然と笑顔になれるおもしろい俳句なので、好きだと感じました。
3月のひな祭りで、女の子がお雛様を前にひなあられを楽しそうに食べている姿が目に浮かびます。親戚が遊びに来て、楽しくて駆け回り、着物が崩れているような感じがします。そんな様子を微笑んでいるような仲の良い家族模様が描かれているようです。
女の子はピンクが好きですから、桃色の雛あられが先になくなるのもよく分かります。
自分もピンクが好きだから、先に白い雛あられを食べて、桃色をたくさん残して後からゆっくり食べるタイプでした。
30代女ですが、昔を懐かしめる良い俳句だと思います。
花びらも乗車するなり春隣 2017年3月16日
お題:江ノ電と桜
花びらも乗車するなり春隣
結果 名人六段→五段【1ランク降格】
添削後 花びらも乗車も風ゆらぐ電停
男性が考えた感じのしない繊細で綺麗な俳句で大好きです。この風景を絵にして、俳句を付けて一緒に見たい感じがする、俳句です。
電車の中に桜の花びらが舞って入ってくるというところに春の空気を感じました。
春の綺麗な景色が目に浮かんできて、優しい気持ちに包まれるような綺麗な句だと思います。
桜並木や木に咲き誇る桜も立派で美しいですが、花びらたった1枚であっても春を感じて美しく思うのは桜の持つ力だと感じました。
早く桜が咲く季節になってほしいと、次の春が恋しくなる一句です。
花の色のあざやかさと甘く優しい香りも車内に入ってきて、ガーデニングが趣味で花が好きな私には春がそこまできている温かい感じと、心が癒される作品だと思いました。
この俳句を好きな理由はこの句を読むだけで、春が来たなぁと感じることができるからです。花びらが風によって散って、なかなか入ることのない電車に人と同じように乗るということで春を感じると表現するのがすごいなと思いました。
花が咲いて春が近づいてきた情景が思い浮かぶような素敵な句だと感じました。
春なので桜が咲き電車や車に乗っているときに風に乗って自分のところへ飛んできた時「あーまた新しい春が来たのだなあ」ふと思う自分を想像することができました。
車窓にはじょんがらのごと雪しまく 2017年4月20日
お題なし
結果 二択で実力査定スペシャル 名人対決で東国原英夫に敗れる
添削後 じょんがらのごと雪しまく車窓かな
雪が激しい風に巻かれて車窓にぶつかる様子が想像できて、分かりやすいところが第一にいい点だと思います。
第二には、吹雪が激しい様子を「じょんがら」にたとえている点が好きです。
この句の人物は車窓の中からそれを見ているので、雪に降られることはないため、激しい吹雪でもどこか他人事のように見ることができ、吹雪の様子に少し心が躍っているのではないか、と推測できるところに句の独特さがあると思います。
この俳句は花びらも乗車する〜の俳句の冬バージョンなのかなと、思いました。いい俳句だと思いますが、2句並べて見ると、あとに作った方が手抜き的に感じてしまいました。たくさんつくるので、似た感じになるのは仕方ないとは思いますが、梅沢富美男さんに一つでも上に上がって欲しいので、頑張って欲しいです。
ハムサンド芥子(からし)おおくて夏は来ぬ 2017年5月18日
お題:新緑の公園
ハムサンド芥子(からし)おおくて夏は来ぬ
結果 名人五段→五段【現状維持】
添削後 ハムサンド芥子(からし)のツンと夏来(きた)る
食べ物の中の刺激物にはなんとなく夏を感じさせるさわやかさがあると思います。
それをそのまま書いているだけかもしれませんが、感覚に共感できるさわやかな句だと思いました。
ハムサンドのつんとくる感じが、夏にどう結びつくのか正直よく分からないのですが、漢字だらけの俳句よりは外来語が入っている方が読みやすいし、親しみやすいと思います。
ハムサンドの芥子が多くても少なくても夏は来ると思います。
そもそもハムサンドにからしがはいっているのですか?
もしそうだとしたら夏にカレーが食べたくなるようにいつもよりも多めのからしでハムサンドもたべたくなるのではないでしょうか?
駅のお弁当販売でハムサンドを買って電車に乗る風景が目に浮かびました。からしがおおかったことで、そろそろ秋がくるんだなぁとたそがれている句に感じました。夏も終わり、楽しかった思い出とともに電車が出発するような風景が思い描かれているように感じました。
紫陽花の泡立つ車窓午後の雨 2017年6月1日
お題:雨のフロントガラス
紫陽花の泡立つ車窓午後の雨
結果 名人五段→六段【1ランク昇格】
添削後 紫陽花の泡立つ雨の車窓かな
夏井先生がべた褒めしてましたが、泡立つという表現が、私も素人ながらにすごいと思いました。
確かに車窓の上でポツポツはねる表現としては聞いたことないのに、分かりやすくて素敵でした。
この句を好きな理由は紫陽花、雨との関係の中で、普段使わない泡立つという表現がなされているところです。すごく面白いと思いました。また午前ではなく、午後であるところも私自身の紫陽花のイメージと合っていて、すきです。
梅雨の情景でしょうか、旅行中の鬱陶しさのある雨の中での美しい紫陽花を見つけて、心が和んだようなイメージでした。
暗い暗鬱としたイメージのなかにある美しいものを見つけて和むような視点がとても好きです。
車窓から見る紫陽花、しとしとと降る雨によって映える紫陽花、6月のしっとりとして落ち着いた雰囲気を感じる一句だから好きだと思いました。
雨というと、どこか心がどんよりと沈みがちになりますが、紫陽花という言葉があるだけで心が安らぎます。
花をたくさんつけて青やピンクに色を染める紫陽花が雨の中を生き生きと咲いている様子が浮かんできます。
どの季節にも季節ごとの花々があり、日常の隣にはいつも花がいるなぁと改めて花の存在の大きさを感じました。
雨にうたれながら控えめに咲いている色とりどりの紫陽花たち。人も花も淋しげな印象をうけました。今は色々な種類と色が紫陽花はありますが大輪なのにも関わらず梅雨に咲いている事もあり、美しいですがせつなさになります。
あるじ無き 病室の窓 四ひろ咲く 2017年6月8日
お題:鎌倉と紫陽花
あるじ無き 病室の窓 四葩(よひろ)咲く
結果 名人六段→六段【現状維持】
添削後 名札外されし病室の四葩(よひろ)咲く
病室と言われて真っ白な世界を想像し、そこに花が咲くという展開がとてもきれいだと思いました。
TVでは確か、病室に友人が訪れたという内容だと言っていたと思いますが、病室の主が死んでしまって「あるじ無き」なのかとも読めるのではないかと想像しました。
どちらにせよ、寂しさが映像できれいに浮かび上がる句だと思います。
星空の螺鈿(らでん)を恋ふる夜光虫 2017年6月29日
お題:海
星空の螺鈿(らでん)を恋ふる夜光虫
結果 名人・特待生決戦 第二回炎帝戦6位
添削後 星空の螺鈿(らでん)さざめく夜光虫
光のダンスが夏の暗闇の夜空にも草むらにもあって華やかできれいな感じがしました。ホタルを見ると田舎や過去をを思い出したり切なくなるけど、昔からすれば今は数も減っていますが夏の風物詩でもあるので、ホタルを見た事がない私は見てみたくなりました。
いさばのかっちゃスカーフあけび色 2017年8月24日
お題:夕暮れの商店街
いさばのかっちゃスカーフあけび色
結果 名人六段→七段【1ランク昇格】
添削後 魚市場(いさば)のかっちゃスカーフはあけび色
いさばのかっちゃには会ったこともないのに、アケビ色のスカーフを巻いてはにかんで作業しているお母ちゃんの顔のしわまで見えるのはなぜなのでしょう。
誰もが見て記憶に残っていたり、知っていたり、懐かしかったりする情景を切り取ってくるのは流石だなと感心しきりです。
絵日記のはみ出すほどに茄子の牛 2017年8月31日
お題:夏休みの宿題
絵日記のはみ出すほどに茄子の牛
結果 テレビ人気番組対抗戦2位
添削後
- 絵日記をはみ出し茄子の牛笑う
- 絵日記をはみ出し茄子の牛黒い
夏休みの宿題の絵の豪快さと、どこか適当に描いているのかもしれないなと楽しく想像できる明るさが素敵な句だと思いました。
TVで見ていた時に発表された作品です。
最初なんのことを言っているのかな?と思ったのですが、説明を聞くと子供が元気いっぱいに茄子の絵日記を描く姿が浮かんできて、こんな単純な光景を題材にできるなんて凄いと思いました。
直接言葉では書いてないのに、夏休みだ!お盆だ!と、一瞬で分かってしまうのが良いですね。
しかもはみ出すくらい元気いっぱい。
こういう、言葉はないのに細かい人物描写ができるのが梅沢さんのすごいところだと思います。
夏休みの絵日記で、お盆の風景が描かれているのが目に浮かびます。
親戚中集まって楽しかった思い出が見えるようです。夏休みが終わり、学校で楽しかった思い出をいっぱいお友だちに話しているといいです。
夜学果てまだ読みふけるおとがひよ 2017年9月14日
お題:夏休みの宿題
夜学果てまだ読みふけるおとがひよ
結果 名人七段→八段【1ランク昇格】
添削後 夜学果てなほ読みふけるおとがひよ
「おとがい」は顎のことだそう。すごいなと思ったのは、これだけで自分がなぜか女の子をイメージしている不思議。
しかも長髪で文学少女。おとがいが優しい言葉なので女の子のイメージになるのでしょうか。
夜間学校が終わってもまだ本を読んでいるという、とても熱心で素敵な主人公の、美しい横顔が目に浮かぶようで、いい夜の風景だなと思います。
えり足に冬の風ありLINE消す 2017年11月30日
お題:冬の代々木公園
えり足に冬の風ありLINE消す
結果 名人八段→七段【1ランク降格】
添削後
- 首筋に冬の風ありLINE消す
- 冬の恋終わりぬ風に消すLINE
今時のLINEというキーワードを入れながらなのに、なんとなく俳句は古めかしい言い回しでそのギャップがとても印象的だなと思いました。
冬はやはり別れのイメージがありますし、それを今時の感覚に照らし合わせたら「LINEを消す」という行動になるんだなと時代をも感じる作品かなと思います。
この俳句を詠んだだこで、男性と女性、昔多分お付き合いのあった2人だとか、何十年ぶりに会ったのかとか色々な、ドラマを人それぞれ、想像させる句だと思いました。
この限られた文字数の中でこれだけの事を想像させる、俳句を詠む事が、できるのは素晴らしい事だと思います。
この俳句は、心がきゅんとなる、切ない、素敵な俳句だと思いました。
えり足に風が吹いて寒くなってきたというのはなんとなく想像できるが寒くてもLINEは消さないと思いました。
句の前半と後半の言っていることをどうしても関連付けることができなかったです。
わたしの想像力が乏しいせいかもしれませんがあまりにもヒントがバラバラすぎて情景が思い浮かんできませんでした。
俳句と言えば古い言葉を使えば良いという短絡的な思考にはまりがちですが、ちゃんと最新の「LINE」という言葉を取り入れたところが面白いと思いました。
梅沢さんの年齢でLINEと聞くとミスマッチですが、そのミスマッチをうまく俳句に取り入れている気がします。
寒さの影響で返信せず既読するのみで急いでいる感じがしました。温かい場所で見ればいいものの…とは思いましたが最近の方にはこのような事多いと思いますし、寒くても既読する程人とのつながりの大事さ伝わりました。
手袋の中の指輪よ再会よ 2017年12月7日
お題:冬の帰り道
手袋の中の指輪よ再会よ
結果 名人七段→七段【現状維持】
添削後
- 手袋の下の指輪よ再会よ
- 手袋を外せば指輪再会す
- 手袋に隠す指輪や再会す
ひと冬を越えて愛しいひとと出会えた場面が思い浮かびました。
離ればなれになった恋人と指輪でしっかり繋がっていたんだなと想像しました。冬の寒い時期恋人の温もりが恋しいときに再会できたようなほっこりした気持ちになりました。
よんですごく大人なイメージが浮かびました。結婚指輪でしょうか?
手を繋いだ時に手袋越しに触れ合っているイメージが浮かび、再会したときの思いの丈があり、その一瞬をよんでいるみたいでキュンとしました。
男性側だと冬の寒い時に奥様のいる温かい家に早く帰宅したいと愛妻家の感じがとれたり、女性側だと婚約指輪を再び見て光るダイヤと彼を思い出し微笑ましくなる感じがとれたり、一方毎日している結婚指輪に申し訳ない事をした、後ろめたい気持ちがあるようないろんな表情がとれる作品だと思いました。
ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし 2018年1月4日
お題:雪と青空
添削前 ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし
結果俳句王「冬麗戦」 3位
添削なし
雪が、ざくざくという音を立てる所が、面白いです。
このざくざくでサラサラの雪でないことが、分かります。
シャベルで雪を空に投げる表現を空切りひらくという言葉にしたのでシャープなイメージの俳句になりました。
なんか一見小学生が書いたのかと思うような俳句ですが、なんかそこが逆に好きになりました。
私も雪国に住んでいるので雪かきをらたくさんやらされた思い出があります。
空切りひらくという表現はいいですね。すごくいいと思います。
雪が屋根に積もって暗いところから一気にシャベルで雪を切り裂き明るくなっていく様が脳内に描かれていきます。
シャベルを入れる男性のたくましい腕も想像できます。
暗闇から明るさへ・・生命観あふれる句だと思います。
大変な雪下ろしをしたら、明るくなる感じが好きです。
ざくざくという表現が、しんどい作業を感じさせない表現がステキです。
そして「空切りひらく」という表現が心に刺さりましたので、選びました。
雪が多い地域では、風景の中で空よりも雪が多く感じるくらい、どこもかしこも真っ白なのですが、それを雪下ろしをすることで変えていく、すなわち空を切り開いているのだと書いた点が爽快で好きでした。
またその作業に「ざくざく」という擬音が入っているのも、楽しさを増していていいと思います。
その時の空はきっときれいに見えるのだろうな、と考えることのできる、読後感の爽やかな句でした。
私は雪国育ちで嫁いだ先は更に雪深いところでした。
毎年、冬になると身長を超える程の雪が積もりまさにこの俳句の通りの状況になります。
でも不思議と雪がある冬の方が暖かく感じるんですよね。体を動かすいい運動にもなりますし、たくさん降ってほしくはないのですが冬の風物詩といった感じでしょうか。降らないと楽ですが物足りなさを感じます
じっちゃんの 咳(しわぶき)ひとつ 澄んだ空 2018年1月25日
お題:つらら
じっちゃんの 咳(しわぶき)ひとつ 澄んだ空
結果 名人七段→八段【1ランク昇格】
添削なし
梅沢さんはとにかくよく俳句を勉強されているという印象で、咳をしわぶきと詠んだり、他の人にはない小技が効いた俳句が多い気がします。しかし、小難しい感じではなく、じっちゃんと詠むなど親しみやすさも感じられる俳句であるところが良いと思います。どのような情景かもすぐにイメージが浮かんでくるところ、分かりやすさもあるところが好きです。
春待つや 恵方知らせる 店の声 2018年2月1日
お題:節分
春待つや 恵方知らせる 店の声
結果 名人八段→八段【現状維持】
添削後 春待つや 恵方告ぐる 店の声
商店街の騒がしい様子の分かる俳句で面白いです。
季節ごとの行事にあわせてお店の人達が、お客さんに商品をとおして季節を感じさせてくれる所が、良いですね。
古き良き時代の商店街のような印象もある俳句です。
恵方巻きが節分ビジネス化してしまっていますが、それも春のおとずれを知る風物詩になっているなーと思います。
そんな今どきの春の訪れらしくて、思わずふふふと笑えました。
2月に入って、あちらこちらから聞こえてくるその年の恵方を知らせるお店の人の声に、春がもうすぐそこまで来ていると感じることができる、とても綺麗な一句だと思いました。
節分の訪れとともに、春の足音も感じさせているところがとても上手で、季節感がよく表されていると思います。
ここ数年で全国区となった恵方巻きは、すっかり2月を代表する行事となりました。
春待つ、という季節から想起するそわそわ感と恵方巻を売り出すにぎやかしい売り子さんの声がリンクして、わくわくする一句になっていると思います。
別珍の 手触りのして 梅の香よ 2018年2月8日
お題:梅と電車
別珍の 手触りのして 梅の香よ
結果 名人八段→八段【現状維持】
添削後 別珍の 手触りに梅 薫りけり
生地の種類と香りを並べて書いているので、素材と香りのアップの映像のみで構成されていると言ってもいい句だと思います
ですが、それが逆に布の色や、その持ち主のことを想像させて、ミステリアスな句を作り上げているのかもしれないと思いました。
梅の香りと別珍の組み合わせが、昔懐かしいものを思い出させる気がして、とても優しい気持ちになりました。
ベロアの質感と梅の香りは、言われてみればよく合う気がします。
梅沢さんからは想像出来ない、優しくフワフワとして、非常に儚げな情景が目の前に浮かぶ良い句だと思います。
梅の香りが嗅ぎたくなりました。人の心のどこか懐かしい場所をぎゅっと掴むような句だと思います。
春の日は 練り羊羹の 甘さかな 2018年2月22日
お題:春風と女性
春の日は 練り羊羹の 甘さかな
結果 名人八段→八段【現状維持】
添削後 春の日は甘し 練り羊羹の艶
練羊羹は、昔ながらの和菓子のようなノスタルジックな雰囲気のする食べ物だと思います。
この俳句は、そんな練羊羹を春の日に食べてほっこりと甘さを楽しんでいる昭和っぽい俳句な所が、好きです。
甘さかなという言葉もじんわりとして良いです。
春の暖かくて優しい陽気の季節と、練り羊羹の優しい甘さがとてもよく似ていて、ほっこりと温かい気持ちにさせてくれる一句なので好きだと思いました。
春の柔らかくて暖かい優しい太陽の光の下、ちょうど良い甘さの練り羊羹を口に含んで幸せそうに微笑む人の姿が浮かんできます。
桜が咲き誇り蝶々が飛んでいるような、春らしい情景も浮かんでくるようです。
天領に 吹く風やさし つるし雛 2018年3月1日
お題:ひな祭り
天領に 吹く風やさし つるし雛
結果 名人八段→八段【現状維持】
添削後 天領の 風ぞやさしき 吊るし雛
コロコロと丸くかわいらしいつるし雛がゆったりした風に揺れる様子が、子供の成長を見守る周囲のやさしさをも表現しているようで、とてもあたたかい気持ちになれる一句です。
また、さわやかで高い空の様子にもふれることで、すくすくと育つ子供の成長も読み解くことができます。
ひな壇のおひなさまではなく、あえてつるし雛を題材に選んだところも、動きがあってよいと思います。
友ふたり 卒業の日の 病室に 2018年3月8日
お題:卒業式
友ふたり 卒業の日の 病室に
結果 名人八段→九段【1ランク昇格】
添削なし
卒業式に出席できなかった友達のために集う友情が感じられます。
病室ということばがネガティブに感じられません。
お互いに卒業をたたえあう姿が想像しまいます。
梅沢さんの句はいつも生命力あふれる句が多く、力強さが感じられます。
空のあお 富士の蒼へと 飛花落下 2018年4月12日
お題:桜と富士山
空のあお 富士の蒼へと 飛花落下
結果 第二回春の俳桜戦二位
添削なし
木漏れ日を 蹴散らし子らは 夏に入る 2018年5月24日
お題:新緑の高尾山
木漏れ日を 蹴散らし子らは 夏に入る
結果 名人九段→九段【現状維持】
添削後 夏来る 子ら木漏れ日を 蹴散らして
子供達が、夏休みに友達と遊ぶ姿が、分かる楽しい俳句です。
木漏れ日でじっとしておらずに蹴散らしという言葉を使って子供のストレートな遊びたい気持ちが、伝わります。
現在は、子供達が、遊んだりする場所も限られるので俳句の中だけでも自由に遊び夏を楽しんでいる子供が、感じられるのは、良いですね。
息子がいるので子どもが出てくる作品が好きなのもあるかもしれませんが、初夏の晴天の日の爽やかな情景が浮かんでくる感じが好きです。
子どもたちの元気な様子が素敵に表現されていて、夏の暑さがポジティブに思える、思わず足取りが軽くなるような気分になりました。
これはもう笑ってしまいました。まさにその通りです。
子供って本当暑さなんて関係なしと言わんばかりに服までぐっしょり汗をかきながら太陽の下を走り回るのです。
日々の状況をこんなにもハッキリと情緒豊かに言葉にできるなんてすごいです。本当に素晴らしすぎてあっぱれと言いたいです。
おさな子の 乳房ふくめる 玉の汗 2018年5月31日
お題:更衣(ころもがえ)
おさな子の 乳房ふくめる 玉の汗
結果 名人九段→八段【1ランク降格】
添削後 あまやかや 乳房ふくめる 子の汗は
私も子供がいるので、赤ちゃんとの様子が感じられるこちらの俳句は好きです。
赤ちゃんが汗をかきながら一生懸命おっぱいを飲んでいるところが目に浮かび、ほほえましく感じられます。
お母さんの穏やかな気持ちも感じられるようです。
初めてこの俳句を聞いた時には、梅沢さんには珍しいようなほのぼのとしたイメージの俳句だなと思いました。
これも生きるために今一生懸命なあかちゃんの生命力あふれる句で好きです。
力強さが感じられます。梅沢さんの句の中でもベスト3に入る好きな句です。
わたしには息子がいます。この作品を読んで、授乳をしていた息子が赤ちゃんのころを思い出して、胸の奥がキュンとなりました。
赤ちゃんのころ小さい口をあけて汗をかきながらも一生懸命飲んでいた姿が懐かしく思い出されて、いま走り回って汗をかいている息子がより愛おしいと思えました。
まだ小さい乳幼児が、汗をかいて頬を赤らめながらも一生懸命にお母さんのおっぱいを吸っている姿が想像されて、とても微笑ましくなる一句だからです。
みずみずしくてぷにぷにとした赤ちゃんの白い素肌についている丸い汗の水滴さえも愛おしく感じてきます。
きっと、そんな赤ちゃんを見ながらお母さんはとても愛おしく、幸せな気持ちなんだろうなと感じます。
私は今、幼児を育てています。この俳句を読んだ時に授乳しているときの情景が頭にすぐ浮かび、その時の愛おしい気持ちと甘くて何とも言えないいい香りとほんのり温かい幸福感がよみがえりました。
親の方はそんな気持ちですが子供の方は本当に汗だくでおっぱいを飲んでおり、生命力というか生きる力をこの俳句から感じあの頃を懐かしく思いました。
曇天に 俯く 北の濃紫陽花 2018年6月21日
お題:あじさいとバス停
曇天に 俯(うつむ)く 北の濃紫陽花
結果 名人八段→八段【現状維持】
添削後 北国の曇天 俯く 濃紫陽花
曇天というところから、どんよりとした暗いイメージを感じさせられますが、北の濃紫陽花と最後に詠まれており、力強さも合わせ持った俳句だと思います。天気だけでなく、場所や色や情景など、色々な情報や背景が一句に盛り込まれているところがさすがだなと感じました。どのような状況かもわかりやすく、紫陽花の鮮やかさも感じられて好きです。
この句も情景が目の前にありありと思い描けて、紫陽花と曇り空のコントラストが非常に綺麗に思えます。
梅雨に咲く花なので曇り空も似合いそうなのに、少し悲しげに俯く紫陽花を想像すると、不思議と早く晴れてほしいという気持ちにさせられます。
北のという言葉が、もうすぐ梅雨明けをして暑くなりゆく未来を暗示しているようで、紫陽花の季節もそろそろ終わりなのかな?という、少し悲しい未来をも想像してしまいます。
梅沢さんの句で想像力をかきたてたり、情景がパッと浮かぶ句が大好きです。
道ばたの 花束ひとつ 虹立てり 2018年6月28日
お題:梅雨明け
道ばたの 花束ひとつ 虹立てり
結果 名人八段→九段【1ランク昇格】
添削なし
なんだかすごく爽やかな俳句だなと思いました。
虹という字が入ると一気にかわいい印象になりますよね。私はこの俳句を詠んでいて、なんだか小学生時代を思い出しました。
小学生にとって帰り道は夢がいっぱいでしたよね。すごく懐かしい気持ちにさせる俳句だなと思いました。
交通事故で命を落とした人への花束。
近しい人がささげた花束を事故を知らずに私たちは ああ、事故がここであったのだなあぁと通り過ぎてしまいます。
結構日常的にある道端の花束を見る光景ですが、虹という言葉が入ることで一気に自分自身に問いかけてくるような気持ちになります。
こうした情景に立ち会うことあれば、きっと見ず知らずの人の花束でも 手を合わせて黙とうすると思います。
誰かを悼むことを書きながら、その行為に少しの爽やかさ、明るさをプラスしている、透明感のある句だと感じました。
「虹立てり」という言葉が、雨上がりを想像させ、雨の後の乾きかけた地面まで見えてくるような魅力ある言葉だと思います。
その乾きかけた地面に花束を置いている人物を想像し、雨が止んだのでそこにやっと花束が置ける、という一連の行動の流れも感じる、物語性のある句だと思いました。
道に落ちている花束というインパクトのある情景にまず引きつけられ、その上空に虹が出ているという広がりに物語が大きく展開されると感じます。
虹からは雨の後という時間が想起され、何らかの理由で花束を渡すべき相手に渡せず涙したというストーリーが思い浮かびました。
地面から空まで、風景としての広がりも見られ、その後の展開も気になります。
原子炉と 共に溽暑に 眠る夏 2018年7月12日
お題:夏の食堂
原子炉と 共に溽暑に 眠る夏
結果 名人九段→九段【現状維持】
ほぼ十段というコメントでした。残念でしたね(^^;)
私も、これは素晴らしい俳句だと感じたのですが……
添削後 原子炉と 溽暑に眠る 町の黙(もだ)
いや~これはもっと良くなりましたね
原子炉をここで持ってくるなんてすごい思い切ったなぁ。と思いました。
きっと視聴者の中には原発の事故で故郷に帰れなくなっている人たちもいたと思うので、この題目を選んだのはかなりの賭けだったのではないでしょうか。
ですが、滅びて行く美しさというのでしょうか。
廃墟に魅せられる人もそうですが、1つの文化ぎ廃れていく儚さみたいな物を表現できているのはすごいと思いました。
こんどは廃墟をテーマに俳句を作ってもらいたいなと思いました。
福島県出身の梅沢さんが詠んだのだと思うと、それだけで涙が溢れてきてしまいました。
この17文字に、震災と原発で姿形を変えてしまった、故郷への哀愁や悲哀や慈愛、色々な気持ちがぎゅっと詰まっているようで、震災の爪痕をこんな風に歌に出来る梅沢さんの才能にちょっと驚きました。
出来たらこの先もずっと、福島のことを忘れずにこのような素敵な作品として、これからの福島の軌跡も残していってほしいと思います。
まとめ プレバト。梅沢富美男の俳句一覧!名人の作品をまとめ!
プレバト。梅沢富美男の俳句作品まとめ
- 御降(おさが)りを洗いて清し富士青し
- 銀板の弧の凍りゆく明けの星
- 帯とけばころり福豆二つ三つ
- 菜の花や厨(くりや)に眠るあさり
- 桃色の先になくなる雛あられ
- 花びらも乗車するなり春隣
- 車窓にはじょんがらのごと雪しまく
- ハムサンド芥子(からし)おおくて夏は来ぬ
- 紫陽花の泡立つ車窓午後の雨
- あるじ無き 病室の窓 四ひろ咲く
- 星空の螺鈿(らでん)を恋ふる夜光虫
- いさばのかっちゃスカーフあけび色
- 絵日記のはみ出すほどに茄子の牛
- 夜学果てまだ読みふけるおとがひよ
- えり足に冬の風ありLINE消す
- 手袋の中の指輪よ再会よ
- ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし
- じっちゃんの 咳(しわぶき)ひとつ 澄んだ空
- 春待つや 恵方知らせる 店の声
- 別珍の 手触りのして 梅の香よ
- 春の日は 練り羊羹の 甘さかな
- 天領に 吹く風やさし つるし雛
- 友ふたり 卒業の日の 病室に
- 空のあお 富士の蒼へと 飛花落下
- 木漏れ日を 蹴散らし子らは 夏に入る
- おさな子の 乳房ふくめる 玉の汗
- 曇天に 俯(うつむ)く 北の濃紫陽花
- 道ばたの 花束ひとつ 虹立てり
- 原子炉と 共に溽暑に 眠る夏
さすが名人梅沢富美男さんですね!
どの俳句も発想の転換が素晴らしいです。
兼題写真(お題)から発想を飛ばす、ということが、見事です
中途半端な勉強では出てこないような季語が使用されていて、添削無しの作品も多数見受けられます。
なっちゃんとの掛け合いも楽しみですし、梅沢富美男さんの今後の活躍に期待です。
以上「プレバト梅沢富美男の俳句一覧。名人の作品をまとめ」でした