横尾くんの今までの俳句を全部詠んでみたい!
キスマイ横尾渉さんの俳句一覧をまとめました。
時々しか見ないのに、いつの間にか、特待生になっていて、
横尾くんは現在名人2段。
階級的には、千賀くん以上の実力者です。
そんな横尾くんのこれまでの作品一覧をまとめてみました。
添削前・夏井先生のコメント・添削を紹介しています。
たくさんあるので、目次を読んで、気に入った所から、ぜひご覧ください。
そして、あなたのお気に入りの一句を見つけてください。
下記クリックで好きな項目に移動
- 1 Kis-My-Ft2横尾渉の俳句一覧【プレバト】
- 1.1 サングラス 外して対す 海の青 2015年7月16日
- 1.2 夏帽子 夜行列車の 網棚に 2015年7月30日
- 1.3 秋の夜の 酒に肴は 選ばざる 2015年10月1日
- 1.4 紅葉散る 京都は冷たき 雨の中 2015年11月26日
- 1.5 湯につかり 人も猿も 佳き元旦 2016年1月21日
- 1.6 春愁の 言わで別れし 日の記憶 2016年2月25日
- 1.7 卒業の君 まなざしの 大人びて 2016年3月10日
- 1.8 時間止まる 人と駅舎の 上に虹 2016年6月9日
- 1.9 許されて 寺の笹切る 星祭 2016年7月7日
- 1.10 鰯雲 蹴散らし一機 普天間に 2016年9月1日
- 1.11 凍原を 抜け来し名残 列車着く 2016年12月8日
- 1.12 風止みて 闇の深きを 雪舞えり 2017年1月5日
- 1.13 行け行けど 迷路のごとき 花の路 2017年03月16日
- 1.14 夜に入りて 雨となりにし 花万朶(はなばんだ) 2017年04月06日
- 1.15 籐椅子の 脚もとにある 水平線 2017年06月29日
- 1.16 賑わいも 酒の肴に 夏座敷 2017年08月17日
- 1.17 秋の暮 街路に鳩の ふくみ声 2017年09月21日
- 1.18 千年の 樹海の風と 枯葉の香 2017年10月12日
- 1.19 湯けむりが 道しるべとなり 神の旅 2017年12月14日
- 1.20 産ぶ声や 皆の顔が 冬暖か 2018年01月04日
- 1.21 もの思うこと 忘れおり 花衣 2018年4月12日
- 2 まとめ
Kis-My-Ft2横尾渉の俳句一覧【プレバト】
横尾渉さんの俳句の特徴は、
「兼題写真に映っていないものを俳句にする想像力」
にあると、高等遊民は考えています。
とにかく、想像力がすごいんですよ。
リアルに、具体的に、イメージをしていって、写真にはない季語に出会う。
それがもっともよく表れているのは
「籐椅子の 脚もとにある 水平線」
という俳句です。
詳しい解説は、本文を読んでみてくださいね。
あなたも好きな一句を見つけてください。
サングラス 外して対す 海の青 2015年7月16日
お題「夏の海と江ノ電」
サングラス 外して対す 海の青
横尾くんコメント
- メンバーに向けた作品です。
- 海に来ても、サングラスをしていることが多いんです。
- せっかくの青い海。
- 色眼鏡は外して、自分の目で見ようよというメッセージ
夏井先生の添削
- 「サングラス 外して対す」ここで句を切っている。
- 「対す」という言葉がいい
- その効果で「海の青」で映像がパッと切り替わっている。
- 青という言葉の選択もいい
- サングラス越しの海と、裸眼の海との色の違いがよく分かる。
添削:なし
- 俳句の作り
- 言葉の選び方
- 位置
どれもいい。
すごいですね。最初にサングラスというのが、いいなと私も思いました。
カタカナ語だし、サングラスなんて、もとは外国の輸入品ですよね。
一見して俳句とは相容れないような言葉ですが、この俳句ではすごいオシャレに感じますよね。
「おしゃれな感性」というのが、わたしの感想。
しかも、青。すばらしいですね。夏井先生の解説。
サングラスを外した瞬間、まぶしいほどの海と浜辺の光を感じます。
夏帽子 夜行列車の 網棚に 2015年7月30日
お題「真夏のひまわり畑」
夏帽子 夜行列車の 網棚に
横尾くんコメント
- ひまわり畑から、麦わら帽子をかぶった少年をイメージした。
- そこで遊んだあとの夜を詠んでみました。
夏井先生の添削
- お題の写真から、発想を飛ばし方が上手
- 普通、ひまわりに目を付けるが、夏帽子に注目したのが大変良い。
- 「夏帽子」は、明るく活発な季語。
- 「夜行列車」への転換がお見事
- 「網棚に」とピンポイントで場所を描いている
- その網棚から、「夏帽子」に戻るのが素晴らしい
添削:なし
「どこにもありません。」
これもすごい!!
夏帽子→網棚→夏帽子
というループ。
その一瞬の場面の切り取りが、円環構造になって延々と繰り返される。
日本人にとって夏とは、青春とか永遠をイメージさせるものです。
いわゆる「いつまでもこのままで」という思想です。
ひまわり畑を駆け抜けるというのも、「いつまでもこのままで」
夜行列車から、もう降りないですよね。
その少年は、もう永遠にその夜行列車で安らかに眠り続けているような一句になっています。
ガタンゴトンと、心地よい揺れと共に。
いや~、構造的にも、内容的にも、「夏の素晴らしい思い出が、ずっと続いている」ような気持ちにひたらせてくれます。
すごいよ、横尾君すごいよ!!!
才能ありすぎ。
高等遊民がここまで褒めるのは、なかなかないです(笑)
秋の夜の 酒に肴は 選ばざる 2015年10月1日
お題「石川県輪島市 秋の棚田」
秋の夜の 酒に肴(さかな)は 選ばざる
横尾くんコメント
「俳句の本を買いました。最近は楽屋でずっとそればかり読んでます」
めったにほめない司会の浜ちゃんも素晴らしいと絶賛。
夏井先生の添削
- 助詞が非常に多い一句
- それらはよく考えている使われている
- 「秋の夜の」と上五。「秋の夜のなんだろう?」と思う
- そして「酒」。酒かと。
- いいのが「酒に肴」としたところ
- ふつう「酒の肴」にしたくなる
添削:なし
「秋の夜の酒の肴」とすると、確かに「の」が多すぎますね。
「の」っていう語は基本的に説明です。
「いつまで説明してるんだ、」と感じます。
「酒に」とするから、主語が短くなる。
「肴」という1語で、スッキリするんですね。
「秋の夜の酒の肴」が主語だと、なんかしまりがないですよね。
うまいですね~。
紅葉散る 京都は冷たき 雨の中 2015年11月26日
お題「紅葉の京都 南禅寺」
紅葉散る 京都は冷たき 雨の中
横尾くんコメント
- 京都の紅葉を観に行きたかった。けど、行けませんでした。
- 来年は行くぞと思いながら作りました。
夏井先生の添削
- 語順がよく考えられている。
- 上五に色彩と動きを表わし、続いて京都という場所を示している。
- 「冷たき」で皮膚感覚を描写
- 最期は「雨の中」という映像
- 非常に意味が明快
- この句の読み手は全員同じ光景を想像できる
添削もなし。
だけど結果は、まさかの現状維持!
「無難すぎる」という理由でした。厳しい~。
「映像→場所→感覚→映像」という構造ですね。
横尾くんは、俳句の構造を作るのがうまいような気がします。
先ほどの「夏帽子 夜行列車の 網棚に」も、下五が、夏帽子にまたつながるような作りになってますよね。
こういうセンスがあるんでしょうね~。
湯につかり 人も猿も 佳き元旦 2016年1月21日
お題「長野県地獄谷野猿公苑の温泉につかる猿」
湯につかり 人も猿も 佳き元旦
横尾くんコメント
- 猿の温泉は、お正月なイメージがある
- なので、元旦を季語にしました。
結果は、現状維持。
夏井先生の添削
- 元旦という季語を選んだのは、特待生ならでは。素晴らしい
- 「人も猿も」「佳き元旦」
- 普通の7・5の調べではない
- 6・6の調べにしたのもいい試み
- ただし、無駄な言葉がある
添削:湯に人も 猿もこよなき お元日
- 「湯に」「つかる」のは当たり前。「つかる」はいらない。
- この3音を使って、元旦というおめでたさをもっと表わしたい。
なるほど~。勉強になりますね。
「こよなき」というのが、いいですね。
「こよなく」というのは、「この上なく」という意味。
ほかと比較にならないほど、ダントツで、という意味です。
「お元日」というのも、非常におめでたい感じがありますね。
夏井先生すごすぎますね。。。
春愁の 言わで別れし 日の記憶 2016年2月25日
お題「千葉県房総半島 菜の花列車」
春愁の 言わで別れし 日の記憶
結果:ワンランク昇格(5級→4級)
夏井先生の添削
- 勉強の努力があらわれている。いい
- 「の」の使いかたが、非常にうまい
- 強いて言えば、映像が欲しい。
- すると、物語が動き出す。
- 勉強した句は見たら分かる
横尾くん、本当に勉強してるみたいですね。
これまでに、俳句の本を5冊も6冊も読んでいたそうです。
添削:春愁の 言わで別れし 日の鉄路
なるほど。記憶を、鉄路に変えただけで、動き出していますね。
電車がガタゴト動き出して、別れの記憶・人物の感情が、運ばれていきます。
卒業の君 まなざしの 大人びて 2016年3月10日
お題「教室と桜」
卒業の君 まなざしの 大人びて
横尾くんコメント
- 自分の卒業ではないです
- 年下の甥っ子や姪っ子の卒業
- 大きくなったなとしみじみ思って作りました。
結果は、現状維持。
夏井先生の添削
- 「卒業の君」は句またがり。
- 五七五が七五五になっている。トータルで17音
- よく勉強してるから、こういうことができる。
- ただ、描写が甘い
- 「大人びて」は単なる感想。映像を描写するべし
添削:卒業の君 そのまなざしの 深し
えー、すごい添削ですね。
七五五が、七七三になりましたよ。
「大人びて」が「その」と「深し」になりました。
「深し」ということで、成長が分かるんですね。
大人びてなんて、わざわざいうのは、ダメ。
これ、俳句の一番面白いところだと思います。
- 感想や説明は、言わない。
- 映像の描写で、感想や説明を伝える。
これができれば、いつも才能アリになれますね。
時間止まる 人と駅舎の 上に虹 2016年6月9日
お題 「東京駅と虹」
時間止まる 人と駅舎の 上に虹
横尾くんコメント
- 「駅は、みんな動いている」
- 「虹が出たら、みんな足を止めて見上げる」
- 「それが時間が止まったように見える」
結果:ワンランク昇格(4級→3級)
※夏井先生の添削
- 写真でわかる映像をそのまま切り取った句。
- 上五は、時間と一緒に音が止まるという伏線になっている
- 人は写真に写っていないが、あえて出す
- すると、虹を見た後に、また時間が戻ってくるのが分かる
- 仕掛けが上手。
添削:なし
この解説もすごいですね。
音が止まるという。
面白いのは、時間と一緒に、音も止まっているのが分かる。
- 駅と往来の喧騒が、にじを見上げる
- みんな黙る。足音も止まるし、声も止まる。
なるほどですね~。
「時間止まる」といきなり持ってきたのも、良かったんですね。
許されて 寺の笹切る 星祭 2016年7月7日
お題「七月七日 七夕」
許されて 寺の笹切る 星祭
横尾くんコメント
- 近所のお寺のお祭りを描いた。
- 願い事はその場でもいいし、笹を持ち帰っても良かった
- 笹を大切に扱うことで、命の大切さがわかったから、それを伝えたかった
結果:ワンランク昇格(3級→2級)
※夏井先生の解説
- 一見地味な句
- でも、味わい深い
なぜかというと、、、
- 状況(許されて)
- 場所(寺)
- 対象(笹)
- 動作(切る)
- 季語(星祭)
こんなに多くの言葉が、見事に配置されている。
重複や邪魔が一切ない。
星祭で終わらせるのも、読み手がその後の光景を思い思いにイメージできる。
これぞ俳句である。
添削:なし
すごい。これぞ俳句。
横尾くんは、本当に俳句の配置や構造を作るのが上手ですね。
鰯雲 蹴散らし一機 普天間に 2016年9月1日
お題 「秋の空」
鰯雲(いわしぐも) 蹴散らし一機 普天間に
横尾くんコメント
- 終戦記念日の頃に沖縄にいて、考えていました
- 沖縄暮らしにあこがれていたんですけど、頭の上に一機の飛行機が通ったんです。
- それを見て、色々なことを考えました。
結果:ワンランク昇格(2級→1級)
夏井先生の添削
- お題の写真は、空が映っているだけ。
- そこから沖縄と平和というテーマに発想を飛ばす若者に感動した。
- 「蹴散らし一機」は擬人化の技法。
- 普天間という言葉から、この飛行機が軍用機だと分かる
- そして普天間という言葉の情報が、平和とつながっている
- 読み手に平和の問題を考えることをつきつけている。
- ただ一点惜しい箇所がある
添削:鰯雲 蹴散らし一機 普天間へ
- 普天間「に」だと、着陸してる様子
- 「蹴散らし」の迫力がそがれてしまう。
- 改善案は2つ
- 普天間「を」または「へ」
- 「を」だと、離陸
- 「へ」だと普天間へ向かって飛行中
- たぶん、「へ」が横尾くんの言いたいメッセージに合うだろう
いや~、驚きですね。
これは、放送にものすごく反響があった作品だったそうですよ。
これが、横尾くんの代表作になっているでしょう。
この俳句を読んだ人に平和問題を考えることを突きつけているのが素晴らしいですね。
あなたはどう考えるの? と読み手に迫るような、強制力を持った作品です。
すごい。文学が世の中や、人の心を変えることがあるとすれば、こういうことなんですね。
凍原を 抜け来し名残 列車着く 2016年12月8日
お題「雪の列車」
凍原を 抜け来し名残 列車着く
横尾くんコメント
- 吹雪を抜けホームに着く列車
- 極寒の地に住む人々のたくましさを感じました
夏井先生の添削
- ポイントは中七。
結果は、現状維持。
- 中七が作者の感想になっている
- 映像を描けてない
- 眼球に映った映像を言葉にするのが大切
添削:片側は 吹雪に凍る 列車着く
なるほど。「眼球に映った」ってすごい言い方ですね。
とにかく、目に見えるものを書け、というメッセージが伝わってきますね。
いや~、しかし添削がすごい。
「片側」ですよ。なぜ片側?
吹雪だからです。
片側をものすごい雪と風に打ち付けられて凍っているんですね。
もうその「名残」が完全に残っているわけですね。すごいな~。
風止みて 闇の深きを 雪舞えり 2017年1月5日
お題「新春の富士山」
風止みて 闇の深きを 雪舞えり
横尾くんコメント
- おおみそかの富士山をイメージしました
- おおみそかはすごい風で荒れた天気。雪が舞っています
- 落ち着かないまま床に着いた
- 朝起きて、カーテンを開けると、富士山がそこにあった
- 新年の決意を詠みました
あえて、おおみそかを詠んだわけですね。
結果は、現状維持。
夏井先生の添削
- 富士山の写真から、こんな句ができるのは嬉しい。
- 「を」という助詞も勉強の成果。
- 「舞えり」がもったいなさすぎる
- 「風止みて」と矛盾している
添削:風止みて 闇の深きを 雪しずか
なるほど。
風が吹いていれば、舞う
風がやんだいれば、まっすぐ降る。
まっすぐと降っているのを「しずか」と表現するのが素晴らしいですね。
いや~、現状維持が続きます。
がんばれ横尾くん!
行け行けど 迷路のごとき 花の路 2017年03月16日
お題:江ノ電と桜
行け行けど 迷路のごとき 花の路
結果、ワンランク昇格(1級→名人初段)
夏井先生の添削
- あえて花という言葉にしたのがいい。
- 「桜」というよりも華やかさがある
- 季語の意味合いをよく分かっている
- 迷路と桜の花という取り合わせが桜の妖艶さ・妖しさを描けている
添削:行けど行けど 迷路のごとき 花の路
桜の花になんとなく艶やかさとか妖しさがある。
このニュアンスは、文学独特ですよね。
普通に桜の花を見ていたら、そんな危険な香りはしませんよね。
文学の虚構の世界をよく表しているなぁという感じです。
横尾くん、ついに名人昇格!
1級になったのが、去年の9月。およそ半年かかって、名人になりました。
夜に入りて 雨となりにし 花万朶(はなばんだ) 2017年04月06日
お題:満開の桜
夜に入りて 雨となりにし 花万朶(はなばんだ)
横尾くんのコメント
- 花万朶(はなばんだ)は、多くの桜の枝が垂れ下がった枝垂(しだれ)桜の様子。
- 桜を見にいった日の夜、急に雨が降り出した。
- 「あの桜は散ってしまっただろうか」感じて読みました
こりゃすごい。
結果は、2位。
名人戦だったので、昇格はなしです。
夏井先生の添削
- キレイな句!
- まず「夜に入りて」と時間が流れているのがわかる(進行中)
- そこで、雨という状況。
- そして、花万朶という、堂々たる桜の季語
- うっとりしました
添削:夜に入りて 雨となりたる 花万朶
- 「なりにし」は、完了してしまったニュアンス
- 「なりたる」とシンプルに言うべし
- すると、「入りて」という時間の流れとともに生きてくる
凄い句でしたね~。
まさに、映像だけで、作者の気持ちが伝わってきますね。
「散ってしまったかな?」なんて、俳句の中には一言も書かれていません。
でも、デラックスな満開の枝垂桜が、あの雨で散って、枝だけになってしまうんじゃないかという心が見えますよね。素晴らしい。
籐椅子の 脚もとにある 水平線 2017年06月29日
お題「海」
籐椅子の 脚もとにある 水平線
横尾くんのコメント
- 海の写真をどこから見ているかを想像した。
- 旅館が出てきた。
- 籐椅子に座って、キレイだなあと窓から眺めている
- 足元に水平線があるような気がして、心地よく見える
これも名人戦で、結果は4位でした。
4位ですが、夏井先生はべた褒め。
夏井先生の添削
- 籐椅子という季語がすばらしい
- リアルに、深く想像しないと、この季語には出会えない
- ただ、非常に惜しいのが1つ
添削:籐寝椅子の あしもとにある 水平線
- 「脚」が自分の足なのか、籐椅子の脚なのか、まぎらわしい。
- 「あし」とひらがなに
ほほ~。字余りにあえてするんですね。
私の感覚では、ちょっと冗長のような気がしますが。
どうすればいいんでしょうね。
「籐椅子に 座るあしもと 水平線」
ダメだな~(笑)
すばらしい想像力にあふれたみずみずしい作品でしたね。
賑わいも 酒の肴に 夏座敷 2017年08月17日
お題:京都と朝顔
賑わいも 酒の肴に 夏座敷
夏座敷という季語。
「夏向きに工夫した座敷のこと。扉を開け放たり、家具の配置を変えて、風通しの良さを求めた座敷。」
横尾くんのコメント
- 暑い京都
- 涼みたいと思っている人が集まっているところを想像したから「賑わい」
- 涼しい食事どころで、おいしいものを味わってる様子を詠みました。
結果は、現状維持(名人初段)
夏井先生の添削
- 写真にはない、人の様子に目をつけたのは良い
- 非常に気持ちがいい句。涼しさは伝わる
- 一緒にお酒を飲みたいなと思える句
- ただ、「賑わい」が抽象的。
- もっと、具体的に読める
添削:川音も 酒の肴ぞ 夏座敷
なるほど。賑わいではなく、川音という映像や風景で、にぎやかさを表わすわけですね。
「まだまだですね」と横尾くん。
名人になっても謙虚ですね。
このプレバトは、みんな一生懸命で、みんな謙虚なのが本当に面白いですよね。
梅沢富美男さんも、なんだかんだで一生懸命で謙虚です(笑)
ほかにもこんな添削例がありました。
【プレバト俳句20170817】横尾渉君元句「賑わいも酒の肴に夏座敷」夏井先生添削「川音も酒の肴ぞ夏座敷」気持のよい光景。どんな賑わいか具体的に。その他の添削例①「さざめきも酒の肴に夏座敷」②「さざめきも酒の肴ぞ夏座敷」③「川音も肴に酌みぬ夏座敷」
— 日向 (@alivehyuga0707) August 18, 2017
秋の暮 街路に鳩の ふくみ声 2017年09月21日
お題:月と鎌倉大仏
秋の暮 街路に鳩の ふくみ声
横尾くんのコメント
- 鎌倉はお寺と住宅街で静かな場所
- お寺には鳩が集まっている。
- 鳩が集まっている声で、お寺を描きたかった
結果は、1ランク昇格(名人初段→2段)
夏井先生の添削
- 下五がお見事。季語を活かしている
- 秋の暮は、もののあわれを表わす
- 街路から、鳩という語順も丁寧
- そして鳩独特の鳴き声を「ふくみ声」としたのが素晴らしい
- 「もののあはれ」に寄り添うようなフレーズになってる
添削なし
横尾くん、すごいっす。
「鳩」という写真にないものを持ってきました。
想像力が豊かですよね。
写真にないものを、きちんとリアルに考えて、詠み込む。
これが横尾渉の俳句の作風です!!
千年の 樹海の風と 枯葉の香 2017年10月12日
お題:紅葉(もみじ)
千年の 樹海の風と 枯葉の香
横尾くんのコメント
- 富士の樹海に行った。
- 自然の偉大さに驚いた。圧倒された
- 風や匂いで、歴史や自然の素晴らしさを描きたかった
名人戦で、結果は2位です。
同じキスマイの千賀くんも、「うーん、悔しいけど、めっちゃ良いですね」と笑みを浮かべました。
夏井先生の添削
- お題写真は1枚の紅葉。
- そこから「1000年」という歴史を感じさせる語を冒頭に持ってくる
- 発想の飛ばし方が、大したもの
- 樹海の風「と」枯葉の香、「と」で2つをつなげる型も素晴らしい
なるほど。
- 時間(千年)
- 場所(樹海)
- 感覚(風)
と、きっちりつなげます。
そして、枯葉の香。
枯葉とくると映像をイメージします。
でも、なんと「香」。匂いなんですね。
「かれはのか」という「か」による押韻もいいですね。
発想飛びの横尾くんの面目躍如ですね!
添削は、なしでした。
湯けむりが 道しるべとなり 神の旅 2017年12月14日
お題:雪の露天風呂
湯けむりが 道しるべとなり 神の旅
神の旅とは、冬の季語。陰暦で10月。
諸国の神々が出雲大社に集まるための旅を指すそうです。
美しい季語ですね。
結果は、現状維持。(名人2段)
夏井先生の添削
- 発想は相変わらず面白い
- 「となり」がもったいない
- 中八にするのはいいが、今回は失敗
- 中七でしっかり切るほうがいい
添削:湯けむりは 道しるべなり 神の旅
なるほど。ダラダラしてしまうと「神の旅」というインパクトある言葉が生きないんですね。
湯けむり=道しるべという構図を、はっきりと示す。
すると、旅の道しるべという意味がよりクリアに伝わりますね。なるほどです。
産ぶ声や 皆の顔が 冬暖か 2018年01月04日
お題:雪と青空
産ぶ声や 皆の顔が 冬暖か
横尾くんのコメント
- 写真は雪だけど、温かいイメージを出したかった
- 温かいイメージを想像したら、子どもが出てきた
なるほど。生まれるときって、産湯だったり、体温だったり、暖かいですよね。
結果は、なんと7位と惨敗。名人戦でした(冬麗戦)
夏井先生の添削
- 暖かい句にしたいという発想は良い
- 「ぶ」は要らない。「産声」でいい。
- 上五はOK
- 中七がダメ。説明になってる
- 映像にするという基本を忘れてしまった
添削:産声や 冬暖かき 顔々かお
なるほど。
先に、冬暖かいをもっていく。ちょっと矛盾した表現ですよね。
「え、冬なのに、何が温かいの?」
と思わせておいて。
ここで、映像。
まさかの「顔々かお」
こりゃすごい。
生まれたての赤ちゃんをみんなが取り囲んでいる様子が分かりますね。
ひらがなの「かお」にすることで、最後の「かお」が赤ちゃんだということがわかる。
すごい!
もの思うこと 忘れおり 花衣 2018年4月12日
お題 「桜と富士山」
第2回 春の俳桜戦です。
結果は、、、3位!
もの思うこと 忘れおり 花衣
横尾くん「新生活、やらなきゃいけないことがたくさんあるんだけど、花見に行く、晴れ着を着る、そんなことに頭がいっぱいになって、つい生活の用事を忘れちゃう、そんな思いを詠んだ」
夏井先生のコメント。
- 「難しいこと言う男やねえ」
- 「もの思う」とは憂いを示す。
- これだと「憂い」を忘れたと解釈しちゃう
- そのまま「やるべきを」とすべき
なるほど。
添削:やるべきを 忘れ 花衣のうつつ
うつつ、という言葉がいいですね。横尾さんの意図をしっかり表現する、美しい言葉ですね。
夏井先生が、インタビューで横尾さんにコメントを出されています。
今回は横尾さんの句が大変でしたね。それだけのニュアンスを彼らが伝えようとし始めてるってことは、すごい進歩だと思ってます。
横尾さんと千賀さんがいい意味で競い合ってほしいと思っています。
横尾さんは今、自分の思いを語るところに一生懸命になってるところがあるんですが、俳句は映像を切り取るんだという最初の立ち位置にもう一回戻ってもらいたいですね。
元々ナイーブで瑞々しい感覚を持ってるので、何か素晴らしいを俳句にしなきゃいけないとか考えない方がいい。千賀さんが調子がいいので焦る気持ちは分かるんですが、一人一人持ち味は違うので慌てないでほしい。
映像を切り取るというところに戻ってくれるだけで、横尾さんはなんとかなるので、エールを送りたいですね。
https://thetv.jp/news/detail/142706/p2/
まとめ
キスマイ横尾渉のプレバト俳句作品一覧をご紹介しました。
- サングラス 外して対す 海の青 2015年7月16日
- 夏帽子 夜行列車の 網棚に 2015年7月30日
- 秋の夜の 酒に肴は 選ばざる 2015年10月1日
- 紅葉散る 京都は冷たき 雨の中 2015年11月26日
- 湯につかり 人も猿も 佳き元旦 2016年1月21日
- 春愁の 言わで別れし 日の記憶 2016年2月25日
- 卒業の 君まなざしの 大人びて 2016年3月10日
- 時間止まる 人と駅舎の 上に虹 2016年6月9日
- 許されて 寺の笹切る 星祭 2016年7月7日
- 鰯雲 蹴散らし一機 普天間に 2016年9月1日
- 凍原を 抜け来し名残 列車着く 2016年12月8日
- 風止みて 闇の深きを 雪舞えり 2017年1月5日
- 行け行けど 迷路のごとき 花の路 2017年03月16日
- 夜に入りて 雨となりにし 花万朶(はなばんだ) 2017年04月06日
- 籐椅子の 脚もとにある 水平線 2017年06月29日
- 賑わいも 酒の肴に 夏座敷 2017年08月17日
- 秋の暮 街路に鳩の ふくみ声 2017年09月21日
- 千年の 樹海の風と 枯葉の香 2017年10月12日
- 湯けむりが 道しるべとなり 神の旅 2017年12月14日
- 産ぶ声や 皆の顔が 冬暖か 2018年01月04日
- もの思うこと 忘れおり 花衣 2018年4月12日
こうしてみると、どんどん上達しているのが分かりますね。
あなたは、横尾渉さんのどの俳句が好きでしたか?
わたしは、そうですね~。いくつかありますが、
- サングラス 外して対す 海の青
- 夏帽子 夜行列車の 網棚に
この2つが特に好きですね!
初期の作品ですが、非常におしゃれです。
そして、「発想を飛ばす」という横尾くんの作風が、最初から見えてる作品でもあります。
あなたもぜひ、コメント欄やTwitterで、気に入った一句を教えてくださいませ。
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今後の活躍も楽しみですね。
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