「とかぐや姫ってなんで「かぐや姫」って名前になったの?名前の意味って?」
日本人なら誰もが知っている(と思われる)王道の物語「竹取物語」。
それを絵巻物のような繊細なタッチの絵。
そしてかぐや姫の主観で描かれる儚く切ないストーリーに仕上げられた「かぐや姫の物語」。
一度見て心奪われた方も多いことでしょう。
もちろん私もその一人です。
そして湧き出る数々の疑問・・・
「ところで、かぐや姫ってなんで「かぐや姫」って名前になったの?名前の意味って?」
小さい頃から知っている、あまりに王道な昔話すぎて今まで疑問に思わなかったけど「かぐや」なんて名前、他で聞いたことないですよね。
そもそも「かぐや」って語源あるんかい?
私の乏しい知識では想像も全くつかなかったので調査致しました!!
- 「かぐや姫の物語」で名付けられた場面と意味は?
- 原作も同じ?名付け親と名前の意味に違いは?
- 名前の由来。その他の説は?
その結果・・・
- 映画の中では「なよたけの如くしなやかで輝くような美しさ」だからと言うシーンが。
- 原作も名付け親は同じ!ちらちらと揺れて光ることの「かがよう」から。
- かぐや姫のモデルから?諸説ある名前の由来!
とにかく大昔の物語のため掘り下げれば掘り下げるほど出てきましたね。
私としては「どれも合っている!今更ながら素敵な名だ!」と思って、ちょっと感動しました。
あなたはどんな由来にしっくりくるでしょうか?
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【第1の説】名付け親は斎部秋田(いんべのあきた)「なよたけの如くしなやかで輝くような美しさ」だったから
覚えていますか?
白髪眉の優しそうで気品溢れるおじいさんを。
まずは「かぐや姫の物語」に登場する名付け親の斎部秋田(いんべのあきた)氏をご紹介しますね!
顔を見れば「この人ね!」となりますよね。
この方が斎部秋田(いんべのあきた)氏でございます。
翁が娘の名前を決めてもらうべく屋敷にお招きしたシーン。
そんな時に限って姫は地べたに這って猫ちゃんと遊んでいました。
その光景を見られてしまって翁パパ焦る。
しかし斎部秋田氏「なかなか愛らしい姫君」
やさ~。なコメントですね。
気を取り直して再度対面するときには姫スイッチオン状態。
斎部秋田氏の前で見事に琴を奏でます。
この姿を見て命名。「かぐや姫」となります。
なぜそう名付けたかはサラッとですが説明されていますね。
「なよたけの如くしなやかで輝くような美しさ」だったから。
なるほど。
ニュアンスは十分に感じられますね。
なよたけ=弱竹とも書きます。
つまりは細くてしなやかな竹。
そして輝くような美しさ。
まさに、かぐや姫そのものを現した名前!!
ってことは、輝く=かぐや??
まだまだモヤっとしているのでもう少し掘り下げたいですね。
【第2の説】原作の名付け親は御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田。ちらちらと揺れて光ることを「かがよう」という
原作での名付け親は御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田と書いてあります。
以下「竹取物語」抜粋↓
「この子いと大きになりぬれば、名を御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田呼びてつけさす。秋田、なよ竹のかぐや姫とつけつ。」
と、箇条書きのようなシンプルさで書かれています。
これじゃあ情報が乏しい!笑
しかし秋田氏ですが、「かぐや姫の物語」とは御室戸(みむろど)の部分が付いているか付いていないかだけで同一人物であることは間違いないようです。
さて、その「御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田」って一体何者?
お偉い方なのは間違いなさそうですが、翁との関係性や何してる人なのか気になりますよね。
まずはこの方をご紹介致します。
御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田
三室戸(みむろど)とも書くようです。
そして斎部(いんべ)とは「忌部氏(いんべし)」という氏族または忌部という部民。
朝廷の祭祀をはじめ祭具づくり、宮殿の造営などを行っていた氏族。
「三室戸」の三室は「三室山(奈良県斑鳩町)」のこと。
戸は人々の集団であること。
つまり、今で言う「奈良県斑鳩町に住んでいたであろう朝廷の祭祀を司る氏族」の秋田さんが名付けたんですね。
現代でもお坊さんに子供の名前をつけてもらったりしますもんね。
とにかく、神聖なる職につくお偉い方からの命名。
この時代はとくに光栄な儀式だったことでしょう。
そして「かぐや」の意味。
これは「ちらちらと揺れて光ることをかがよう」と言うことからだそう。
念のため辞書を引くと
かがよ・う かがよふ 【耀▼う】
①きらきらと光りかがやく。きらめきゆれる。
②見え隠れする。
とあります。
漢字は「輝」ではなく「耀う/赫う」のようですね。
【第3の説】かぐや姫にはモデルがいた? 古事記の「迦具夜比売命」(かぐやひめのみこと)?
なんと「かぐや姫」にはモデルがいたんじゃないか説です!
そのモデルは「古事記」に登場する「迦具夜比売命」(かぐやひめのみこと)。
字は違うもののバッチリ「かぐやひめ」が入っています。
かぐやひめのみことは代11代天皇である垂仁天皇(すいにんてんのう)の妃であった人物と古事記に記録されています。
古事記は複雑すぎてかなり割愛しますが、かぐやひめのみことのお父さんが「竹との関連が深い人物」であることも理由の一つだそう。
とにかく作者不明・原本もない・成立年も不明である「竹取物語」。
かぐや姫と言う名前の由来も憶測も様々です。
他にも
・古事記・日本書紀に登場する火の神である「火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)」が由来ではないか?
・奈良県橿原市の「天香具山(あめのかぐやま)」が由来では?
などなど。
それらしい理由もそれぞれあるので、正直コレだ!って断言できないのが正直なところ。
もしかしたら、そもそも名前が「かぐや姫」でなかった可能性すらありますからね(笑)
しかしそんな謎も、より作品を楽しむきっかけになっているんではないでしょうか♪
まとめ:かぐや姫の名前の由来は諸説あり!名付け親は高貴な氏族の秋田さん!
名前の由来は諸説あるもののどれも納得のいく理由がありました!
- 名付け親は斎部秋田(いんべのあきた)「なよたけの如くしなやかで輝くような美しさ」だったから。
- 原作では御室戸斎部(みむろどいんべ)の秋田。ちらちらと揺れて光ることを「かがよう」と言う。
- かぐや姫にはモデルがいた!古事記の「迦具夜比売命」(かぐやひめのみこと)
かぐや姫のイメージとしてはやはり「色白で華奢な美人」ですし、名前もイメージにピッタリな響きですよね。
是非とも子供に「かぐやちゃん」と名付けたいものですがイメージ先行の名前負けが怖くもあります。。
いんべのあきた氏のような光るネーミングセンスも欲しいところです。