東国原英夫の俳句一覧!プレバト作品をまとめて見えた特徴とは?

東国原英夫さんのプレバト俳句作品をまとめました。

コンスタントに出演されていて、特徴的な作品を作られています。

社会の暗い面に光を当てるというか。

ぶっちゃけると、くら~い作品が多いです!(笑)

添削前・夏井先生のコメント・添削を紹介しています。

たくさんあるので、目次を読んで、気に入った所から、ぜひご覧ください。

そして、あなたのお気に入りの一句を見つけてください。

 

※2018年7月追記

盗作疑惑がニュースになりましたね。

  • 東国原さん:2018年6月7日放送「梅雨明や 指名手配の 顔に×」
  • 宮崎日日新聞:2017年6月掲載「梅雨寒や 指名手配の 顔に×」

 

盗作と言われても仕方がないレベルだと思います。

 

ちなみに千賀健永くんにも一時盗作(パクり)疑惑が騒がれました。

桜花 風の名残の 空の波 2017年4月6日

この句が、『古今和歌集』の紀貫之の短歌に酷似しているという話がありました

それについては、私は以下で考察しています↓

千賀健永さんのパクりが疑われた俳句の詳細はこちら

 

東国原英夫の俳句一覧【プレバト】

 

初富士や北斎のプルシャンブルー 2017年1月5日

お題:新春の富士山の写真

初富士や北斎のプルシャンブルー

プルシャンブルーとは、日本語では「紺青」(こんじょう)。

紫色を帯びた暗い青色のことです。

東国原さんのコメント

「かなりチャレンジしました。渾身の一句です。」

確かに勇気の必要な一句ですね。5・7・5完全無視ですものね。

結果は、1ランク昇格。特待生2級→1級

夏井先生の添削

  1. 富士山と北斎を詠んだ句は時々見ます。
  2. 大体同じになって、つまらない。
  3. これは発想が見事。
  4. 夜明け前の富士山が見えてくる。

 

添削:なし

なるほど~。北斎と富士は、確かにありきたりと言えばありきたりですね。

そこにプルシャンブルーという聞きなれない外来語を持ってくる。

大体、何色か分からないですよね。

で、私のように調べる。すると紺青という言葉が出てくる。

ほほ~、暗い色なのか。

ということは夜明け前だな。

となるんですね。非常に優れた一句ですね!

紅梅や1km10秒縮めたり 2017年1月19日

お題:青空の梅と飛行機

紅梅や1km10秒縮めたり

結果は、1ランク昇格 特待生1級→名人初段(昇段)

夏井先生の添削

  1. この人にしか詠めない俳句。
  2. 実体験から得た数字・情報は強い。
  3. あえて添削するとすれば・・・

添削:紅梅や1km10秒縮めた朝

中7が中8になっている。

それに合わせて、下五もあえて字余りにする。

ほほ~。これは目からウロコですね。

ふつう俳句は字余りしないようにしますからね~。

東国原さんも「朝は出てこない」とおっしゃっていました。

でも、素晴らしいですね。

「朝」と入れるだけで、梅の香りのする爽やかな朝が目に見えてくるようですね。

縮めたりだけだとその縮めたという情報しか出てきません。

朝と言う時間や情景の見えるフレーズを入れることによって、俳句としての情報がまた一つ深くなっていきますね。

梅東風(うめこち)や千年分の絵馬の鳴り 2017年2月9日

お題:菅原道真を祀る太宰府天満宮の飛梅

梅東風や千年分の絵馬の鳴り

結果は、現状維持。名人初段

夏井先生の添削

  1. 語順がもったいない
  2. 千年分の絵馬が生きていない

添削:梅東風(うめこち)に鳴らん千年分の絵馬

夏井先生:こうすれば「千年分の絵馬ってどういうことか」と読者に考えさせる余韻が出てくる。

最初の俳句だと最後に「鳴り」という動詞が入っています。

すると、1000年分の絵馬がどうなっているか?

絵馬の状態が、答えとして出てしまっているのですね。

そうではなく、千年分の絵馬って体言止めにする。

その効果によって、「たくさんの絵馬が風に揺られている」

などの情景がイメージできるというわけですね。

お見事な添削ですね!

花散るや尊徳像の撤去跡 2017年3月23日

二宮尊徳

お題:二宮金次郎と桜

花散るや尊徳像の撤去跡

東国原さんのコメント

  • 二宮尊徳の銅像が小学校から撤去されている。
  • その淋しさを、詠ってみました。

結果は、現状維持。 特待生1級

夏井先生の添削

  1. もったいない
  2. 感情が先走っている
  3. 押しつけがましいものの哀れ

添削:尊徳像撤去の跡へ散るさくら

「押しつけがましいもののあはれ」って恐ろしい批評ですね。

たしかに、「花散る」「撤去跡」

「どうだ、さみしいだろう、かなしいだろう」

と言われている感じ。

俳句の基本は、感情を直接描写せず、映像を描写することによって感情を伝えること。

東国原さんのこの句は、一見、映像描写に徹した一句に見えます。

が、内実は、感情が露骨に出てしまっているということですね。

いや~、俳句の奥深さを思い知る一句ですね。

野良犬の吠える沼尻花筏 2017年4月6日

お題:「満開の桜」

野良犬の吠える沼尻花筏

沼尻とは、地名ですね。

現在の福島県に当たる場所です。

東国原さんのコメント

  • 田舎の沼地です。
  • 野良犬が池に浮かんだ花筏に吠えている様子を詠みました

今回は、名人戦です。

結果は、1位!

特待生1級→名人初段

夏井先生の添削

  1. 本当にうまい
  2. 全体的に不穏。不穏さが良くでている

添削:なし

なるほど。

  • 「野良犬」
  • 「沼」
  • 「花いかだ」

ぜんぶなんだか心がくさくさするような、怪しいニュアンスをもったワードですね。

桜に怪しいイメージを持たせているのは、きわめて文学的な世界ですよね。

もう現代の私たちの頭の中からは、失われた価値観です。

だって、満開の桜を見て

「あやしいな~、恐ろしいな~、不穏だな~」

とは思いませんよね。

むかしの人は、さくらに美しさとともに「妖しさ」「恐ろしさ」といったイメージを持っていたのでしょうね。

野良犬っていうのが、いいですね。

もう野良犬もすっかり町から姿を消しました。(私は東京育ち)

地方では、まだ野良犬などいるのでしょうか?

ぜひコメント欄などで教えてくださいませ。

 

大拍手空舞うコスモスのブーケ 2017年4月20日

大拍手空舞うコスモスのブーケ

夏井先生の添削

  1. 語順が素晴らしい
  2. 擬人化に大成功してる
  3. 大拍手が空を舞うのかと思わせておいて、ブーケ
  4. 結婚式の華やかさがよく分かる

 添削:なし

なるほど~。「舞う」って凡人3大動詞の1つ(舞う・染める・燃える)と夏井先生つねづねおっしゃっていますが。

これはすばらしいですね。

送り梅雨船員送る千の傘 2017年6月22日

お題:学校の傘立

送り梅雨船員送る千の傘

送り梅雨とは、梅雨の終わりを表わす季語です。

結果は、ワンランク昇格(名人初段→2段)

夏井先生の添削:

  • 語の組み合わせがよい
  • 「送り」にあわせて「船」「千」という言葉とよく合っている

添削:送り梅雨船団送る千の傘

なるほど。

「送る」という言葉を2回使うのは、かなり勇気ある決断だったと思います。

傘立てから「船」を連想させる、迫力のある俳句ですね。

夏井先生によれば、「船員」ではなく「船団」とすることで、さらにスケールが大きくなるとのことです。

 

夏の果(はて)ボサノバと水平線 2017年6月29日

お題:海

特待生・名人8人の大会でした

 

夏の果(はて)ボサノバと水平線

 

結果は、3位(8人中)

添削:なし

 

牛売られ牛舎の隅の庭花火 2017年7月27日

お題:線香花火

 

牛売られ牛舎の隅の庭花火

 

結果は、現状維持

添削:牛おらぬ牛舎の闇に手花火す

 

鎌で切る鶏の首盆支度 2017年8月10日

お題:お盆の帰省ラッシュ

 

鎌で切る鶏の首盆支度

 

結果は、1ランク昇格。2段から3段へ

添削:なし

 

秋夕焼赤黒き1000グラムの吾子 2017年9月7日

お題:夕焼けとレインボーブリッジ

 

秋夕焼赤黒き1000グラムの吾子

 

結果は、1ランク昇格。3段から4段へ

添削:なし

 

紅葉燃ゆ石見銀山処刑場 2017年10月12日

お題:紅葉

特待生・名人8人の大会でした

 

紅葉燃ゆ石見銀山処刑場

 

結果は、1位! 優勝です

 

添削:なし

 

運動会テントの中の車椅子 2017年10月19日

お題:綱引き

 

運動会テントの中の車椅子

 

結果は、現状維持

  • 添削1:運動会テントに小さき車椅子
  • 添削2:運動会のテントぼつんと車椅子
  • 添削3:運動会放送席に車椅子

 

柩追う犬ごと攫(さら)う雪しまき 2018年1月18日

お題:犬と雪

 

結果は、1ランク昇格。4段から5段へ

添削:なし

 

冴返る屋台の骨に接ぐ義足 2018年2月15日

お題:ラーメン屋台

 

冴返る 屋台の骨に 接ぐ義足

 

結果は、現状維持

 

添削:冴返る 屋台の脚に 接ぐ義足

 

ビル鎮火濁(だく)水まみれのたんぽぽ 2018年3月15日

お題:都会のたんぽぽ

 

ビル鎮火 濁(だく)水まみれの たんぽぽ

 

結果は、1ランク昇格。5段から6段へ

添削:なし

 

鎌で切る鶏の首盆支度 2018年4月5日

お題:なし

1対1での勝負という企画でした

 

添削:なし

 

花震ふ富士山火山性微動 2018年4月12日

お題:桜と富士山

特待生・名人8人の大会でした

 

花震ふ富士山火山性微動

 

結果は、1位。優勝です。

添削:なし

 

春深し象舎の壁の罅(ひび)長く 2018年4月26日

お題:春の動物園

 

春深し象舎の壁の罅(ひび)長く

 

結果は、1ランク昇格。6段から7段へ

添削:なし

 

こいのぼりさいのかわらにかがむ吾子 2018年5月3日

お題:学校のこいのぼり

こいのぼりさいのかわらにかがむ吾子

結果は、現状維持。

添削

  • 鯉幟さいのかわらの空如何
  • 鯉幟さいのかわらの空蒼し

 

青嵐黄綬受賞の父の眉 2018年5月10日

お題:新緑の鎌倉

 

青嵐黄綬受賞の父の眉

 

結果は、1ランク昇格。7段から8段へ

添削:なし

 

梅雨明や指名手配の顔にX 2018年6月7日

お題:梅雨の駅

 

梅雨明や指名手配の顔にX

 

結果は、1ランク昇格。8段から9段へ

添削:なし

 

こちらが、問題の盗作疑惑の作品ですね。

 

宮崎日日新聞:2017年6月掲載

「梅雨寒や 指名手配の 顔に×」

 

こりゃ完全にアウトですね。

盗作の意図はなくても、すでに先行作品がある以上、東国原さんの作品を評価してはいけませんね。

ぜひ今後も、素晴らしい作品を作ってほしいです

 

ちなみに千賀健永くんにも一時盗作(パクり)疑惑が騒がれました。

桜花 風の名残の 空の波 2017年4月6日

この句が、『古今和歌集』の紀貫之の短歌に酷似しているという話がありました

それについては、私は以下で考察しています↓

千賀健永さんのパクりが疑われた俳句の詳細はこちら

 

まとめ

東国原英夫さんの俳句をまとめました。

  1. 初富士や北斎のプルシャンブルー
  2. 紅梅や1km10秒縮めたり
  3. 梅東風(うめこち)や千年分の絵馬の鳴り
  4. 花散るや尊徳像の撤去跡
  5. 野良犬の吠える沼尻花筏
  6. 大拍手空舞うコスモスのブーケ
  7. 送り梅雨船員送る千の傘
  8. 夏の果(はて)ボサノバと水平線
  9. 牛売られ牛舎の隅の庭花火
  10. 秋夕焼赤黒き1000グラムの吾子
  11. 紅葉燃ゆ石見銀山処刑場
  12. 運動会テントの中の車椅子
  13. 柩追う犬ごと攫(さら)う雪しまき
  14. 冴返る屋台の骨に接ぐ義足
  15. ビル鎮火濁(だく)水まみれのたんぽぽ
  16. 鎌で切る鶏の首盆支度
  17. 花震ふ富士山火山性微動
  18. 春深し象舎の壁の罅(ひび)長く
  19. こいのぼりさいのかわらにかがむ吾子
  20. 青嵐黄綬受賞の父の眉
  21. 梅雨明や指名手配の顔にX

 

あなたのお気に入りの一句はどれでしたか?

わたしは

  1. 「大拍手空舞うコスモスのブーケ」
  2. 「送り梅雨船員送る千の傘」
  3. 「花震ふ富士山火山性微動」
  4. 「青嵐黄綬受賞の父の眉」

 

この4つが特にお気に入りです!

東国原英夫さんの俳句は「暗い」とわたし言いましたが、

初期の作品には、全くその片鱗は見られませんね。

 

2017年後半から、そういった「何かを悼む」俳句を作るようになりました。

今後も素晴らしい俳句を期待したいですね。

 

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東国原英夫

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7 件のコメント

  • 野良犬の吠える沼尻花筏

    沼尻とは、地名ですね。と解釈されておりますが、これは、「沼の水の流出口のある所」ではないでしょうか。

    • ありがとうございます。
      なるほどです。沼尻は私も分かりませんで、調べてみると、地名しか出てこなかったんですよね。
      なので地名と決定したのですが、そういう意味があるなら、そちらの解釈が正しいかと思います。
      もしよかったら、出典を教えていただけますでしょうか。
      私も確認してみたいと存じます

  • 正確には「沼尻」という言葉は私の持っている辞書にはありません。デジタル大辞泉(EX-word)には、「湖尻」があり、「湖の水の流出口のある所」とあります。ここから、沼尻の意を類推しました。参考までに、デジタル大辞泉には、「尻」の「下接語」の事例に「沼尻」がありますが、意味は出ておりません。
    宮崎出身の東国原さんが、福島県の地名よりも普通名詞の意味で使ったほうが自然かな、と思った次第です。

    • ありがとうございます。
      確かに、一般名詞で使用できるので、あれば、そちらのほうがよさそうですね。
      大変参考になりました。
      ありがとうございます。

  • 蛇足ですが、句の意味から見ても、「花筏」を構成する「花びら」は下流に引き寄せられるので、「流出口」と解釈したほうがよろしかろうと思います。

  • 愛媛県で発表した句が印象深かった。
    「鰯雲 仰臥の子規の 無重力」
    会場が一瞬どよめいた。

    ミッツさんの作品も”明るく”ない感じがするが、どこか綺麗な景色を感じる。

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