【古代ギリシア歴史と思想30冊】入門書中心の参考文献リスト

古代ギリシアを学ぶための、文献ガイドを思いつくままにあげてみました。

 

総論・概説

 

古代ギリシャの歴史の概観。 各出版社から出ている【世界の歴史シリーズ】の古代ギリシア編でもOK。
 

多岐にわたるギリシア文学のジャンルが、全分野にわたって解説されている。
 

ギリシア人の精神史として、重要な一冊。院生必読レベル。
 

ギリシア神話の入門書として読みやすい。
 

精神史において最も重要な文献の一つ。文字通り「精神」という概念がいかに発生したかを研究した大著。哲学院生必読級。
 

ケネス・ドーバーは古代ギリシアにおける同性愛の研究などで知られた学者。
 

ポールカートリッジは、古代ギリシアの歴史学において画期的な研究を打ち出している学者。
ギリシア史研究であれば必読級。
 

ギリシア文学

 

 

ホメロスの基本書(笑)
 

ホメロスの解説書として1冊あげるならコレ。
読みやすいし、ホメロスはじめ叙事詩がいかにその場のノリで作られたかがわかって面白い。
イーリアスもオデュッセイアも、当時は吟遊詩人が丸暗記していたのだから、「詩人たちの記憶術」的な関心からも楽しめる。
 

ホメロスと並んで古代ギリシア人の教養の厳選であったヘシオドス。
 
廣川洋一『ヘシオドス研究序説―ギリシア思想の生誕』(amazon)
ヘシオドス研究は、ほぼこれ1冊しかない。広川洋一氏は、ギリシア研究のおいしそうなところを1人で全部やっちまった大学者。
 

抒情詩もたくさんあるけど、最初の1冊には。
 

 

ギリシア悲劇もたくさんあるので、文庫・新書をチョイス。
 

ギリシア喜劇はちくま文庫だと絶版。全集でしかほぼ手に入らない。
 

科学・医学

 

 

ギリシア科学については世界の名著の収録作品が優れている。
 

 

ギリシア科学の概説書はロイドのこの2冊で十分。
 

歴史・弁論

 

 

ヘロドトスは、ペルシア戦争のお話を書いた。
 

トゥキュディデスは、ペロポネソス戦争のお話を書いた。
 

 

クセノフォンは、自分の従軍日記を書いた。
 

アンティポンはソフィストとしても知られる(別人説あり)。
 

 

プラトンはライバルをほぼ無視しているが、プラトンが才能を認めざるを得なかった人物、それがイソクラテス。
(ちなみにクセノフォンのことはプラトンは一言も触れていない。)
 

出た広川洋一。こういう研究を「古代ギリシアのおいしいところ」と言います。
 

デモステネスは超大型の政治家。
 

これは弁論集ではありません。アリストテレスがごちゃごちゃ語ったもの。
(関連記事)リストテレス著作と入門書まとめ~政治学から形而上学まで
 

まとめ

ものすごく大雑把にリストを作ってみました。
何かの参考になれば幸いです。

高等遊民のnoteの紹介

 

noteにて、哲学の勉強法を公開しています。

 

現在は1つのノートと1つのマガジン。

 

1.【高等遊民の哲学入門】哲学初心者が挫折なしに大学2年分の知識を身につける5つの手順

2. 【マガジン】プラトン『国家』の要約(全10冊)

 

1は「哲学に興味があって勉強したい。でも、どこから手を付ければいいのかな……」という方のために書きました。

5つの手順は「絶対挫折しようがない入門書」から始めて、書かれている作業をこなしていくだけ。

3か月ほどで誰でも哲学科2年生レベル(ゼミの購読で困らないレベル)の知識が身につきます。

3か月というのは、非常に長く見積もった目安です。1日1時間ほど時間が取れれば、1ヶ月くらいで十分にすべてのステップを終えることができるでしょう。

ちなみに15000文字ほどですが、ほとんどスマホの音声入力で書きました。

かなり難しい哲学の内容でも、音声入力で話して書けます。

音声入力を使いこなしたい方の参考にもなると思います。

 

2はプラトンの主著『国家』の要約です。
原型は10年前に作成した私の個人的なノートですが、今読んでも十分に役に立ちます。
岩波文庫で900ページ近くの浩瀚な『国家』の議論を、10分の1の分量でしっかり追うことができます

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