【映画】累(かさね)の結末ネタバレ。あらすじと感想。面白いかつまらないか評価は?

映画、累がおもしろいと評判です

私も見に行きましたけど土屋太鳳と芳根京子の演技が素晴らしかったですね

簡単に言うとお芝居の話をしている映画なんです

  • 美人だけど演技力がない女性(土屋太鳳)
  • 演技力抜群だけど顔にすごい傷がある女性(芳根京子)

 

この2人が顔を入れ替えてお互いを利用しよう、というお話

 

でてくるお芝居の作品はチェーホフのカモメとオスカーワイルドのサロメです。

これを土屋太鳳と芳根京子が演技する。

お見事でしたわ

 

ということで、あらすじ、感想、結末などなど、ご紹介しますね

原作まんがとの違いも見てみましょう

最後に、高等遊民がオスカーワイルド「サロメ」について簡単に解説します。

 

【映画】累(かさね)の結末ネタバレ。あらすじと感想。原作まんがとの違い。面白いかつまらないか評価は?

こちらは映画の予告動画です

【映画】累(かさね)のあらすじと結末ネタバレ。ラストのその後まで。

累の登場人物はこちらです

映画。累(かさね)の登場人物は?相関図からキャストを一覧まとめ

 

映画。累(かさね)のあらすじ。累とニナ

まずはあらすじ。こんなお話です

2人の女の子(累とニナ)が累の亡き母から貰った口紅を使って顔を入れ替えることで嫉妬の渦に巻き込まれていくというストーリー。

累がニナの代わりにに受けたオーディションに合格したため、その後もニナの女優業を累に顔を入れ替えてやってもらっていたのだか、累はニナの演技ができる環境に、ニナは累の才能に、お互いに嫉妬の感情が大きくなっていき争いに発展していくことになる。

ニナが累の過去を調べていくと、累の母は大女優であったことや、さらに累と同じように他人と顔を入れ替えて女優業をしていたという真実にたどり着いた。累はニナとして、女優として過ごしていくうちに、少しずつ自信がついてきたようだった。

そしてニナは自分も顔を乗っ取られて一生を過ごすことになるのではないかという恐怖を覚えるようになる。ニナは本当の自分を取り戻そうと、累はニナの顔を奪い続けようともがくのだが、その戦いはだんだんとエスカレートしていった。

 

口紅。キスして顔が入れ替わる【映画】累(かさね)のあらすじ

主人公の累は、「塗ってキスをすると、キスした相手と顔が入れ替わる事ができる口紅」を持っています。これは、伝説の女優である母親から譲り受けたものでした。後でわかったことですが、累の母親もこの口紅を使って顔を入れ替えていたのでした。

累はこの口紅を塗って、舞台女優である美しい顔を持ったニナと入れ替わります。

ニナは、舞台女優ですが、演技がそれほどうまくありません。比較的に、累は伝説の女優の血を引いているだけあって、見るものを感動させる演技をします。もともと、累は顔の大きなキズのせいで自分にものすごく劣等感をもっていたのですが、ニナの美しい顔を頻繁に借り、舞台に立ち続けることにより性格も明るくなり、恋人もでき毎日楽しく生活するようになりました。

物語が中盤になり、ニナが発作を起こすと数ヶ月は目を覚まさない持病があることが発覚します。しかし、累はニナの持病を利用し勝手に顔を借りるようになりました。

口紅の効果は12時間です。顔を入れ替えてから12時間立つともとに戻ります。なので、毎回12時間立つ前に、もう一度キスをして時間をリセットしていました。

ところが、ニナは眠ったままのフリをして、累の最大の舞台の本番の日に口紅をすり替えます。いつものように累は12時間の延長のためにニナにキスをして舞台に立ちました。

原作まんが累(かさね)のあらすじ。映画との違いと共通点の比較

続いてはまんが累のあらすじも見ておきましょう

映画版と漫画原作との違いや共通点は何でしょうか

また、映画には出てこない漫画にだけ出てくる重要な登場人物もいます

 

原作まんが累(かさね)のあらすじ。

累という醜い顔で産まれて来た女の主人公、母は美人の大女優。累はその顔のゆえ子供の頃は学校でイジメられたりしていました。なぜこんなに醜い顔なのだろうと泣いていると、母から口紅をもらう。
その口紅をつけて、美人な同級生とキスをすると、なんと顔が入れ替わるのです。それが原因もあり、屋上で絡み合っているところで、友達が落ちて死んでしまいます。
入れ替わった相手が死ぬと顔が醜い時に戻ってしまいます。大人になっま醜い顔の累は顔は醜いが舞台の演技の才能はとてもありました。
そこにニナという舞台女優が出てきますが、彼女の容姿は美人ですが、舞台の才能はありません。
累とニナはお互いの欲するものを手に入れるために口紅を使い顔を交換します。すると、ニナの顔で舞台に出た累はどんどん才能が評価され大人気となります。

 

原作まんが累(かさね)の結末ネタバレ。

ニナは沢山寝てしまう睡眠障害の為勝手に顔を入れ替えて、男を取られたりもしてしまいます。
そして累がニナの顔で人気になる中、ふととんでもない事をしていたことに気づきます。ニナが自分に戻った時、累の様な演技は出来ないと痛感してしまったのです。

そして自殺未遂。植物状態で累に顔交換だけ使われてしまう。累の妹は累ねの母に似て美人ですが父親に監禁されてそこから出て体を売って生活しながら、客に累を突き止めさせニナの顔の累と仲良くなります。しかし本物のニナの事を知りニナに殺して欲しいとたのまれ殺して、累に復讐を考えます。

しかしマネージャーにバレ監禁されます。そして顔を入れ替えさせられます。そこから父親が、顔交換をした母親2人と子供を使った事を知りそれが累と野菊〔妹〕とわかり、口紅の永久交換ができることやどっちがその時どっちの母親だったのかなどがわかり、累の心がゆらぎ、最後は自分の醜い顔で演技をすると決め、無事終わるが、ニナの母親に殺されると同時に口紅の永久交換をされ、犯罪者となってつかまるというお話です。

 

累の妹が原作漫画には登場しますね。映画版には妹は登場しません。

累(かさね)映画版のラストや結末。ネタバレ。その後

 

累(かさね)映画版のラストや結末。

観客の目の前で累の化けの皮が剥がれるシーンを楽しみにニナが舞台を観賞していたのですが、なんと累の顔は戻りませんでした。

実は、累はニナが目を覚まして口紅を取り替えたことに気づいており、部屋の時計を5分遅らせていたのです。

この5分は、舞台でちょうど人の入れ替えのシーンで累はソデにはけている時間です。

なぜわざわざ累はそんなことをしたのかというと、ニナの絶望する顔が観たかったからだというのです。

そして、舞台がある屋上でニナと累は喧嘩を始めます。累は舞台の続きをするために、キスをしようとしますが、ニナは拒否し、自分の顔を傷つけようとしました。二人はもみ合いになり、屋上から転落します。

怪我をして動けないニナに累はキスをして顔を入れ替えます。

ニナは救急車で運ばれましたが、累は無事に舞台をやり遂げたシーンで物語は終了します。

 

【映画】累(かさね)のネタバレ。その後

最後は累がニナの顔を乗っ取ったまま、大きな舞台で大役を務めて成功を収めて観客から盛大な拍手をもらうという場面で映画は終わった。

そして、その後2人がどうなっていったのか、顔を入れ替えたまま生きていったのかなどは描かれていなかった。

 

その後は漫画の原作を読むことでわかりますね

といっても累の妹などの重要な登場人物が違うので原作と映画では少しやはり違いがあります

その辺の違いや共通点を楽しんだら、映画も原作漫画もいっそう面白くなりますね

 

【映画】累(かさね)の感想。面白いかつまらないか評価は?

続いては累(かさね)の感想です。

面白かったかつまらなかったか率直な評価を、みんなで共有しましょう

 

累(かさね)映画版の感想と評価。面白いかつまらないか。

累の劣等感がお芝居にとてもよく現れていて良かったと思います。舞台の場面では、本当に劇場に観に行っている感覚になるくらい完成度の高い映像でした。最後は2人がどうなったのかを完璧に描かずに余韻を残すような終わり方も良かったと思います。

なので今、2人がその後どうなっていったのかとても気になっています。顔を入れ替えて生活するということで主演の2人は2役したということになりますが、演技がとても自然で違和感がまったくなかったので、物語が非現実的でありながら、スムーズに世界観に入ることができました。

主人公の2人の感情にどちらも共感できたので、正直どちらが悪いとか言えないような気がしました。2人の悩みや手に入れたいものが痛いほどわかりました。なんでうまくいかないものなんだろうかと歯がゆさまで感じられました。

このように観た後に、いろいろ考えさせられる映画だったと思います。でも、観た人にいろいろ考えさせる映画が素晴らしい映画だと言えると私は感じました。

この映画を観て、自分についても見つめなおしてみようと思いました。本当の自分と向き合ってみたほうがいいのではと思わせてくれるような映画だったと思います。多くの人に観てほしい作品です。

 

劣等感がテーマで面白い。累(かさね)映画版の感想

「キスで顔が入れ替わる」という設定を観たときから、これは主人公がライバルの顔を乗っ取る話なんだなとまず思いました。しかし、「顔の入れ替わりは12時間まで」という設定が出てきたので、そう簡単には乗っ取ることは不可能だなと思い、どうなっていくのか引き込まれます。

最初はwin-winの関係でお互いに顔の入れ替えをしていたのですが、次第にニナは顔を入れ替えて累が注目されていることに嫌気が差します。ニナの演技力は累には全くかなわず、好きな人にもニナの顔ではなく、累の内面に惹かれていると知ったときニナは自暴自棄になります。

もともと性格の悪い女として登場したニナです。累の醜い顔を始めてみたとき、圧倒的な優越感に浸っていました。しかし、舞台女優として演技力に圧倒的な差があることにつき、逆にニナが累に嫉妬し始めます。

累のほうはというと、反対に性格も明るくなり、どんどん自己実現を叶えていくのです。

しかし、ニナも負けていません。累に復讐心をもち、出し抜く作戦を実行しました。ですが、累が上手で、更にニナをどん底に追いやるのです。

この、累の執念はとても魅力的に思えますし、恐怖を覚えます。累は醜い顔をしているから、心は優しいのかと思いきや、そうでもないのかもしれません。

そんな複雑な2人の女同士の心理描写、バトル、そして、どうやって累はニナの顔を永遠に乗っ取るのかがとても気になり続けて引き込まれる映画です。

結局登場人物みんな醜い心を持っていると感じます。顔の美しい醜いに関係はないのかもしれません。

主人公累の「劣等感」がこの作品のテーマなのではないのかと思いました。劣等感から開放されたときに発揮された累の執念には目を見張るものがあります。

 

原作まんがの累(かさね)の感想。面白いの?

最初は累は才能があるのに醜い容姿のせいで、周りから評価してもらえなかったり自信を持てなかったりする様子を見て可愛そうだと思いました。

綺麗な容姿のニナと入れ替わるときは良かったと思いましたが、入れ替わったニナにも才能がなくて困っていたり睡眠障害があったり、最後は自殺未遂してしまったりと可愛そうだなとおもいました。でも綺麗な容姿なら他にも得すること沢山あったと思うので、わざわざ醜くなるよりはいいんじゃないかと思います。

累が綺麗な容姿が欲しいと思うのはきっとイジメなどで辛い思いをしてきたのでしょうがないと思うので、そこにたまたま演技下手で顔交換したいなどという好条件があったので乗ってしまうと思います。

妹は綺麗なのに実父に監禁されてしまい復讐と体を売ることしかできなくて勿体ないと感じました。

読むにつれ、累がどんどん自信を持ち人間的に強くなっていく姿には凄いです。顔が醜くても、才能は開花できることを最後は見せられたと思います。

顔って大切だなとも思いましたが、その人の持っている強さも大事です。ただ口紅の永久交換まで出来るのは怖いので、序盤に皆んなが気づかなくて良かったです。累口紅を使わず演技はかなり怖かったと思いますが、母の愛はすごいと思いました。

以上、【映画】累(かさね)の結末ネタバレ。あらすじと感想。原作まんがとの違い。面白いかつまらないか評価でした

 

累とサロメ。オスカーワイルドのサロメのあらすじとは。

ここからは高等遊民の余談です

オスカーワイルドのサロメと言う演劇は非常に面白いんですよ

まず特徴として、本当にセリフが簡単な言葉使いしかしてない

もともとはフランス語の戯曲なんですけど英語版の翻訳が結構簡単に読めます

そうすると本当に中学生でもわかるような単純な文法と言葉使いしかしてないです

しかも非常にセリフとして繰り返しが多いです

ここでサロメ紹介したことがあります↓

洋書おすすめ小説は?面白い本格古典で絶対挫折しない1冊

 

サロメはどんなお芝居なのか

だから全く同じ台詞を何度も何度も言うことになる

これは演劇に実際にしたら絶対同じ口調をではないんですよね

つまり状況や場面が進むにつれて同じセリフがあしらう意味とか違う表現を持ってくる

そんな演技をしなければいけない

かなり奥深い作品なんですね

 

サロメのヨカナーンとは誰か

ヨカナーンと土屋太鳳が連発してます

これ全然知らない人はサロメのヨカナーンって誰やねんっていう感じでしょう

 

元々サロメの話っていうのは新約聖書にのっとった話なんです

ヨカナーンとは、バプテスマのヨハネなんですね

イエスキリストが現れる以前の聖者です

ヨカナーンはこれから来る方に比べれば私など足元にも及ばないみたいな話をするんですね

 

ヨカナーンは宗教的に清廉潔白なので体も当然童貞です

今で言う処女信仰が童貞に対してもあったんです

清らかである、そんな信仰やイメージがあったんですよ

 

さらに貧しい暮らしで服もいい加減

いい感じに若いヨカナーンの肉体があらわになってるわけです

そういうヨカナーンの肉体の美しさや、持っている雰囲気の清らかさ

それがサロメをして一目惚れをさせてしまったんですね

 

サロメとヨカナーン。サロメ

でもヨカナーンはサロメのことを薄汚い女だと思っているので近づくなと言います

なぜかと言うとヨカナーンはサロメに近づかれたら自分が汚れてしまうと思うからですね

逆に言えば、それだけサロメは圧倒的な魅力のある女なんですね

 

ヨカナーンはサロメの父親のピラトによって井戸の中に閉じ込められているんですけど

サロメはヨカナーンに触りたくてキスしたい

ヨカナーンに色々とアクションをかけるんですけど、ヨカナーンは全く取り合ってくれないんです

 

サロメの踊りと土屋太鳳の踊り

そこでサロメは何でも願いを聞いてやるというピラトの前で自分の踊りを披露する

そしてヨカナーンの首をちょうだいというのです

 

ここ、累でも土屋太鳳ちゃんがしっかり踊ってましたね

 

ヨカナーンの首にキスをするサロメ

ピラトはヨカナーンを聖者だと思っていて「こいつを下手に傷つけると災いが起こる」と考えています

なのでそんなヨカナーンの首を取るなんて、そんな願いだけはやめてくれと言うんですけど

サロメは絶対にヨカナーンの首をもらうことに固執します

そういうわけでサロメがヨカナーンの首を手にするんですよね

 

あとは、土屋太鳳ちゃんのあの素晴らしい演技を見れば、OKですね

 

累はお芝居好き、文学好きにも超おすすめですよ!

高等遊民のnoteの紹介

 

noteにて、哲学の勉強法を公開しています。

 

現在は1つのノートと1つのマガジン。

 

1.【高等遊民の哲学入門】哲学初心者が挫折なしに大学2年分の知識を身につける5つの手順

2. 【マガジン】プラトン『国家』の要約(全10冊)

 

1は「哲学に興味があって勉強したい。でも、どこから手を付ければいいのかな……」という方のために書きました。

5つの手順は「絶対挫折しようがない入門書」から始めて、書かれている作業をこなしていくだけ。

3か月ほどで誰でも哲学科2年生レベル(ゼミの購読で困らないレベル)の知識が身につきます。

3か月というのは、非常に長く見積もった目安です。1日1時間ほど時間が取れれば、1ヶ月くらいで十分にすべてのステップを終えることができるでしょう。

ちなみに15000文字ほどですが、ほとんどスマホの音声入力で書きました。

かなり難しい哲学の内容でも、音声入力で話して書けます。

音声入力を使いこなしたい方の参考にもなると思います。

 

2はプラトンの主著『国家』の要約です。
原型は10年前に作成した私の個人的なノートですが、今読んでも十分に役に立ちます。
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