勉強用に、マルクスの著作から重要な言葉を集めてみました。
マルクスは、とにかく「労働者は資本家に、お金も肉体も心も搾取されている」と考えました。
マルクスは正義感から、その搾取の構造を理論化し、暴いてみせようとしたのです。
難しい話は、読み飛ばしてもOK。
あなたの心に刺さる一節を見つけてください。
共産党宣言の要約と名言
世界市場は、商業に、航海に、陸上交通にはかりしれない発展をもたらし、その発展がまた、工業の拡大に反作用した。
そして、工業、商業、航海、鉄道の拡大に比例して、ブルジョアジーは発展し、その資本をふやし、中世からうけつがれたすべての階級を背後におしやった。 『共産党宣言』
ブルジョアジーの没落とプロレタリアートの勝利とは、ともに避けられない。 『共産党宣言』
ブルジョアジーは、……封建的な、家父長制的な、牧歌的な関係を、のこらず破壊した。
人間をそのうまれながらの目上とむすびつけていた色とりどりの封建的なきずなを無慈悲にひきちぎり、人と人のあいだに、ろこつな利害、無情な『金勘定』のほかには、なんのきずなをものこさなかった。
……個人の品位を交換価値に解消し、特許状でゆるされ、りっぱにかちえられたかずかずの特権を、ただ一つの非情な商業の自由ととりかえてしまった。 『共産党宣言』
– 小工業者や、
– 小商人や、
– 小金利生活者や、
– 手工業者や、
– 農民や、
これらすべての階級は、なかばは彼らの小資本が大工業の経営に十分でなく、より大きな資本家との競争にまけてしまう。
そのために、なかばは彼らの熟練が新しい生産様式によって価値をうばわれるために、プロレタリアートに転落する。
こうしてプロレタリアートは、人口中のあらゆる階級から補充される。 『共産党宣言』
(↑「中産階級」はいとも簡単にプロレタリア階級に転落することをマルクスは指摘する)
彼らは、現存の社会はそのままにして、ただそれから、それを変革し、解体させる諸要素をひきさりたいのだ。
ブルジョアジーは、自分たちの支配している世界を、いうまでもなく最良の世界だと思っている……だから彼らは、すべての政治行動、とくにすべての革命的行動を非難する。
彼らは平和的な方法でその目的をたっしようとのぞみ、そして、小さな、もちろん失敗するに決まっている実験によって、実例の力で、新しい社会的福音のために道をひらこうとつとめる。 『共産党宣言』
生産用具にすぎない婦人の地位を廃止することこそわれわれの目的であるということなどは、彼らには思いもよらないのである。
ブルジョアどもは、公認の売淫制度のことはさておいても、彼らのプロレタリアの妻や娘を自由にできるだけではまだ満足せず、自分たちの妻をたがいに誘惑しあうことを無上の楽しみとしている。 『共産党宣言』
だから、共産主義者を責めるにしても、せいぜい、共産主義者は、偽善的な、かくれた婦人共有のかわりに、公認の、おおっぴらな婦人共有をやろうとしている、といって非難するのが関の山であったはずだ。
いずれにせよ、今日の生産関係の廃止とともに、この関係からうまれる婦人共有、すなわち公私の売淫もまた、なくなることは、おのずからあきらかである。 『共産党宣言』
彼らは、医者や法律家や僧侶や詩人や学者を、自分たちのおやといの賃金労働者にかえてしまった。ブルジョアジーは、家族関係からその感動的なヴェールをはぎとって、ただの金銭関係に還元した。 『共産党宣言』
いかにも、われわれはそれをのぞんでいる。 『共産党宣言』
けっしてつくりださない。それは資本をつくりだすのだ。
すなわち、賃労働を搾取する財産、新しい賃労働をうみだし、あらたにこれを搾取するという条件でのみはじめて増殖しうる財産を、つくりだすのだ。 『共産党宣言』
彼らの商品の安い価格は、中国の城壁をもことごとくうちくずし、未開人のガンコきわまる外国人ぎらいをも降伏させる重砲である。
ブルジョアジーはすべての民族に、滅亡したくなければブルジョアジーの生産様式を採用するように強制する。
ブルジョアジーは、農村を都市の支配下に屈従させた。
彼らは、巨大な都市をつくりだし、都市人口の数を農村人口くらべていちじるしく増加させた。
ブルジョアジーは、農村を都市に従属させたように、未開国と半開国とを文明国に、農業国民をブルジョア国民に、東洋を西洋に従属させた。 『共産党宣言』
この数十年来、工業と商業との歴史は、もはや、ブルジョアジーとその支配の生存条件である近代的生産関係、所有関係にたいする、近代的生産力の反逆の歴史でしかない。
これには、週期的(周期的)にくりかえされるごとに、ますますはなはだしく、全ブルジョア社会の存立をおびやかす商業恐慌をあげれば、十分である。 『共産党宣言』
そのため、プロレタリアートの内部の利害も生活状態も、ますます均等になってくる。
個々の労働者と個々のブルジョアとの衝突は、ますます二つの階級の衝突の性質をおびてくる。
労働者はブルジョアに対抗する結合をつくりはじめる。
彼らは、その賃金を維持するために同盟する。
彼らは、このようなときおりの反抗にそなえるために、永続的な結社さえもつくる。
ところどころで闘争は暴動となって爆発する。
労働者はときどき勝利を得るが、それはほんの一時にすぎない。
彼らの闘争の真の成果は、直接の結果にはなく、労働者の団結がますます拡大することである。 『共産党宣言』
だが、それはいつも、いっそう強力な、いっそう強固な、いっそう有力なものとなって復活する。
それは、ブルジョアジーのあいだの分裂を利用することによって、法律の形で労働者の個々の利益の承認をかちとる。たとえば、イギリスの十時間労働法がそれである。 『共産党宣言』
もしそうなら、ブルジョア社会はとっくに怠惰のために滅亡しているはずである。
なぜなら、ブルジョア社会でははたらく者はもうけず、もうける者は、はたらかないからである。 『共産党宣言』
法律、道徳、宗教は、プロレタリアにとっては、そのいずれも、背後にブルジョアの利益をかくしもったブルジョア的偏見である。 『共産党宣言』
理論的には、プロレタリア運動の条件、進路、一般的結果を理解する点で、プロレタリアートの他の大衆にまさっている。 『共産党宣言』
だから、これらの体系の創始者たちが多くの点で革命的であったのに、その弟子たちはいつも反動的な宗派をつくっている。
彼らは、プロレタリアートの歴史的発展をまえにしながら、その師匠たちの古い見解をかたくまもっている。
したがって、彼らは一貫して、階級闘争をふたたび鈍らせようとし、対立を調停しようとする。 『共産党宣言』
だが、いたるところで同じ性質をもつ多くの地方的闘争を、一つの全国的闘争に、すなわち階級闘争に結集するには、ただこのような連絡さえあればたりるのである。
中世の市民が数世紀を要したこの団結を、鉄道をもつ近代プロレタリアは数年にして達成する。 『共産党宣言』
彼らがもたないものを、それからとりあげることはできない。
プロレタリアートは、まずもって政治支配をかちとって、民族的階級にみずからをたかめ、自分自身を民族として組織しなければならないという点では、ブルジョアジーの意味とはまったくちがうとはいえ、プロレタリアート自身やはり民族的である。 『共産党宣言』
資本論の要約と名言
……この価値生産は、単なる再生産として現われる。
かくして、この再生産が行なわれる労働日の部分を、私は必要労働時間と名づけ、この時間中に支出される労働を必要労働と名づける。
…労働者が必要労働の限界をこえて労苦する労働過程の第二の期間は……彼のためには、何らの価値をも形成しない。
それは、無からの全魅力をもって、資本家に笑みかける剰余価値を形成する。
労働日のこの部分を、私は剰余労働時間と名づけ、そしてこの時間内に支出された労働を、剰余労働(surplus labour)と名づける。
……この剰余労働が……労働者から搾り上げられる形態こそ、種々の経済的社会形式を、たとえば奴隷制の社会を、賃金労働の社会から、区別するのである。 『資本論』
貨幣財産、商人資本および高利貸し資本として。
だが、貨幣を資本の最初の現象形態として認識するためには、資本の成立史を顧みる必要はない。
同じ歴史が、毎日われわれの眼の前で行なわれている。
すべての新資本が、最初に舞台を……踏むのは、なおいつでも貨幣としてである。
この貨幣が、一定の過程をつうじて資本に転化されることになるのである。 『資本論』
金の第一の機能は、商品世界にたいして、その価値表現の材料を供し、または商品価値を同分母をもつ大きさ、すなわち質的に等一で、量的に比較のできる大きさとして、表示することにある。
『資本論』 価値尺度として機能し、したがってみずから、あるいは代理を通じて、流通手段として機能する商品は、貨幣である。
したがって、金(ばあいによっては銀)は貨幣である。 『資本論』
労働の量自身は、その継続時間によって測られる。
……もしある商品の価値が、その生産の間に支出された労働量によって規定されるならば、ある男が怠惰であり、または不熟練であるほど、その商品は価値が高いということになりそうである。
というのは、その商品の製造に、この男はそれだけより多くの時間を必要とするからである。
……同一の大きさの労働量を含む商品、または同一労働時間に製作されうる商品は、したがって、同一の価値の大きさをもっている。 『資本論』
彼は、労働力を、引っくるめて一度に売るならば、自分自身を売るのであって、一個の自由人から奴隷に、一個の商品所有者から商品に転化する。 『資本論』
しかし、その労働時間が、正午かまたはそれ以後に始まった児童の六時間半の労働については、少しも規制していなかった!
彼らを、晩の八時半まで中断することなく、工場に留め置くことができた! 『資本論』
イングランド銀行は、その貨幣を八%の利率で、政府に貸し付けることからはじめた。
同時にそれは、貨幣をさらに銀行券の形態で公衆に貸し付けるという仕方で、その同じ資本から貨幣を鋳造する権限を議会によって与えられた。
イギリスでは、魔法使いの女を火刑にすることが廃止されたのと同じ時に、銀行券偽造者を絞首刑にすることが始まった。 『資本論』
フランスでこれに対応するものは、ジャン王の名で発布された、1350年の勅令である。
イギリスの立法とフランスの立法とは並行して進み、内容も同一である。
労働者の団結は、一四世紀から団結禁止法の廃止の年である1825年までは、重罪として取扱われる。 『資本論』
国家に貸し付けられた金額が、一般にもはや存在しないというだけではない。
そもそもそれは決して、資本として支出され、投下されるように定められているのではなかった。
そしてそれは、ただ資本としての投下によってのみ、自己を保存する価値に転化されえたであろう。 『資本論』
男ならば二シリング六ペンスを受け取るのに違いない場合に、従業する少女は、一日に一シリングから一シリング六ペンスを受け取っている。 『資本論』
経済学批判の要約と名言
人間の意志が彼らの存在を規定するのではなく、逆に彼らの社会的存在が彼らの意識を規定する。
人間はつねに、自分が解決しうる課題だけを自分に提起する。
なぜならば、詳しく考察してみると、課題そのものは、その解決の物質的条件がすでに存在しているか、またはすくなくとも生まれつつある場合にだけ発生することが、つねに見られるであろうからだ。 『経済学批判』
一八四二年から一八四三年にかけて、「ライン新聞」の編集者として、はじめて私は、いわゆる物質的利害関係に口だしせざるをえないという困った破目におちいった。
私に経済問題にたずさわる最初のきっかけをあたえた。 『経済学批判』
経済学・哲学草稿の要約と名言
↑片思いはむくわれない、という話。
↑働けば働くほど、貧しくなる。
労働していないとき、彼は家庭にいるように安らぎ、労働しているとき、彼はそうした安らぎをもたない。
だから彼の労働は、自発的なものではなく強いられたものであり、強制労働である。 『経済学・哲学草稿』
が、しかし資本家が損をするさいには、必然的に損をする。 『経済学・哲学草稿』
労働者の活動が彼にとって苦しみであるならば、その活動は他の人間にとって享受であり、他の人間のよろこびでなければならない。 『経済学・哲学草稿』
人間(労働者)は、ただわずかに彼の動物的な諸機能、
– 食うこと
– 飲むこと
– 産むこと
さらにせいぜい、住むことや着ることなどにおいてのみ、自発的に行動していると感ずるにすぎない。
そしてその人間的な諸機能においては、ただもう動物としてのみ自分を感ずるということである。
動物的なものが人間的なものとなり、人間的なものが動物的なものとなるのだ。 『経済学・哲学草稿』
『賃銀・価格および利潤』の要約と名言
だから賃銀率の一般的高騰は必需品の需要の増加を、したがってまたその市場価格の騰貴を生ずるであろう。
さて、必需品を生産しない資本家たちの状態はどうであろうか?
彼らは、賃銀の一般的騰貴の結果として生ずる利潤率の低落の代償を、彼らの商品の価格の騰貴によって得ることはできぬであろう。
というわけは、これらの商品に対する需要は増加しないだろうからである。 『賃銀・価格および利潤』
しかし、あらゆる可能な程度でそれより少ないことはありうる。
彼らの賃銀は諸生産物の価値によって制限されるであろう。
しかし彼らの諸生産物の価値は賃銀によっては制限されないであろう。 『賃銀・価格および利潤』
なにゆえに、たとえば毎週五シリングでは低い賃銀であり、また毎週二十シリングでは高い賃銀なのか?
需要供給によって決定されると考えるならば、それはまったく諸君の誤りであろう。
諸商品の相対的価値(賃銀)は、それらに費やされた・実現された・固定された・労働のそれぞれの分量によって決定される。 『賃銀・価格および利潤』
だからわれわれはつぎのような結論に到達する。
商品が価値をもつのは、それが社会的労働の結晶だからである。
諸商品の相対的価値は、それらに費やされた.実現された・固定された・労働のそれぞれの分量によって決定される。
同一の労働時間内に生産されうる諸商品の相関的諸分量は相等しい。 『賃銀・価格および利潤』
賃銀制度の基礎のうえで平等な報酬または公正な報酬をさえ要求することは、奴隷制度の基礎のうえで自由を要求するのとおなじことである。 『賃銀・価格および利潤』
だまされないためには、彼は、市場価格のかかる下落に際しても、どんな割く口で賃銀の下落が必然的となったかについて、資本家と争わなければならない。
もし彼が、特別利潤のあげられる繁栄の段階において賃銀の値上げのために戦っていなかったならば、彼は、一つの産業循環を平均してみれば、彼の平均賃銀、または彼の労働の価値を受け取ることさえもないであろう。 『賃銀・価格および利潤』
……労働者が二シリングしか受け取らぬとすれば、……資本家は四シリングを得るであろう。そして利潤率は200%であろう。 『賃銀・価格および利潤』
そのことは、他の商品の売り手が誰でも、自分の商品の生産費が増加した際その増加した価値を支払ってもらおうとするのと同じである。
賃銀が騰貴しないか、または、必需品の価値の増加を償うに足るだけ騰貴しないならば、労働の価格は労働の価値以下に下落するであろう。
そして労働者の生活水準は低下するであろう。 『賃銀・価格および利潤』
勝手にできる自由な時間のない人間、睡眠・食事などによる単なる生理的な中断は別として全生涯を資本家のための労働によって奪われる人間は、牛馬より憐れなものである。
彼は、からだをころされ、心をけだもの化された、他人の富を生産するための単なる機械である。 『賃銀・価格および利潤』
その他の作品
そして、かれらの人格性を貫徹するためには、国家をうちたおさねばならない。
『新版ドイツ・イデオロギー』
すなわちそれは、個人の人格的であるかぎりでの生活と、労働のなんらかの部門およびそれに属する諸条件に服属せしめられているかぎりでの生活との区別である。
(このことを、たとえば金利生活者、資本家等々は人格であることをやめたのだという意味に理解してはならない。
かえってかれらの人格のあり方が、まったく特定の階級諸関係によって制約され、決定されているという意味に理解しなければならない) 『新版ドイツ・イデオロギー』
重荷は万人のための犠牲にすぎないからである。そのときわれわれが享受するのは、貧しく狭い、利己的な喜びではなく、われわれの幸福は幾百万人のものであり、われわれの行為は静かに、しかし、永遠に生きつづけ、われわれの遺灰は高潔なる人びとの熱い涙でぬれるであろう。
↑マルクス17歳のときの卒業試験での文章。「職業選択に際しての一青年の考察」