- 若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』
- 石井遊佳『百年泥』
2018年、2人の芥川賞受賞者は、同じ小説講座に通っていた――
と話題になりました。
そのカルチャー教室の講師を務めていたのが、元編集者である根本昌夫さん。
- 一体なにものなの?
- 小説教室って何教えてるの? どんな感じ?
そんな風に思いますよね。
すると先日の東京新聞に、根本昌夫さんのインタビューおよび小説教室が1面に掲載されました。
これをもとに、根本昌夫氏のプロフィールや小説教室の雰囲気についてご紹介します。
以下の引用は、特に断りのない限り、東京新聞より引用させて頂きます。
わたしは紙版を購読しているので、しっかり引用いたしますが、問題があれば削除しますのでご連絡をお願いいたします。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201801/CK2018012802000136.html
下記クリックで好きな項目に移動
根本昌夫氏の編集者としての経歴は?
福武書店の編集として勤めていたそうです。
若手時代の吉本ばなな氏・島田雅彦氏を担当したとのこと。
すごいですね。
いまや2人とも超一流の大作家です。
島田雅彦さんなんか、今の芥川賞の審査員ですからね。
しかも、島田雅彦氏はデビュー作から6回連続で芥川賞の最終候補まで行って受賞を逃していると言う、最多連続落選記録をお持ちです(マジ)
デビューからわずか四年で、芥川賞に六回ノミネートされ、六回落選した現・芥川賞選考委員島田雅彦の華麗なる落選の軌跡にして初期傑作集。
大学在学中に発表された鮮烈なデビュー作「優しいサヨクのための嬉遊曲」のほか、「亡命旅行者は叫び呟く」「夢遊王国のための音楽」を収録。作家生活三十周年記念企画。
私は高校生のころに、島田雅彦氏の小説を読んで、文学の世界に目覚めました。(かなり変わり種です)
なので、なんだか根本昌夫氏が島田雅彦氏の担当だったと聞いて、すごいなあと思っております。
これまでも数多くの教え子が新人賞を受賞してきたが、芥川賞は初めて。「編集者時代、担当の作家が十回連続で落選し、芥川賞には恨みしかなかった。それがまさかダブル受賞とは」と喜びをあらわにする。
東京新聞インタビューより
これが6回は島田雅彦氏ですね。あと4回は誰だろう。。。
若竹千佐子さん・石井遊佳さんの小説教室の詳細
文芸誌「海燕(かいえん)」元編集者で、小説評論家の根本昌夫さんです。
しかも今回の芥川賞、受賞者が2人。
若竹さんとほかに、インド在住の石井遊佳さん(54歳)の『百年泥』という作品。
なんと、お二方とも根本昌夫さんの小説の書き方講座に通っていたとのこと。。。
こんな偶然あるんですか?
根本さんの指金ではないかと疑いそうになるほどです笑
驚きですね。
「根本昌夫 小説の実践サロン」というFacebookページがあります。
【1/16、芥川賞発表です】
このたびの芥川賞候補に、根本教室出身者から2名、ノミネートされました。
発表の1/16夜、下北沢のB&Bという書店で、受賞会見の中継を見守るイベントが行われます。登壇者は「文学賞メッタ斬り」コンビの豊崎さんと大森さんです。
見物してくる予定なのですが、どなたか見守りたい方いらっしゃいましたら、ご一緒しませんか?
(当日券はわかりませんが、まだ前売り残っているようです)
個人的には「おらおらでひとりいぐも」への期待でいっぱいです。
講座は2ヶ月に1回ほどのペースでやっているようです。
もう、これからはすぐ満席になることが予想されますね。
根本昌夫氏の小説スクールで教えている内容とは?
いわゆる小説の書き方というような講義はほとんどしないそうです。
受講者は自分でそれぞれ書いてきた作品を持ち寄ってお互いに読みあう。
そして根本先生を交えて生徒同士で、感想や批評を述べることに大部分の時間を使うそうです。
「構成がわかりやすかった」
「この文章表現は素晴らしかった」
「世界観がちょっと私の感覚とはずれていて楽しめなかった」
などなど、忌憚のない意見をぶつけ合うそうです。
「読むことと書くことは同じ」
とのこと。
受講料は全6回、3か月で22680円だそうです。
根本昌夫氏による芥川賞受賞作への感想は?
東京新聞のインタビューは、もちろん芥川賞へのコメントも取材しています。
まずは若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』について。
受賞作「おらおらでひとりいぐも」は、夫に先立たれた74歳の女性が孤独と自由の新境地へと至る姿を、東北弁を交えて描いた。出版社への投稿前に目を通した根本さんは、ラストシーンを直すよう助言したという。「結果的に、普通の作家が一生に一度しか書けないような傑作になった」
普通の作家が一生に1度しか書けないような傑作。
この言い方が、また含みがありますね。
「デビュー作には、その作家のすべてがあらわれている」と言われます。
そういう意味では、誰しも、デビュー作での小説への粗削りな思いは、二度と出ないでしょう。
- 若竹さんがふつうの作家だとすれば、もうこれ以上の作品は二度と出ない。
- 若竹さんがこれからも作品を書き続けることができれば、きっとすごい作家になる。
そんな意味に受け取れました。
ちなみに『おらおらでひとりいぐも』はわたしも紹介しました。
読書感想!芥川賞の若竹千佐子おらおらでひとりいぐものテーマとは
続いて石井遊佳『百年泥』について。
石井さんも2009年から約4年間、新宿での小説講座を受講。一五年にインドに渡った後も、根本さんにメールで作品を送っていた。受賞作「百年泥(ひゃくねんどろ)」はインドを舞台に、現実と幻想を織り交ぜた作品。「これまで三十作くらい読んだが、どれもレベルが高かった。これから立派にやっていけるだろう」と太鼓判を押す。
30作!!!
30作品ももうすでに書いているんですね。すごすぎです。
これから立派にやっていけるだろう。
もう、断言されていますね。これからが楽しみです。
若竹さんは、今回が初めての作品です。
一方石井さんは、これまでに30作品書いています。
きっと、根本さんのコメントの違いは、この「今までの経験値・生産量」なのですね。
石井さんはもうすでにこれまでにたくさん書いているから、これからもどんどん書いていけるだろう。
若竹さんは、まだ書いてきた絶対量が足りない。だから、これから書けなくなるかもしれない。書けるようになったら、きっと一流になる。
そんなメッセージだと思います。
まとめ 【ブログのすすめ】若者でなくてもプロの作家になれる
最後に根本さんのエールです。
二人に共通するのは「小説に対してすごくまじめだったところ」。
根本さんは「人によって書くタイミングは違う。年齢は関係ない」とエールを送った。
50歳過ぎても60歳過ぎても、芥川賞は受賞できるんですね。
あなたが30歳でも40歳でも、まだまだ若いです。
ぜひ何か書いてみてはいかがでしょうか。
まず初めは、ブログを書いてみるのもおすすめですよ。
わたしはご覧の通り、ブログを書いています。
ブログは自由ですから。文章を書く、良い練習になりますよ。
日記を書いてもいいです。
今まで勉強していたことや仕事について書くのも素晴らしいです。
趣味でもいいです。好きなことを書いていい。
ネタがなくなったら、興味あるものを調べて書きましょう。
たまに遊びで小説っぽいものを書くと楽しいですよ。https://kotoyumin.com/category/ニートの妄想ラブコメ
ブログを書いていれば、文章構成する力も高まります。
読者さんからの感想ももらえます。
アクセスが増えると、嬉しいですよ。
それに書くことに対する抵抗がなくなります。
適当に書いてたら、もう3000文字。原稿用紙7枚半です。
アメブロでもはてなブログでもいいですけど、自分で独自ドメインを持ってブログを作るのがおすすめですよ。
そうすると、ほんの少しのお小遣いにもなります。
文章を書く練習をしながら、月々のお小遣い(1万円とか2万円)が入ってくる。
最高じゃないですか?
1万円あれば、書籍代もかなり助かりますよね。
なんか最後はブログの勧めになってしまいましたが、根本昌夫氏のプロフィール紹介でした。
文章を書くって、知識も身につくし、ふだんの生活も視点が変わって楽しいですよ。
これを読んで、ちょっと心動いた方は、ぜひブログやってみて頂きたいです。