去年読んだ面白い本
古典文学や哲学しか読まない私でしたが、去年からは割となんでも読んでます。
そんななか、大当たりだったのが、↑。
ジャパネットたかたって知らない方はいないと思います。
これ、たぶん、普通に読んでも、単なる成功物語にしか読めません。
でもある視点から読んでみると、泣くほど参考になります。ひいひい声出しながら線引いてました。
ある視点というのは、
- 「高田社長は、どうやって商品を売ったのか?」
- 「真似できるとしたら、どんなところだろうか?」
もう、どんなマーケティングの本より、参考になります。
ジャパネットのおそろしいところは、どんな商品でも新しい顧客を開拓するところ。
基本的にジャパネットたかたの購買層は主婦~シニア世代ですよね。
若者向けだろうが、ビジネスマン向けであろうが、それをシニア世代が欲しくなるように商品の魅力を伝えるということです。
たとえば
ボイスレコーダー
これって、むかし、ビジネスマンは会議の時にだけ使うような商品だったんです。
っていうか今でもそうだと思います。あとはブラック企業対策に、社畜が持つとか(笑)
じいさんばあさんにボイスレコーダーなんてどう考えたって必要ありませんよね。
これをシニア層にどうやって売ったのか?
たったこれだけのことで、売れるんです。
たとえば
「このレコーダーは最新機能で音質がハイレゾで 10時間録音できる超高性能なんですよ」
なんて言っても、絶対売れません。なぜなら「ハイレゾ」という言葉がよく分からないし、必要性が分からないから。
相手の気持ちに立って、本当に相手の生活がこれで変わるよ、
と高田社長自身もそこまで商品を研究してはじめて、自信をもって提案できるとおっしゃっています。
もう1つは、商品の機能や性能なんて二の次ということ。
高田社長は「感動を届ける」という表現をしています。
どこでも買えるテレビを、どうやって売るのか?
なぜジャパネットたかたで買うのか?
ちょっと引用してみましょう。
たぶん、ピンと来ないかもしれません。
どういうことかというと、説明してくださっています↓
この「生活が変わる」っていうのが、商品の魅力を伝えるポイントなんですよね。
性能よりも、想像力に訴えかけるんです。これを手にしたら、生活がどんなふうに変わるのか、ちゃんと伝えられるかどうか、いかに魅力的なイメージを提示できるかどうか。そのためには、製品の徹底的な研究も必要ですよね。
優れた政治家や指導者も、似たような能力を持っているのではないでしょうか。
言葉や身振りで、そうした明るい未来を表現する能力があります。
もういくらでも例があります。
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div style=”border:2px solid #009900;padding:10px;border-radius:10px;margin-bottom:20px;”>「こんなお手紙もいただきました。東北の方の農家のお嫁さんからのお手紙です。お嫁さんはお姑さんとの関係がうまくいかなくて困っていたそうです。無口なお姑さんとどんなふうに接したらいいのかわからない。なかなか心を開いてくれない。共通の話題を見つけるのも難しいと悩んでおられました。
そんな時、私がカラオケマイクを紹介していたのを見て、思い切って買ってみたら、なんとお姑さんはカラオケが大好きだったそうです。一緒にカラオケ歌ったらお姑さんと仲良くなれた。それまでのことが嘘みたいに、嫁姑関係がうまくいくようになりましたというお礼の手紙でした。
カラオケマイクが悩みの多かったお嫁さんの生活を変えてしまったんです。わずか2万9,800円、金利・手数料ジャパネット負担のカラオケは、その価格の価値を大きく超えてその人の人生を変えてしまう。そんなこともあるんですよ。」/div>
そしてわかりやすく伝えるということ
専門用語は便利ですよね。複雑な事でも一言で言い表すことができます。つい、使いたくなります。でも、その言葉の意味を知らない人には何のことだかわかりません。ですから、誰にでも分かる言葉で伝えることが大切です。」
とりあえず以上です。引用が長かったですねー。すみません。
でも、最後まで読んでくださったあなた、超おもしろかったでしょう?
もう「誰かに何かを言葉で伝えたい」と考えている方にとっては、宝の山のような本です。