アイアスあらすじと解説/ソフォクレス作品




 

ギリシア悲劇詩人ソフォクレスの現存悲劇のうち、最も初期の作品と考えられている。

1420行の詩から構成されている。

 

あらすじ

主人公はアイアスというギリシア軍の兵士。

アイアスという人物はトロイアに遠征した兵士の1人で、オデュッセウスやアガメムノンたちに対して、怒りと殺意を覚える。

というのも、英雄アキレウスが残した武器を受け継ぐ第1の勇士としてオデュッセウスが選ばれたことに憤りを感じたのだ。

その結果、アイアスは、オデュッセウスやアガメムノンたちに対して、怒りと殺意を覚え、狂人に成り果てていく。

 

ソフォクレスの悲劇物語はこう始まる。

狂人になったアイアス。彼は家畜の群れをアガメムノンとその弟メネラオスだと思い込んでいる。

そして家畜を屠ることで、アガメムノンとメネラオスを斃したつもりになっている。

 

アイアスが狂人になったのは、女神アテネによるのだが、アイアスはこの所業を通じて、我に返る。

そして狂人となった自らを恥じ、妻テクメサの慰めと懇願にもかかわらず、自刃して果てる。(ここが物語の中盤)

 

アイアスの死によって呼び戻されたアイアスの弟テウクロスは、アイアスを葬ろうとする。

しかしアガメムノンと弟メネラオスは、テウクロスによるアイアスの埋葬を妨害する。

(古代ギリシアでは、死後に埋葬をしないことが、死者にとっての最大の恥辱と見なされていた。)

 

しかしオデュッセウスのとりなしで、結局アイアスは埋葬されることになり、人生の無常を歌う合唱隊の歌で悲劇は終わる。

 

 

評価

アイアスの物語はホメロスの叙事詩にも見られ、古くから伝わる物語の材料である。

 

ソフォクレス『アイアス』は、劇の中盤で主人公のアイアスが自刃する。

そのため、前半と後半とが、全く別の話ではないかと思うほどに統一を欠いている。

 

このため、後半はソフォクレスの書いたものではなく、後年の別人による加筆ではないかという説もあった。