ゲーテの生い立ちと経歴がスゴすぎ!? 知られざる作家の一面とは
ドイツを代表する文豪、ゲーテ。
『若きウェルテルの悩み』や『ファウスト』といった作品は、ヨーロッパのみならず日本でも多くの読者によって読まれ、森鴎外や島崎藤村といった文学者にも少なからず影響を与えました。
とはいえ、いまの人たちにとってゲーテという作家は少し取っつきにくい印象を与えるかもしれませんね。
文豪ときくと、書斎にひきこもってひたすら原稿用紙に向かってうんうん唸っている小説家を思い浮かべるかもしれません。
ところが、ゲーテという作家を調べると、そんな文豪のイメージを払しょくするような経歴がいくつも出てきます。
そこで、今回はゲーテがどんなに凄い人物だったのか!をテーマに、ゲーテの人生と彼の知られざる作家以外の顔をご紹介したいと思います!
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ゲーテの生い立ちは?
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテは、1749年ドイツ中部の都市フランクフルトで生まれました。
ゲーテの父は親の莫大な遺産を引き継ぎ、自身は定職につくことなく、画家のパトロンのような生活を送っていました。
対して、ゲーテの母はもともと法律家の家系で、祖父はフランクフルトの市長をつとめたこともありました。
つまり、ゲーテはかなり裕福な家に生まれたと言っていいでしょう。
そんな彼は幼いころから語学や詩作の非凡な才能を見せました。
子どものころから、
- 英語
- フランス語
- イタリア語
- ラテン語
- ギリシア語
- ヘブライ語
と、なんと6ヵ国語を習得していたそうです!
さらに、詩作の方も幼いころから始めていて、8歳にはすでに祖父母に詩を送っていたという記録も残っています。
うーん、すでにすごいですね!笑
そんなゲーテは1932年に没します。享年なんと82歳。
当時としてはかなりの長生きと言っていいでしょう!
ゲーテの経歴は?
ベストセラー作家ゲーテの経歴・エピソード
ゲーテの代表作といえば、『若きウェルテルの悩み』がまずはじめに挙げられます。
純情多感な青年ウェルテルが、上流社会での人付き合いに悩み故郷へと帰り、友人アルベルトの許婚であるシャルロッテに恋し、恋愛と友情の間の苦悩の果てに自殺する――
ウェルテル自身が書いた一連の手紙というかたちで物語が進められるこの小説は、悩み多き青年の内面がリアルに描かれ、主人公の気持ちが読者の心にストレートに伝わってきます。
この小説は、1774年に出奔されて以来、当時としては異例の大ベストセラーになります。
ウェルテルの服装が若者の間に大流行し、さらに物語結末のウェルテルの自殺に感化された多くの読者が彼の後追いして自害するという「ウェルテル死」(!?)までもが流行りました。
『ウェルテル』はいわば一種の社会現象となり、この作品によってゲーテは作家としての地位を確かなものとしました。
さらにこの作品は何ヵ国語にも翻訳され、ドイツを超えて全ヨーロッパにも大きなセンセーションを巻き起こしました。
なんとあの皇帝ナポレオンは、この作品を愛読しており、7回も読み返したという言葉を残しています。
政治家ゲーテの経歴・エピソード
そんなベストセラー作家ゲーテですが、実は彼は政治家としての顔も持っているのです!
当時、現在の「ドイツ」が位置する土地は一つの国として統一されておらず、いくつかの小国に分かれていました。
そのうちの一国にザクセン=ワイマール公国というのがありました(現在のドイツ中部)
当時売れっ子作家だったゲーテは、ある日その君主カール・アウグスト公と知り合うこととなり、そのまま公国の政治家として招聘されます。
その後ゲーテはその国で出世を重ね、最終的に宰相という地位につきました。
これは、いまでいうところの内閣総理大臣みたいなもので、君主を除けば、その国の政治のトップ!
なんとゲーテは売れっ子作家でありながら、政治家としての才能もあったみたいです!
ゲーテの代表作『ファウスト』第二部には、主人公ファウストが悪魔メフィストフェレスに導かれ、皇帝に仕えてその国の経済の運営を任されるというエピソードがあります。
ゲーテ自身は経済に詳しかったわけではありませんが、もしかしたら作品にはゲーテ自身の政治かとしての体験が少なからず反映されているのかもしれませんね。
科学者ゲーテの経歴・エピソード
ゲーテには作家、政治家としての顔だけでなく、科学者としての顔もあります。
彼は植物や鉱物に大きな関心があり、日々その収集や観察に力を注いでいました。
例えば、彼によって集められた
- 鉱物と結晶の標本は約1万8000点、
- 植物の押し葉標本は1300種
にも上ります。
これを基に、植物に関する自然科学論文を発表しています。
さらにゲーテは、『色彩論』という色彩に関する科学的著作も残しています。
そこでゲーテは色の心理的作用にも注目し、一種のカラーセラピーのようなものを考察したりしてます。
それだけでなく、生物学、医学、天文学などさまざまな自然科学をゲーテは独自に研究していました。
ゲーテ後期の代表作『親和力』にはそんな科学者としての一面が反映されています。
タイトルにある「親和力」とは、もともと元素同士の結合の力を指すもので、この作品内では登場人物男女4人の不倫関係が、そうした元素の化学反応になぞらえて描かれています。
どんなにお似合いのカップルであっても、別の異性(元素)があらわれたときには新たな化学反応が起きてしまう…そんな男女の関係性をゲーテは「親和力」として表現したのです!
なるほど!と思う方もいるのでは?笑
気になった方はぜひ作品を手に取ってみてください!
名言から見るゲーテの性格は?
ゲーテはこんなことばも残しています。
”僕たちドイツ人は、僕たち自身の環境のようなせまい視野をぬけ出さなければ、ともすると学者ぶったうぬぼれにおち入りがちになってしまうだろう。だから、僕は好んで他国の本を集めているし誰にでもそうするようにすすめているわけさ。国民文学なんてのは、今日では、あまり意味がない。世界文学の時代がはじまっているんだ。だから、みんながこの時代を促進させるよう努力しなければだめさ。”
ゲーテは、グローバルに活躍する作家兼政治家兼科学者を目指していた、とんでもなく熱く野心的な性格の男だったといえるでしょう!
まとめ ゲーテの性格と経歴は?生い立ちやエピソードのスゴすぎた!
ゲーテの性格と経歴、生い立ちやエピソードを紹介しました。
今回は、ゲーテの作家としての顔、だけではなく、政治家や科学者としての顔にも注目してみました!
幼いころから語学と詩の才能にめざめ、全ヨーロッパのなかでベストセラー作家になったと思ったら、政治家としても出世し、科学者としてもその名を残している…
こうまとめると、あなたにもゲーテの凄さが伝わるのではないでしょうか?
こんなゲーテの生涯をみると、ゲーテは何事にも情熱的で好奇心旺盛なタイプだったということが言えるでしょう!
彼は作家にとどまることをよしとしませんでした。
彼は生涯何度も女性を浮名を流すのですが、その情熱は女性だけなく、政治家としての活動、そして科学者としての自然観察にも注がれました。