井伏鱒二の性格と経歴は?生い立ちやエピソードが面白すぎた!




『山椒魚』や『黒い雨』で有名な井伏鱒二。

教科書に載っている作品もありますが、そんなに印象に残らない作家かもしれません。

今回は井伏鱒二の

  • 生い立ち
  • 経歴
  • 人柄や性格

について書いていきましょう!

 

  1. 井伏鱒二は、画家を志望していたが諦め、文学の道に進んだ
  2. 井伏鱒二は、数多くの賞を受賞している
  3. 井伏鱒二は、太宰治を見捨てることなく、息子のように目を掛けた

 

井伏鱒二の生い立ちとは?

1898年(明治31年)広島県に生まれた井伏鱒二。

本名は井伏 滿壽二(いぶし ますじ)と言います。

魚釣りが大好きなので、鱒二としていました。

 

井伏家は室町時代にまで遡れる旧家で、代々の地主でした。

5歳の時に父を亡くし、それからは祖父に可愛がられて育ちました。

 

中学3年生(現在の高等学校3年にあたる)の頃から画家を志し、卒業後は3か月間も奈良・京都に写生旅行に出かけました。

お金持ちならではのエピソードですよね。

 

偶然、日本画家の橋本関雪に入門を申し込むチャンスを得ましたが、あっさりと断られ、泣く泣く帰郷しました。

文学の道へと導いてくれたのは、同人誌に投稿などをしていた文学好きの兄でした。

兄から何度も勧められ、画家を諦めた井伏は、文学の道を進むことを決意。

早稲田大学文学部仏文学科に入学します。

 

しかし、3回生の時、教授と折り合いが悪くなり休学して帰郷を余儀なくされます。

半年間、故郷で頭を冷やした井伏は、復学を申し出ますが、教授に反対され、退学せざるを得ませんでした。

教授と衝突して退学まで追い込まれてしまうことがあるんですね・・・どんなことをしちゃったんだろうか。

 

井伏鱒二の経歴は?

大学を中退した井伏は、文学の道に邁進します。

1923年、25歳の時に『幽閉』を発表。

 

文学だけでは食べていけないので、会社勤めも始めますが、退社・再入社を繰り返し、結局は会社勤めを辞めてしまいました。

初めての原稿料は29歳の時に書いた『歪なる図案』で得ました。

 

しかし、なかなか作家としての芽は出ず、くすぶっていました。

この年、14歳年下の女性と結婚します。

14歳年下ってことは、奥さんは結婚当時15歳!!!

15歳で売れない作家に嫁ぐ気持ち・・・計り知れませんね。

 

結婚後は井伏の代表作『山椒魚』を発表

これ、実は初めて発表した『幽閉』を改作したものだって知っていました?

だから、『山椒魚』が処女作って言われることがあるんですね。

 

この頃、後に井伏を師として仰ぎ、結婚の仲介も頼んできた太宰治と出会っています。

初めて文学賞を受賞したのは1938年、井伏40歳の時でした。

 

『ジョン萬次郎漂流記』で第6回直木賞を受賞します。

文学賞を受賞すると、一気に名作家になれた気がしますね!

世の中は戦争真っただ中。

井伏ももちろん戦争を体験しています。

 

戦時中は陸軍に徴兵され、シンガポールで日本語新聞の編集に携わりました。

物書きの人は、兵隊としてではなく、ペンで戦争に参加させられることが多いですよね。

戦争の体験は井伏作品に大きな影響を与えました。

 

中でも1965年に67歳で連載を開始した『黒い雨』は、彼の代表作となりました。

故郷広島の悲劇を見過ごすわけにはいかなかったのでしょう。

この『黒い雨』で野間文芸賞を受賞。

同じ年に文化勲章も受賞しています。

その後も、『私の履歴書』や『荻窪風土記』などを発表し、1993年肺炎のため95歳で亡くなりました。

 

井伏鱒二の人柄や性格のエピソードは?

井伏はなぜかそれほど小説家としてビッグネームではないのですが、(えっ!?もしかして、ビッグネームですかね?)実は数々の賞を受賞しており、選考委員も務めているので、それらを紹介しますね!

【文学賞】

  • 1938年 第6回直木賞 『ジョン萬次郎漂流記』にて
  • 1950年 第1回読売文学賞小説賞 『本日休診』などにて
  • 1956年 第12回日本芸術院賞 『漂民宇三郎』などにて
  • 1966年 第19回野間文芸賞 『黒い雨』にて
  • 1972年 第23回読売文学賞随筆紀行賞 『早稲田の森』にて

【栄典】

  • 1966年 文化功労者・文化勲章
  • 1966年 名誉市民
  • 1990年 名誉都民
  • 2011年 名誉県民

【選考委員】

  • 第17~38回 直木賞選考委員
  • 第39~47回 芥川賞選考委員
  • 第1~14回 新潮同人雑誌賞選考委員

 

これほど多くの賞を受賞し、そして長きに渡って選考委員も務めていたんですね。

そして、忘れてはいけないのが、太宰治との関係です。

 

経歴ではさらっと触れただけでしたが、井伏鱒二と太宰治は切っても切り離せない存在と言っても過言ではありません。

師弟関係であり、結婚の仲人もお願いする仲、なんと太宰の遺書にまで井伏の名前があったそうです。

 

太宰治と言えば本当に誰もが知っている作家ですよね。

そんな太宰は、何度も自殺未遂を繰り返しています。

薬物中毒にもなり、借金、奇行を繰り返すなどし、彼の信頼はどん底に。

周りからどんどん人は離れていってしまいました。

 

そんな中、井伏は弟子である太宰を見捨てることはありませんでした。

太宰の人柄や才能、すべてを受け入れていたんでしょうかね。

入院を嫌がる太宰を説得したり、地に落ちた生活をしていた太宰を自らの静養地に招いたり、新しい奥さんとの縁談を取り持ってやったり・・・

それはもう、太宰のためにありとあらゆることをしてあげました。

  1. なんとか太宰に立ち直ってもらいたい!
  2. もっともっと才能を発揮してもらいたい!

 

もう、師弟を超えて、親心だったかもしれませんね。

 

しかし、戦後になると、二人の関係は悪化。

距離を取り始めてしまいました。

 

そして、太宰は最後も自殺で命を絶つことになるのですが、その時の遺書に「井伏さんは悪人です」という一文が残されていたそうです。

 

これは、公開されていないので、真実かどうかは分からないのですが、公開されている太宰の手帖に同じような文が書かれているので、最期は井伏のことを良く思っていなかったことが分かります。

戦後二人の間に何があって関係が良くなくなったのかは今となっては分かりません。

ですが、太宰がしんどかった時期に見捨てることなく、息子であるかのように目を掛けていたことは事実です。

そういった温かい人柄に、太宰も当時は救われていたでしょうね。

 

太宰治のクズっぷりはこちらで読めます(笑)

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まとめ:井伏鱒二の性格と経歴は?生い立ちやエピソードが面白すぎた!

はい、では井伏鱒二について簡単に復習です!

  1. 井伏鱒二は、画家を志望していたが諦め、文学の道に進んだ
  2. 井伏鱒二は、数多くの賞を受賞している
  3. 井伏鱒二は、太宰治を見捨てることなく、息子のように目を掛けた

 

そんな井伏鱒二のおすすめ作品は『ジョン萬次郎漂流記』。

初めての文学賞受賞作ということで外せない作品です。

そして、みなさんも聞いたことのある「ジョン万次郎」という呼び名が、この短編から広まったというのもおすすめのポイントです。

 

この作品以前には、誰も「ジョン万次郎」とは呼んでなかったんですって!!井伏の影響力すごいじゃないの。

短編なのでサクッと読めますよ!

 

もちろん、『山椒魚』や『黒い雨』も読んでみてくださいね。

では、最後までお付き合いいただきありがとうございました!

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