九鬼周造『西洋近世哲学史稿上』の詳細目次まとめ(全集第6巻)

九鬼周造『西洋近世哲学史稿(上)』(全集第6巻所収)の詳細目次です。

巻頭の目次をベースに、本文中の太字・見出し等を挿入しました。

 

西洋近世哲学史稿(上)(1991)詳細目次

近世哲学の特色

第一部:過渡時代

(1)文芸復興期の哲学

1) ニコラウス・クザーヌス

絶対の概念
絶対者と世界との関係
世界の概念
個体の概念

2) ドイツの自然哲学と神秘説

<1>自然哲学

アグリッパ
地上の世界
元素の世界・星天の世界・天使の叡知的な世界
パラケルスス
反対の原理
発展の思想
個性の強調

<2> 神秘説

ヴァイゲル
ベーメ
意志としての絶対者
絶対者自身の中における精神と自然との対立
悪の問題

3) イタリアの自然哲学

カルダノ
テレシオ
パトリッツィ
ブルーノ
神的な力と神的な自己目的とが世界に内在
世界の無限性
個体的なものの独立・モナドの思想
カンパネラ

4) フランスの人間学

モンテーニュ
シャロン
サンチェス

5) 特殊科学

<1>自然科学

コペルニクス
相対性の原理
単純性の原理
ブラーエ
ダヴィンチ
ケプラー
ガリレイ
ガッサンディ

<2>法律哲学

国家と教会との関係
マキアヴェリ
トマス・モールス
主権の問題
ボディーヌス
アルトゥジウス
自然法の概念
ゲンティリス
グロティウス

第二部:カント以前

(2)大陸の合理論

1) デカルト

<1>形而上学

疑ひ
cogito ergo sum.精神の存在
明晰判明な認識
神の存在と性格、物体の存在
実体、属性、様態
二元論、多元論
超越神論(神と世界との関係)

<2>自然学

物体
運動
天文説と宇宙進化説
機械論

<3>人間学

精神と身体との関係
心理学
情念論
倫理説・主意主義
現代的意義

2) デカルトの影響下にある哲学

アルノー
パスカル
ベール
フォントネル
ボアロー

3) 機会原因論(偶因論)

ゲーリンクス
マールブランシュ
機会原因論
萬有在神論
ロシュフーコー
ブリュイエール

4) スピノザ

<1>形而上学

実態
属性
様態

<2>人間学

認識
感情論

<3>実践哲学

5) ライプニッツ

<1>形而上学

実体概念
予定調和
最良観
充足理由律と矛盾律
連続の法則
連続の法則の二帰結
力の恒存の原理

<2>自然哲学と人間学

自然哲学
認識論
道徳論

<3>神学

概括

(3)英国の経験論

1) フランシス・ベイコン

学問の分類
方法論
三段論法の排斥

2) トマス・ホッブス

形而上学―唯物論
認識論―感覚主義
実践哲学―自然主義

3) ジョン・ロック

<1>理論哲学叉は認識論

表象の起源
表象の認識価値又は妥当性

<2>実践哲学

4) ジョージ・バークリ

5) アーサー・コリア

6) デイヴィッド・ヒューム

7) 十八世紀のイギリス哲学

<1>自然哲学

ニュートン

<2>心理学

ハートリとプリーストリ

<3>宗教哲学

トーランド
コリンズ
ティンダル
チャッブ
モーガン

<4>倫理学

カッドワース
クラーク
ウラストン
カンバランド
シャフツベリ
ハッチソン
バトラー
スミス
ホーム
バーク
マンデヴィル

<5>認識論

カッドワース
ヘンリー・モア
リード他

(4)啓蒙期の哲学

1) フランスの啓蒙哲学

<1>デカルト哲学と啓蒙哲学との関係

<2>イギリス思想の影響

ヴォルテール
モンテスキュー
モーペルテュイ

<3>感覚主義

コンディヤック
ボネ
エルヴェシウス

<4>百科全書家

ディドロ
ダランベール

<5>唯物論者

ラ・メトリ
ドルバック
ビュッフォン
ロビネー

<6>感情主義

ルソー
ヴォーグナルグ

<7>社会問題に関する思想家

モレリ
マブリ
ケネー
テュルゴー
コンドルセ
バブーフ

<8>美学者

ボアロー
デュボス
バテュー

2) ドイツの啓蒙哲学

トマジウス

<1>クリスチャン・ヴォルフ

<2>ヴォルフの味方と反対者

バウムガルデン
マイエル
ランベルト
クルジウス―反対者

<3>啓蒙期の宗教哲学

ライマールス
レッシング

<4>感情の尊重

ズルツェル
メンデルスゾーン
テテンス

<5>感情の哲学叉は信仰の哲学

<6>ルソー風の教育論

バゼドウ
ペスタロッツィ

 

九鬼周造の哲学史の特徴

目次や見出しを拾っていくうちに気がついた特徴をいくつか。

・それぞれの哲学者の考えポイントを箇条書きのようにコンパクトにまとめていること。

・図表が多く使われており、視覚的に要点を理解できること。

・ケプラーやガリレイなどの自然科学者の説明に多くのページを割いていること。

・合理論と経験論の主たる哲学者以外にも、多くの哲学者・思想家の名を挙げ、解説を入れていること。

 

場合によっては、現代の哲学史よりも遥かに詳しく書かれています。内容が濃すぎて、本書の全貌を頭に叩き込むことはかなり難しいかと思います。

何かにご活用できる方の役に立てれば幸いです。

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