スパイクナードの香油と壺
聖書でイエスが頭にかけられた香油。
オリーブオイルだと思ってましたけど違います。(『エクストラバージンの嘘と真実』という本にはそう書いてあった気がしたのですが)
マルコ14.3にはこうあります。
ナルドスってなんだと思ったら、英語ではnard、 現在はスパイクナードという植物だそうです。
ヒマラヤを原産地としてる古代から今でも精油がアロマとして 使われている 植物だそうです
オリーブオイルじゃなかった〜。
さてナルドスですが。
「高価な本物の」 でわざわざ言ってるんだからかなり貴重で 偽物の安物も出回っていたんでしょうね。 さながらエクストラバージンか そうでないかみたいな話でしょうか…
高価な香油らしいので、誰でも埋葬のときに、ナルドス使えたとは考えにくいですね。きっと安い香油もあったんだと思います。
それを生きてるイエスにかけたから、女(マリア)はものすごく怒られたのでしょうね。
なぜわざわざ壺を割ってナルド香油を注いだのか?
「壺を割り」ってのもおもしろいです。
そんな割らんでもいいじゃん。蓋だけとって、壺はまた使えばいいじゃんと。
なんでわざわざ壺を割ったのか。
それはある意味で厄除けです。
当時は墓地で死者に油やアロマを塗るという習慣がありました。
それはイエス埋葬の際(復活の朝)にもマリアたちが「(香油を)塗りに来た」と書かれています。
亡くなった人に使った香油を 別の人に使い回したりしません
的な風習があったそうです。( そして割ったツボは 棺のそばにおいてくる)
高等遊民であるこの私も、整髪料をつけるならドラッグストアのワックスじゃなくて、香油を使いたいなと思いました。
オリーブオイルならつけようと思えばつけられましたが、スパイクナードなる油は なかなか手に入りにくいです。「高価な本物」なだけあります。
参考文献:田川建三『新約聖書 訳と註 1 マルコ福音書/マタイ福音書』
田川建三先生の本で、このエピソードで「壺を割る」意味をはじめて理解できました。