有栖川有栖の性格と作風は?デビュー前の経歴やエピソードが面白い!




有栖川有栖(ありすがわ ありす)というミステリー作家をご存知でしょうか?

 

作品の中には漫画化やドラマ化されたものも数多くあり、ゲームにも携わっている人気作家の一人です。

その中でも特に有名なのは、有栖川有栖(アリス)という作者と同姓同名の主人公が活躍するアリスシリーズだと思います。

作者のデビュー作でもあるこのシリーズは、多くの読者に名作として親しまれている作品です。

 

アリスシリーズには

  1. 学生アリスシリーズと、
  2. 作家アリスシリーズがあり、

どちらも現在まで続いています。ちなみに作者も主人公も男性です。

 

あなたもひょっとしたら、書店や図書館などで目にしているかもしれません。

今回は以下の内容について語っていきたいと思います。

 

  1. 有栖川有栖の経歴は?
  2. 有栖川有栖の人柄や性格がわかるエピソードは?
  3. 有栖川有栖の作風がわかるエピソードは?

 

火村英生シリーズも有名です(^^)

 

有栖川有栖の生い立ちと経歴は?

 

有栖川有栖の生い立ちと学生時代。デビュー前

有栖川有栖というのはペンネームであり、本名は上原 正英(うえはら まさひで)です。

1959年4月26日に大阪で生まれました。

小学5年生で初めて小説を執筆します。

この頃からミステリー作家を志しますが、その夢への挑戦は落選の連続でした。

 

中学3年生のときに書き上げた長編小説『大いなる殺人』を第21回江戸川乱歩賞に応募するも落選。

高校1年生のときには日本中のミステリ・ファンが集う研究会「SRの会」に入会し、精力的に執筆にとりかかります。

しかし、幻影城新人賞に応募した『ぼだい樹荘殺人事件』、『宇宙空間の消失』はともに落選。

 

大学生になると、同志社大学推理小説研究会(現「同志社ミステリ研究会」)に所属

機関誌『カメレオン』や、デイリースポーツで小説を発表しています。

 

けれども残念ながら本格的なデビューには至らず、大学卒業後は大手のチェーン書店に就職します。

 

1984年、『月光ゲーム Yの悲劇’86』を第30回江戸川乱歩賞に応募します。

しかし、一次通過はかないませんでした。

 

ですが、実はこの作品の原型は高校2年生のときに書かれたものであり、大学時代には『Yの悲劇’78』という題名で所属していた研究会で一度発表されています。

 

有栖川有栖のデビュー作品。処女作は?

そうして、後に『月光ゲーム Yの悲劇’88』と名前が変わり、有栖川有栖のデビュー作となります。

 

……と、ここまで有栖川有栖のデビュー前の話を一気にしてきましたが、ひとやすみもかねてちょっとミステリーな話を一つ。

 

『月光ゲーム Yの悲劇’86』を第30回江戸川乱歩賞に応募した

これは東京創元社から出されている文庫版『月光ゲーム Yの悲劇’88(江神シリーズ・学生アリスシリーズ)』のあとがきに書かれている作者の本人談

ですが、この落選から2年後にデビューできたことや、このとき受賞したのは石井敏弘(いしい としひろ)氏の『風のターン・ロード』だとも語られているのです。

しかし、『風のターン・ロード』が受賞したのは1987年の第33回江戸川乱歩賞でのことです。

 

しかも、『月光ゲーム Yの悲劇’86』についても、題名に書かれている’86とは、86年に書いたという意味ではないかとも思われます

第30回江戸川乱歩賞が行われたのは前述した通り、1984年のことなのです。

もし書かれた年代が題名になっているのだとしたら、なぜ2年も先の年代が書かれているのでしょうか?

それとも、数字は作品中の年代なのでしょうか?

作品中には月日や時間は明記されているものの、年代がはっきりとわかる描写はありません。

 

ただ、作者は後に文庫版『江神二郎の洞察(江神シリーズ)』のあとがきで「アリス(『月光ゲーム Yの悲劇’88』の主人公)は、自分よりも10歳年下」と語っています。

 

……いかがでしたでしょうか? なんだかミステリーにでてくるような、数字のパズルを解かされている気分になってきますね^^;

 

有栖川有栖の経歴。デビュー後。代表作。作品一覧

それでは有栖川有栖のデビュー後の経歴へと移りましょう。

1989年1月、前述した『月光ゲーム Yの悲劇’88』が幾度もの改稿の末、ようやく「鮎川哲也と十三の謎」の第四回配本として刊行され、本格的に小説家デビューを果たします。

 

1992年、学生アリスシリーズの長編3作目である『双頭の悪魔』が「週刊文春ミステリーベスト10」で第4位に、「このミステリーがすごい!」で第6位にと、初めてミステリーランキングでベスト10に選出されます。

 

1994年、35歳で書店を退職して専業作家になります。

 

1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞します。

 

1999年、テレビ推理番組『安楽椅子探偵』シリーズ(朝日放送)開始。原作を担当します。綾辻行人氏との共作でした。

 

2000年11月~2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務めます。

 

2001年、『週刊文春』に発表された1977年 – 2000年の24年間の作品を対象とする「20世紀傑作ミステリーベスト10」で『双頭の悪魔』が第19位に選ばれます。

 

2003年、国名シリーズの6作目である『マレー鉄道の謎』で、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞。

  • 「本格ミステリ・ベスト10」で第3位に、
  • 「本格ミステリこれがベストだ! 本格ミステリ10選」に選出されます。

 

2006年、作家アリスシリーズの長編7作目である『乱鴉の島』が、

「本格ミステリ・ベスト10」で第1位に選ばれます。ミステリーランキング1位に選出されたのは、このときが初めてです。

他にも「週刊文春ミステリーベスト10」で第5位に、「このミステリーがすごい!」で第19位に選出されます。

 

同年10月から読売新聞掲載の「有栖川有栖さんとつくる不思議の物語」の講評を担当しています。

 

2007年、学生アリスシリーズの長編4作目である『女王国の城』が、

  1. 「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、
  2. 「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、
  3. 「このミステリーがすごい!」で第3位、

「黄金の本格ミステリー」に選出、と高く評価され、爆発的な人気を誇ります。

 

同年、統合によって新設された大阪府立千里青雲高等学校の校歌の作詞をしています。

 

2008年、『女王国の城』で第8回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞。

別冊宝島『もっとすごい!! このミステリーがすごい!』で発表された「このミステリーがすごい!」1988-2008年版ベスト・オブ・ベストで『双頭の悪魔』が第8位に選ばれます。

 

2010年7月、PlayStation Portable(PSP) 用ゲームソフトで、チュンソフトから発売された

『TRICK×LOGIC Season2(トリック・ロジック シーズン2)』の事件ファイルNo.9『Yの標的』を綾辻行人氏と共同で創作しています。

 

2011年、「本格ミステリ・ベスト10」2012年版の「2001-2010 新世紀 本格短編 オールベスト・ランキング」で、国名シリーズの7作目である『スイス時計の謎』が第2位に選ばれます。

 

2012年、「東西ミステリーベスト100」2012年版で

  • 『双頭の悪魔』が第22位に、
  • 学生アリスシリーズの長編2作目で、デビュー後2作目でもある『孤島パズル』が第95位に選ばれます。

 

2016年、短編集の『幻坂』で第5回大阪ほんま本大賞を受賞します。

 

有栖川有栖の人柄や性格がわかるエピソードは?

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現在、有栖川有栖は作家としても活躍するかたわら、「有栖川有栖・創作塾」の塾長も務めています。

ひょうきんそうな顔立ちをした、アーティスト風の雰囲気を醸し出している人、といった印象です。

 

文庫版『江神二郎の洞察(江神シリーズ)』の文庫版あとがきで、自身のことを「うかつな人間」と評したり、

文庫版『双頭の悪魔』のあとがきでも、最初の原稿で舞台設定を「香川県の県境に近い高知県の山奥」としてしまうなど、

少しおっちょこちょいなところもあるみたいです。

ちなみにこのときは、校閲でミスが判明し修正されたそうです。

 

有栖川有栖の師匠は?尊敬する人は誰?

エラリー・クイーンを尊敬してやまない彼ですが、もう一人強く尊敬している人物がいます。

 

ミステリー作家の大先輩でもある鮎川哲也氏です。

有栖川有栖の自宅には、鮎川哲也氏の著作や関連書籍だけで占められた「鮎川哲也専用本棚」があるそうです。

 

実は、有栖川有栖のデビューには鮎川哲也氏が、奇妙な縁で非常に深く関わっています。

鮎川氏の大ファンだった彼は、鮎川氏に何通もファンレターを送ったことがきっかけで、鮎川氏の角川文庫版『鍵孔のない扉』の解説を書く機会に恵まれます。

 

その後、1982年に鮎川氏と初めて会った際に、鮎川氏から鉄道ミステリのアンソロジー本を出す予定があり、同志社大学推理研究会の機関誌『カメレオン』掲載の『やけた線路の上の死体』という短編作品を採用するつもりであることを聞かされます。

 

その話に驚いた彼は「その作品の作者は自分である」ということを伝えます。

そう、『やけた線路の上の死体』は有栖川有栖の作品だったのです。

 

ちなみにその作品を鮎川氏に紹介した山前譲氏は、『月光ゲーム Yの悲劇’88』の解説を書いています。

アンソロジー本『無人踏切』はそのやりとりの4年後に光文社文庫から出版されています。

 

『やけた線路の上の死体』は現在、学生アリスシリーズ短編集である『江神二郎の洞察(江神シリーズ)』に収録され、東京創元社から出版されています。

なにはともあれ、そのことがきっかけとなり、デビューへの思いをより一層強くした彼は『月光ゲーム Yの悲劇’86』を鮎川氏に読んでもらうことができ、落選はしたものの鮎川氏が知り合いの編集者や出版社に紹介してくれたのです。

 

そんな中、東京創元社の戸川安宣編集長の目に止まり、何度も書き直しを命じられた上で「鮎川哲也と十三の謎」の第四回配本として世に出すことができたのです。

このことからも、挫けず夢に向かってただひたすらに努力できる人物でもあるのでしょう。

 

有栖川有栖の作風がわかるエピソードは?

作風は、前期エラリー・クイーンの影響が色濃くみられます

特に学生アリスシリーズでは、エラリー・クイーンの話もたびたび登場しています。

 

また、学生アリスシリーズでは「読者への挑戦」が挿入される作品も多く、これが本当に楽しみと待ち望んでいる読者も数多くいると思います。

ちなみに、学生アリスシリーズと作家アリスシリーズは、一見すると時系列的に繋がりがあるように思われそうですが、内容は噛み合わない部分もあり、パラレル的な作品といえそうです。

 

講談社から出版されている、文庫版『新装版 46番目の密室(火村英生シリーズ・作家アリスシリーズ第1作目)』では、新装版のためのあとがきで、火村と作家アリスは「永遠の34歳」と語られています。

 

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まとめ 有栖川有栖の性格と作風は?経歴やエピソードが面白い!

後列真ん中が有栖川有栖。

 

ここまで有栖川有栖について語ってきましたが、そろそろまとめに入りたいと思います。

 

有栖川有栖の経歴は?

大阪生まれで、子どもの頃からミステリー作家を志したものの、デビューまでには幾度もの落選を味わい、改稿を何度も命じられるなど、苦しい思いも数多くあった。

デビュー後は、作品の多くが人気作となり、数々の賞を受賞する。

 

有栖川有栖の人柄や性格がわかるエピソードは?

少しおっちょこちょいなところがあるが、夢の実現に向けた努力を惜しまない不屈の精神の持ち主。

 

有栖川有栖の作風がわかるエピソードは?

エラリー・クイーンのオマージュや、リスペクトを感じる作風が多い。

作品中にたびたび登場する「読者への挑戦」もその一つ。

 

最後に有栖川有栖の作品をいくつかご紹介したいと思います。

  1. 東京創元社『月光ゲーム Yの悲劇’88(江神シリーズ・学生アリスシリーズ)』
  2. 東京創元社『孤島パズル(江神シリーズ・学生アリスシリーズ)』
  3. KADOKAWA/角川書店『朱色の研究(火村英生シリーズ・作家アリスシリーズ)』
  4. 講談社『新装版 46番目の密室(火村英生シリーズ・作家アリスシリーズ第1作目)』
  5. KADOKAWA/角川書店『暗い宿(火村英生・作家アリスシリーズ短編集)』
  6. PlayStation Portable(PSP) 用ゲームソフト『TRICK×LOGIC Season2(トリック・ロジック シーズン2)』チュンソフト発売

 

上記の作品の中から、どのように楽しみたい人向けかを解説していきたいと思います。

もし、あなたがゲーム好きなら、迷うことなく『TRICK×LOGIC Season2(トリック・ロジック シーズン2)』をオススメします!

 

やや声優さんの不慣れさ(デーモン閣下は、はまり役でしたが)や、イラストの素っ気なさが気になるものの、沢山のミステリー作家たちが頭を捻って創作した珠玉のミステリーを10作品以上も楽しめるからです。

作品の読み上げ機能もついていて、声優さんが読み上げてくれます。

推理の方も本格的に楽しめ、ダウンロード版なら今でも入手可能です。

 

PSPのダウンロード版ソフトは、PS Vitaでもプレイ可能なため、多くの人が楽しめます。

意外と知らない人が多いのですが、PSPのダウンロード版はPSP用としか表記されていなくても、PS Vitaでプレイ可能なのです。

 

むせ返るようなオレンジ色に包まれながら、作品世界を楽しみたければ、

KADOKAWA/角川書店『朱色の研究(火村英生シリーズ・作家アリスシリーズ)』がオススメです!

 

作品の最初から最後まで、ずっとオレンジ色の光と靄の中で夢を見ているかのような、息が苦しくなりそうなほどの夕陽を浴びることができます。

ちょっとホラーな雰囲気と、旅行と短編集がお好きなら、

KADOKAWA/角川書店『暗い宿(火村英生・作家アリスシリーズ短編集)』

 

冒険と謎解きと、殺人事件と、南国の夏の孤島の生活を満喫したいなら、

東京創元社『孤島パズル(江神シリーズ・学生アリスシリーズ)』

 

有栖川有栖のデビュー作が読みたい人と、殺人事件と火山の噴火、山でのキャンプ生活を味わいたい人は、

東京創元社『月光ゲーム Yの悲劇’88(江神シリーズ・学生アリスシリーズ)』

 

火村英生シリーズ・作家アリスシリーズの第1作目が読みたい人は、

講談社『新装版 46番目の密室(火村英生シリーズ・作家アリスシリーズ第1作目)』

これらの作品以外にも、有栖川有栖の作品は傑作ぞろいなので、ぜひあなたもお気に入りの1冊を見つけて下さいね。

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