スピノザの生涯と性格。異端者は意外とまともだった!?
アインシュタインが言ったこの言葉を聞いたことがある人は多いんじゃないでしょうか。
しかし、ここで説明されている神はキリスト教やイスラム教の神ではないのです。
哲学者スピノザの説明する神なのです。
【教会豆知識】
「神はサイコロを振らない」という言葉が有名ですが、これは聖書の言ではなく、アインシュタインが量子論に反論するときに言った言葉です。
アインシュタインが使ったこの「神」という語は聖書の神様ではなく「スピノザの神」を指したのだと言われています。
— 上馬キリスト教会 (@kamiumach) March 12, 2019
天才物理学者すらそう語り、今も魅了するスピノザの思想を、
- 生涯
- 著作とその思想
- ライフスタイルと性格
の順に説明していきます。
- スピノザは小さい時から賢くて正義感が強かった
- 甘い話を持ちかけられても振り払って、ユダヤ教に破門された
- 最期は病死。おまけに裏切られた
- 汎神論。心身平行論。自由意志などないこと
- 人間の本質は欲望
- 善とは楽しみ、悪とは悲しみ
- 穏やかで社交性があり、友人も多くいた
- 仲のいい人にはデレた
- ライプニッツも評価していた
- 穏やかだけど友人が殺された時はブチ切れた
- 生涯独身。恋愛の噂あったけど、デマっぽい
- 趣味はお絵かきと蜘蛛同士の対戦、蝿と蜘蛛の対戦を見ること
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Ⅰ スピノザの生涯・人生。引きこもりと思われがちだけど色々社交的で面白いです
1:商人の息子として名門校に進学
スピノザは商人ミカエル・デスピノザの3人目の子供として生まれました。
6歳の時に母を亡くしました。
7歳の時、ユダヤ人学校「生命の樹」に入ります。
さて、この「生命の樹」という学校は優秀な学校でした。
あるポーランドの学者がこの学校を訪ね、
と書き記しているほどです。
天才は若い時から才能を発揮するものなのかもしれません。
2・スピノザの天才エピソード~17世紀オランダ版時そば~
時そば。落語の世界では有名なお話です。
知らない人のために紹介しておきます。
ある男が16文の蕎麦を食べます。
「細かいのが無いから今から数えていく」と蕎麦屋の主人の手に一枚一枚硬貨を置いていきます。
7枚目まできた時に「今、何時だ?」と聞きます。
主人が「8時です」と答えると、そこから「9、10、11……」と続けていくのです。
もうお分かりでしょう。実にうまいやり方で、1枚誤魔化しているのです。
ある未亡人のところに集金に行った時、彼女は「聖書を読み終わるまで待ってくれ」と言います。
この後、未亡人は硬貨を数えながら「スピノザの父がいかに信心深いか」について語り、硬貨をさっと彼のバックに入れました。
ここまでは何事もないように思えますが、実は、この未亡人、話で誤魔化しながら床に少しだけ硬貨を落としてまけようとしたのです。
話で誤魔化しながら少しだけ楽をする。前述の時そばと重なりませんか?
スピノザはそれに違和感を覚え、「自分で数える」と言って数えました。
そして、スピノザはこの未亡人が数を誤魔化そうとしたことに気付きました。
3・スピノザ、破門されるってよ
ユダヤ人学校卒業後、一時期父親のところで商人として働きます
しかし別の学校に入り、そこで近代哲学を学びます。
次第に彼はユダヤ教会から遠ざかります。
そのせいでしょうか。彼はユダヤ教会から異端者だと思われ、破門にするかどうかの裁判が行われます。
ユダヤ人には国がありません。民族だけで集まって出来ており、その中心がユダヤ教なのです。言うなれば民族が国のようなものです。
つまり、ユダヤ教会から「お前は違う。出て行け」と言われるということはもはや非国民、社会的に生きてはいけない存在になるということなのです。
しかし、ユダヤ人達もスピノザの優秀さは理解していました。長老は裁判の途中、彼にこう持ちかけました。
【余談】
こう書くと、皆さんはこう疑問をぶつけるかもしれません。
「1000ギルダーって何円ぐらい?」と。
これは歴史の中でも難しい問題です。
貨幣の価値は表しづらいのです。常に変化するものですから。
日本だって税金として3円払えば選挙権を獲得できる、1パーセントの上流層として認められる時代がありましたからね。(今じゃ3円ではうまい棒も買えませんけどね)
だから明確な値段をズバッと言うことはできません。
せいぜい「1300億金マルクは当時のドイツの国家予算30年分」ぐらいの比喩的な表記になるわけです。
話がずれました。
こういった基準で1000ギルダーを表現すると、レンブラントの絵を6枚買ってもお釣りがくるぐらいだったらしいのです。
レンブラントと言えば国宝を通り越して世界遺産です。凄まじい大金だということがわかったでしょう。
スピノザはこう返しました。
こうしてスピノザは最後の救いの手を払いのけ、異端者となり破門になりました。
ユダヤ人達は相当恨んだのでしょう。この波紋になった時の文書も禍々しいです。
- 昼も呪われてあれ、
- 夜も呪われてあれ、
- また寝るときも呪われてあれ、
- 起きる時も呪われてあれ、
- 家を出る時も呪われてあれ、
- 家に入る時も呪われてあれ」
この一件から彼はユダヤ人と手を切り、オランダ各地を転々とし、思索を深めていきました。
4・早くして病気になる上に友人に裏切られる末路
彼の死は意外と早く訪れました。
44の時に病が悪化し、彼はベッドに寝ていました。
友人知人が教会へ向かっている間、彼は息を引き取りました。
彼の死を確認した友人であり医者のマイヤーは銀の刃がついたナイフと手に握っていた小銭を盗み、逃げたと言われています。
さて、ここまで彼の生涯についてお話ししてきました。
次の章では哲学について書いていこうと思います。
Ⅱ スピノザの著作とその思想
スピノザは
- 『知性改善論』
- 『デカルトの哲学原理』
- 『神学・政治論』
- 『国家論』
- 『エチカ』
などを著しました。
この中でも特に有名な『エチカ』の内容を紹介していきます。
スピノザの『エチカ』解説と要約
エチカとはラテン語で倫理、英語で言うところのethics(エティックス)を表す単語です。
普通倫理学の本には「~しなさい!」といった命令口調で書かれるものですが、この本は違います。
この本で説明しておくべきポイントがいくつかあります。汎神論・人間の本質・善悪です。
スピノザ『エチカ』の3つのポイント
(1)汎神論とは。神とは自然!アニミズムとは違うよ!
彼は自分達に命令してくる人格神は存在しないと考えていました。
では、神はどこにいるのか?
自然です。自然そのものが神だと考えていました。
こう書くと八百万の神のようなアニミズムのように思われるのですが、微妙に違います。
アニミズムは
- 座布団なら座布団の神、
- 包丁なら包丁の神
という風に考えることです。
スピノザは違います。座布団も包丁もこの世の中、いや宇宙ひっくるめて神様だと考えていました。
「それって実質上、神いないってことじゃん」
その通りです。
見渡せど見渡せど、自分達にあれやこれや言ってくる神様はいないのです。
それは宗教を壊すことにもつながります。
宗教は命令する神様所謂人格神がいて、服従する人がいなければ成り立ちませんから。
宗教がなくなれば国だって成り立ちません。
だからこそ、こういった考えを持つ異端者をしらみつぶしに潰そうとしたのでしょう。
(2)心身平行論0とは。心と体は平行に関係している!?
この考えで潰されるのは宗教だけではありません。
デカルトの心身二元論とも矛盾します。
心身二元論とは字のごとく、心と体は2つに分けられているという考えです。
しかし、スピノザからしたら心も体も全部含めて神なのです。
もっと言えば、神の2つの異なるあらわれ方なのです。
「分かれ目があるのなら、デカルトと一緒じゃないか」と思いますが、彼は心と体は平行に関係していると言っています。
だから私達は悲しければ泣きますし、怒れば顔が赤くなります。
これを心身平行論と呼びます。ここはデカルトと大きく違うところです。
(3)自由意志とは。自由意志なんてものは幻想!?
「人間は自分の意志によって神になることも悪魔になることもできる」
ルネサンス期の哲学者ピコ・デラ・ミランドラはそう語りました。
なんだか励まされる言葉ですが、スピノザはそれを嘲るように批判します。
なかなか残酷な考えですね。
先ほど私はアインシュタインの「神はサイコロを振らない」という言葉を紹介しました
量子は確率論的に振る舞うという量子力学
それに対して「偶然はない」という意味でアインシュタインは語った言葉です。
スピノザの「全て神が定めている」という考えを踏まえて、こう言ったのです。
(本当はここから先にラプラスの悪魔という面白い話があるんですが……気になる人は参考文献でも紹介する『哲学用語図鑑 中国・日本・英米分析哲学編』のP348,9を見てください)
人間の本質とはコナトゥス(欲望・力)である!
人間の本質とは何か。
スピノザはこれを自分の存在を維持しようとする力(コナトゥス)だと考えました。
コナトゥスは個々の物体・個々人によって違います。
これを押さえつけると、欲望になるわけです。
例えば菜食主義者の人間と肉食主義者の人間、点滴だけで生活している人間がいたら?
形で考えるギリシアの哲学者達は
「お前ら人間だろ!野菜も肉も丁度良く食べろ!みんな人間なんだから!」と言ってきます。
すると、この3人は
- 「野菜が食べたい……」
- 「肉食べたい……」
- 「点滴用意してよ……」
となります。(これが欲望であることは言うまでもありません)
しかし、スピノザは違う対応をします。
個々人によって自分を維持する力は違うのですから、それぞれ自分が良く過ごせるものを食べればいいのです。
個々人によって欲望は違うのに、それを考えずに世界を設計することはいけないということです。
スピノザの倫理学。善悪とは→善は楽しさにつながるもの、悪とは悲しさにつながるもの
スピノザは物事そのものに善悪はないと語っていました。
では何で善悪が決まるのか?
それは組み合わせです。
例えばミリタリオタクに拳銃を与えたら喜びますが、一般人にそんなもの与えたら恐怖に陥るはずです。
レーザー使える宇宙人からしたら「ナンダ、ソンナモノ」ってなるでしょう。
全く同じものでも、これほど人との組み合わせによって良くも悪くも、はたまたどうでもよくもなるのです。
じゃあ結局相対主義なのか?
いえ、スピノザは善悪を善は楽しいもの、悪とは悲しいことだと定義しました。
だから彼にとって楽しむことは罪ではない
と考えていました。
これは後に出てくるベンサムの考えにも似ています。
彼は快楽になることを善とし、苦痛になることを悪と考えていましたから。
さて、ここまで思想を話してきました。
Ⅲスピノザの性格・人物像、ライフスタイルについて
スピノザは無神論者。
現代日本に生きる私達はほぼこれに属すと思いますが、スピノザの生きた17世紀のヨーロッパでは至ってレアな存在でした。
政治・文化・生活の中心である神を否定して生きる。
それは聖書に著されているような道徳的なライフスタイルを放棄した、酒や女に溺れるならず者だと想像されていました。
スピノザもそんなダダイズムに生きた人なのでしょうか。
彼の衣食住を説明しましょう。
スピノザの生活。衣→質素!
均整のとれた体格に美しい顔立ちで感じの良い表情をしていた彼は常に控えめな服装をしていました。(副業の時だけは汚い作業着で過ごしていたようですが)
クローゼットの中にはズボン2着・シャツ7枚だけが入っていました。(後、5枚のハンカチがあったらしい)
しかし、質の悪い安物だったわけではなく、例えば靴のバックルは銀で出来ていたらしいです。質素の中にも彼なりのこだわりがあったのでしょう。
スピノザの生活。食→質素!質素!
食事はというと、基本的に干しぶどうとミルク粥だったそうです。
彼の領収書類に目を通ることがあったコレルスによると、
- ある日は「乾ブドウとバター入りオートミール」だけ、
- 別の日には「バター入りミルクスープ」を「マグカップ一杯のビール」で洗い流すように飲んで終了
だったこともあったとか。
と思った私ですが、この時代のビールは度数が高くなく、水のようなものだったらしいです。
どうやらスピノザは上戸ではないらしく、ワインをピーク時でも1ヶ月で1.5Lしか飲まなかったらしいです。
しかし、タバコは貪るように吸っていたとか。
そういえば規律正しいことで有名なカントもタバコの消費量は年々増えていたという逸話もありますし、アーレントもかなりのスモーカーだったようです。
タバコと哲学者とは切り離せない縁があるのやもしれません。
そうそう、突然没頭して部屋にこもりっきりになり、変な時間にご飯を要求することもあったそうです。
今ならコンビニあるので構いませんが、17世紀にそれはやめてあげてほしいですね。
スピノザの生活。住→質素!質素!質素!
住処ですが、彼は基本的にいつも運河の安い方の側にある他人の家の小さな部屋に同居していました。
あのレンブラントとご近所だったこともあったそうな。(残念ながら深いつながりはなかったそうですが……)
内装はというと、本当にめぼしい物を置かない主義だったようです。
ただ、親から相続した赤いカーテンがついた4柱のベッドが唯一高級なものだったぐらいです。
・質素オブ質素な生活
ここまで紹介して分かったと思いますが、スピノザは民衆が思い浮かべるような快楽主義者ではなく、本当に質素な生活をしていた賢者なのです。
次はどうやって生計を立てていたのかを紹介しましょう。
・レンズ職人はスピノザの代名詞
「スピノザはガラスを磨くレンズ職人をしていた」
彼についての情報を集めると、どこのウェブサイトでも本でもこう書いてあります。
もはやスピノザの代名詞と呼んでもいいほどなのではないでしょうか。
では、彼はレンズをどうやって作っていたのか?
プロジェクトX!ガラスの作り方!
- ガラス板を足こぎ旋盤に乗せる
- 足でこぎながら回転するガラス板に布を当てて磨きます。
- 飛び舞うガラスの粉塵の中、芸術品(ガラス)を作っていきます。
- レンズを1ミリの何分の一の精度で正確に決められたカーブまで削る
- ざらざらした表面をもみ皮で強くこする
- 透明になるように仕上げます。
そこには非常に優れた技術が必要でした。
レンズ磨きの粉塵で病気になる。仕事できすぎ
スピノザはこの作業に非常に適していました。
ライプニッツに数学を教えたこともある科学者ホイヘンスは「このイスラエル人の磨きは見事だ」とスピノザのガラスを高く評価していました。
また、彼が亡くなった後遺品として残ったそれらは高く売れました。
よくスピノザは「ガラス磨きで生計を立てていた」と書かれていますが、別にこれで生計を立てていたわけではありません。
他の友人・知人からも金銭的援助を受けていましたので、決してこれだけで生きていたわけではありません。
しかし、作業途中で舞うガラスの粉塵は彼を慢性的な肺病にさせ、死に至らしめたと考えると、ガラス磨きの才能が良かったのかどうかは判断しかねます。
隠者の皮を被ったリア充。デレることもある
異端者。スピノザは時折こう呼ばれます。
ユダヤ教から破門され、かと言ってキリスト教に転ぶわけでもないユダヤ人─どちらの社会からでもおかしな存在として見られたからでしょう。
異端者。そう書くと、いかにも頑固な人間を想像します。
確かにその言葉を聞くと、ガリレオ・ガリレイのようにいかにも強情で自分の意見を曲げずに、他人と同調しないような生き方をしているように思えるでしょう。
スピノザもそうだったのでしょうか。
実を言うと、スピノザは本当に穏やかで話も面白く、知人・友人・会いにくる人が多かったらしいです。(とは言え、天才の彼と会話する人間は大抵知識人。
学のない大衆とは距離を取っていたので、知識人でない人々からしたら隠者のように思えたでしょう)
また、表面上だけのお付き合いだけではなかったようです。
特に仲の良い友人には
という手紙を送っています。
心を許した人にはとことんデレるというタイプだったのでしょう。あらやだ、可愛らしい。
スピノザとライプニッツとの出会い
この事もお話ししなければなりません。
この前紹介したライプニッツも知り合いのツテをたどって彼と会っているのです。
それについて他の人に問われた時、ライプニッツは
という評価を下し、一回しか会わず会話もこれきりだったらしいのです。
しかし、実際は違ったようです。
どうしてそれが分かるのか。
しかし、スピノザからしたらそれを見せたら自分の身が今以上に危なくなる。
なので、何回か話してから相手を見極めて渡すつもりだったらしいです。
結果的にライプニッツは『エチカ』の草稿を手に入れています。
スピノザは用心深い態度を見せていました。
本当に一回しか会っていなかったら、ライプニッツは手に入れてないはずです。
ここから何回か会っていたことが分かります。
また、ライプニッツが下したスピノザの評価も誤解されがちです。
ライプニッツはスピノザと違い、宮廷人でした。
そこで無神論に近い彼を支持したら地位が危ういわけです。
だから、人前では自分の面子を考えてスピノザを貶していたのです。
一方、裏ではひたすら彼の哲学を研究していました。
あまりにも入り込んで、スピノザ主義者に傾きそうだったと語っているほどです。
現に同時代人のスピノザ評を見てみると、かなり酷いのです。
ガラス磨きを頼んだホイヘンスですら「我々のユダヤ人(イスラエル人とも訳されている)」と語っており、まるで物扱いです。
しかし、ライプニッツはこう評しています。
─「あのユダヤ人、洞察力すげぇよな!」と。
性格も思想も生き方もまるで違う、ライプニッツとスピノザ。
倫理の教科書に載る前から、この二人には切っても切れない縁があったのです。
【ブチギレ】スピノザの唯一の怒り
至って穏やかなスピノザですが、激しい怒りを見せたことが一度だけあります。
彼の友人の一人にヤン・デ・ウィットという男がいました。
ウィットは政治家で、当時のオランダの首相に近い位置にいました。
自由主義者の彼は国内の自由には気を配りましたが、軍備には力を入れず、それが原因でオランダはフランスに攻め込まれました。
彼の政敵であるオラニエ派はそこにつけ込んで、カルヴァン派と手を結び、彼を二度襲撃しました。
一度は軽い怪我でしたが、二度目は兄共々野獣のようなやり口で殺されてしまいました。
友人を殺されたスピノザはウィットを殺した暴徒を責める「人でなし」(意訳)という紙を貼りだそうとしました。
家主のスペイクがスピノザをなだめ、すんでのところで止めました。
スピノザはこの事について、後にこう語りました。
そんな怒りと悲しみと後悔と自責の念を感じるのは私だけでしょうか。
期間は短いとはいえスピノザの資料に目を通してきました
スピノザと結婚。生涯独身の人生と怪しい恋の噂
生涯独身だったスピノザ。されども彼に全く女っ気がなかったわけではなかったようです。
一度だけクララ・マリアという少女について、こう語ったと言われています。
しかし、スピノザが破門された時に彼女は12歳。彼女が結婚適齢期になった時、彼は彼女と離れていたし。時期が合わなすぎます。
ただし、彼女の知性に惹きつけられたことは確かです
彼女の賢さに感嘆していたことはありました。
それを友人が誤解して、結婚の意志があると思ってしまったのでしょう。
【逸話】スピノザの趣味はお絵かきと蜘蛛遊び?
スピノザとレンブラントはご近所さんだったことはもう話したでしょう。
そこまで深いつながりはなかったものの、これまた何の偶然でしょう。
スピノザは絵を描くことを趣味としていました。
レンブラントほどの実力はないものの、彼の家に訪れた人物を描いていたらしいので楽しんでいたのでしょう。
ここまで調べてみて、私は感心しました。
- 見た目も良いし、
- 質素だし、
- 社交的だし、
- 友人多いし、
- 絵も上手い。
意外といい人かもしれない。
そう思って資料をめくっていた時、とある文章が目に入ってきました。
私は間違いなく確信しました。当分彼の株は上がることはなさそうです。
【結論とまとめ】スピノザの生涯・エチカの思想解説・逸話など
さて、まとめましょう。
- スピノザは小さい時から賢くて正義感が強かった
- 甘い話を持ちかけられても振り払って、ユダヤ教に破門された
- 最期は病死。おまけに裏切られた
- 汎神論。心身平行論。自由意志などないこと
- 人間の本質は欲望
- 善とは楽しみ、悪とは悲しみ
- 穏やかで社交性があり、友人も多くいた
- 仲のいい人にはデレた
- ライプニッツも評価していた
- 穏やかだけど友人が殺された時はブチ切れた
- 生涯独身。恋愛の噂あったけど、デマっぽい
- 趣味はお絵かきと蜘蛛同士の対戦、蝿と蜘蛛の対戦を見ること
以上です。
スピノザのおすすめ参考文献・参考動画・スペシャルサンクス
参考文献
1・『宮廷人と異端者 ライプニッツとスピノザ そして近代における神』
前も紹介しましたが、とても詳しくて面白い本です。
しかし、難点は分厚いことです。時間を溶かすことを覚悟して読んでください。
2・『人類の知的遺産35 スピノザ』
スピノザの思想と生涯を分かりやすく、詳しくまとめてくれている本です。
でも情報量は1の本の方が圧倒的に多いです。
3・『哲学者190人の死に方』
哲学者190人の死に方がまとめられている本です。
詳しい上に読みやすいんですが、欠点は死の瞬間ぐらいしか載ってないことですね。
全体を把握したいなら1や2の本をオススメします。
4・『倫理用語集』
受験でお世話になった倫理用語集。
教科書よりずっとずっと詳しく書いてあるのでおススメです。
問題は読みづらいことです。どうにかならないんでしょうか……。
5・『哲学用語図鑑』
イラスト付きで哲学用語を解説してくれる本です。
普通に読んでも面白いです。とにかく、迷ったらこの本を。
6・『続 哲学用語図鑑』
5の本の続編です。
アインシュタインの説明はここから取り出しました。
やっぱりイラスト付きだと読みやすいですね。
7・『スピノザ書簡集』
これは持ってないので、写真はありません。
友人のみやぎんさんに協力してもらいました。
「手紙くれなきゃヤダ!」のデレる手紙はここの中にあります。
生命の樹スプレッドの写真はこの本からとってきました。
鏡リュウジさんの本は学術的で占いに全く興味がない人でもハマるので、オススメします。尚、私は元々占い好きです。
参考動画
スピノザ『エチカ』の内容がたった2頁でわかりやすく要約された本を紹介
1・100分de名著 エチカ
NHK100分de名著シリーズのスピノザ編です
名著を各回25分、全4回の100分で解説する番組です。
本当に参考になりました。
私のエチカの説明が頭に入ってこなかった人はこちらで確認してください。
2・家族の絆 〜夫婦(44):デカルト、スピノザ〜
https://shanti-phula.net/ja/video/blog/?p=3264
フォロワーのたけのこさんから紹介してもらったデカルトとスピノザの動画です。
元々大手予備校の人気講師が倫理の授業の範囲内でこの二人の哲学を紹介してくれています。
会員登録すれば実質無料で見れます。
スペシャルサンクス
- ニートンさん〈@MNeeton〉
- 親友で歴史創作家のみやぎんさん〈@miyagin0315〉
- フォロワーのたけのこさん<@TAKENOKOKOROKOR >
- 先日「アインシュタインの神はスピノザの神だよ」と紹介してくれた上馬キリスト教会様(冒頭ツイート引用)
- ここまで読んでくれた貴方
- スピノザ本人
本当にありがとうございました。
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私、白兎は今日はという今日は何の日か調べて、短編を作る企画をしています。詳しくは
#今日は何の日短編集で検索!検索ぅ!
哲学にまつわる小説を書いてらっしゃる白兎扇一〈@WhiteRabbit1900〉さんに書いて頂きました